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[眠れぬ夜のパソコン情話]

第二章 曇り時々晴れ!

  第1話 天気予報じゃないんです

晴れたり曇ったり、時には雨が...。
人生の中でも、そんな時もあると思います。心に雨が降ると、それは涙?

ちょうど今は梅雨空です、今にも泣き出しそうな。
雨が似合う街は?と聞かれると、私は「吉祥寺」と答えています。武蔵野市吉祥 寺本町二丁目。以前三鷹市に住んでいたことがあり、よく出かけていました。

近くにある井の頭公園は、テレビドラマの「俺達の旅」だったかな?でいつも登 場し、少し憧れていました。 万助橋通りを北に進み、東急吉祥寺店の手前を左に折れ、2本目ぐらいの路地を また左に入ると、「まめ蔵」というカレー屋さん(今もあるのかな)があったん です。休みの日、何もすることがないとカレーを食べに行ってました。 美味しいのはもちろんですが、店内はちょっと古い家をイメージしたような造り で、落ち着いた雰囲気です。
私は、そこに置いてある落書き帳を読むのが好きでした。たわいもないことが書 いてあるだけなんですが、なんだか違う空間に迷い込んだような気がして...。
そして、外を眺めるとたまに通りすがる人と、路地の植え込みの花が何とも言え ぬコントラストをかもし出してくれました。
雨の日は、特別に...。

1997.6.25記


  第2話 働く農家の青年よ!

私の住んでいる所は、いわゆる田舎町です。昔ながらに農業を営み、さらに会社 に勤めて現金収入を得るというような、兼業農家がほとんどです。実際私もその 中の一人ですが、農業はほとんどやらなくなりました。
私の勤めているところは、福島県の県庁所在地の福島市です。職場には、高校を 卒業したばかりの人や、20代前半の人達も多くいます。その中の女性達に次の ような質問をしてみました。

−−−−−
あなたには今現在、恋人がいます。初めて逢った時からステキでかっこよくて、 性格もよくて、優しくしてくれて、もう自分の理想100%の人だとします。 その彼から、プロポーズされました。「僕と一緒に農業をやってくれ...」って。 そうなんです、彼は農家の長男だったのでした。毎日、田んぼや畑で泥まみれに なり、真っ黒に日焼けして。
−−−−−

どう見ても畑仕事など似合わないな、という二人の答えは。
なんと、=YES=

正直、驚きました。と同時に、自分の考えの甘さに反省させられました。
農家には嫁の来てが無いとか、農業離れとか色々言われていますが、その原因は 農業そのものが嫌われているのではなく、そこに住む人間、農家の人々、すなわ ち私たちが農業を嫌っているからではないか。それを誰かのせいにしているので はないか。そんなふうに感じました。
仕事は何であれ自信と誇りを持ち、一生懸命働いている姿はきっと“ステキ”な のだと思います。現代の女性たちも、ちゃんと見るところは見ているのですね。

ガンバレ!!働く農業青年よ!

1997.7.20記


  第3話 郵便受けを開けるとき

郵便受けの中に一通の封書、あの人からの手紙だ。部屋までの階段を二段飛びして駆 け上がる。

開封までのわずかな時間が、この上なく幸せな時間だったりします。
私は手紙が大好きです。出すのも、もらうのも。もっとも、手紙をもらって嬉し くない人はいないと思いますが...。 現代は交通機関も発達してるし、電話ですぐに声が聞けちゃうしで、コミニュケー ションの手段はたくさんあります。でも手紙って、気持ちが一番良く伝わるんじゃ ないかと思います。

手紙は、形に残ります。だから一生懸命まごころを込めて、相手の人を思いなが ら書いていることでしょう。そんな気持ちが文字に現れて、けっして上手じゃな くても書き手の思いが伝わってきます。
見慣れた文字が、楽しさ、嬉しさ、時には悲しさを語りかけます。 ともあれ、一つの手紙に大喜びしたり、時にはガッカリしたりと不思議な力が手 紙にはあるような気がします。
今日は、どんな手紙が届くかな?

1997.11.5記


  第4話 ザウルスと人の心

11月30日未明、私の車の中から愛用のパワーザウルスが姿を消しました。

前日友人達と忘年会第一弾(次はクリスマスあたりにやる予定)を終え、午前2 時ごろ有料駐車場にとめておいた車から荷物をとってカプセルホテルへ。その時 は異常はなかったので、そのあとと思われます。 朝の8時半ごろ車に戻ってみると、トランクに入れてあったはずのザウルスが、 ない、無い、ナイ...見えるところに置いてあると狙われると思ってトランク に入れたのに、鍵も間違いなくかけたのに。

やられました、悪い奴に、しかも巧妙に。車内は荒らされた跡はなくザウルスを 入れたバッグだけが(実は他には金めの物が無かった)、しかし唯一つけた覚え のないルームランプがついたままでした。 あーこれで十数万円がパーに、重い気持ちのまま職場へ。金額もさることながら、 記憶してある住所録や、メール記録、仕事の資料やらがすべて無くなったと思う とそのことの方がくやしかった...。

改めて、データのバックアップは重要だと、考えさせらる出来事でした。

その後、重い気持ちのまま仕事をしていると家から電話が、「免許証がみつかっ た」との知らせでした。 拾い主の電話番号を聞きすぐに連絡をとってみると、喫茶&スナックを経営して いるマスターが、「店の自転車の篭に入っていたから..」と明るく答えてくれ ました。これはきっと犯人がザウルスだけ抜き取って、ほかは捨てたんだなととっ さに感じました。でも、免許証だけでも出てきて良かったと思い、夕方菓子折を を持ってそのスナックへ。

気の良さそうな年輩の奥さんが、これですねと指さしたその先には、無くした時 と同じ姿でバッグがありました。
あっ、ザウルスとられてない。
その時の気持ちは、今でも忘れられません。「ありがとうございます」と何度も 言って帰ってきました。 後で考えると、お金は入っていないしザウルスの使い道はないしで、しかたなく そっくり捨てたんだなと思います。

それにしても世の中悪い奴もいれば、心の優しい人もいるんですね。

97.12.3記


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