電気伝導度とは..


電気伝導についてオームの法則
E(電圧)=R(抵抗)×I(電流)
が知られています。
この抵抗の逆数を導電率(conductance)といい、単位をS(ジーメンス)あるいはΩ-1(モー)で表します。

水の導電率の場合、比導電率(specific conductance or conductivity)といって、断面積1cm2の電極2枚を1cmの距離に離して置いたときの電導率(単位はΩ-1cm-1)を使用します。

当量導電率
1cmの電極の間にイオンの1当量が含まれている溶液の導電率を当量導電率といいます。 この値はイオンの種類によって異なります。この値を利用すれば、どれくらいのイオンが含まれているかを知る目安になりますが、どんなイオンが溶けているの かという情報は含まれません。あるイオンの溶解した水溶液の導電率から、そのイオンがどれくらい濃度があるかを計算することは可能です。
参考までに各種イオンの当量イオン導電率(Ω-1cm2eq-1)を示します。。

陽イオンの当量導電率
H+Na+K+NH4+Mg2+Ca2+Fe2+Fe3+Mn2+Zn2+
349.850.173.573.653.159.553.568.453.552.8


陰イオンの当量導電率
OH-CO32-HCO3-Cl-NO3-NO2-H2PO4-PO43-HPO42-SO42-HSO4-
198.369.344.576.471.571.836695780.050
(at 25℃,無限希釈溶液)


また、イオン交換の際、どれくらい導電率が変化するか計算しておくこともできます。(計算してどうなるという物ではありませんが) 例えば、100μSのCa(HCO3)2の水溶液をNa型の陽イオン交換樹脂(例えばADAのソフナイザー)で処理して当量の2NaHCO3水溶液にイオ ン交換した場合、100×50.1/59.5=84.2μSに導電率は低下します。また、Cl型の陰イオン交換樹脂を併用してNaClにイオン交換した場 合には、84.2×76.4/44.5=144.5に増大すると計算できます。
ここで注意したいのはH+、OH-にイオン交換した場合です。H+とOH-は反応して水との平衡が成立しているため、イオン交換してこれらが発生しても水が生成してしまい、当量のイオンは発生しません。このため、イオン交換樹脂(H型カチオン+OH型アニオン)で処理した水の導電率は0となります。

参考:1当量とは6.02×1023個の電荷を持ったイオンの量であり1価のイオンNa+、K+などでは1mol、2価のイオンMg2+、Ca2+では0.5molである