北海道採集記2006(part2) |
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8月15日 函館に帰省して3日目、今日はいよいよ林原さんとの採集です。 なにか今や夏休みの恒例行事と化しつつあるのが本当に信じられませんが、つくづく自分は運がいいなぁと思います。 さて早朝、林原さんに実家前でピックアップしてもらい出発! 車内で挨拶やら近況やらクワ話に話を咲かせつつ、今回はこれまでとは違うポイントを狙ってみましょうということで期待が高まります。 狙いは勿論!特大ミヤマ&なんでも来なさい!と言ったところです(^^) 道南エリアは多少なりとも昔馴染みの多い土地ではありますが、この歳になってさらに未知の世界に入り込んで行くというのは懐かしさと相まってそれ自体が非常に楽しみでもあります。 事前にアブが多いエリアということは聞いていましたが、早速林道へ突入するなり車@フォレスターにアブどもが群がってきます! 林道途中の分岐を右へ入ったところでしばし進み戻りしていると、カエデの下方左側にミヤマ♀が! 林原さんに「ミヤマ♀いますね」・・・と、林原さんの目線が違う・・・「♂もいますよ」との言葉に正面やや上方に目をやると「うわっでかい!」いきなり一発目から迫力満点で♂が鎮座しているではないか! なんであんな所の♀を見つけてこの真正面の♂が見えないんだろう?と内心苦笑しつつも目の前に釘付けです。 こんなに樹液だらだらのカエデは初めて見ました。(以前親父から聞いた話ではかなり甘いらしい) 観察すると♂の下には♀が、周囲にはスジクワ達をはべらせ、威風堂々とした姿が本当カッコイイ! ペアでゲット!いきなり最初から70mmオーバーに感激です(^^)
続いて林道分岐を反対方向に行くと沢沿いに良い感じのハルニレが。 見ればそこかしこにミヤマがついています♪ 見える範囲でミヤマ達を捕獲し、蹴りを入れることにしますがなにぶん幹枝が沢方向に張り出しているためほとんどがそちらへ落ちそう… 蹴りを入れると数匹がバラバラっと落ちてきたものの、案の定、沢や中洲に落ちるものもいます。 よく見ると岩魚とおぼしき魚影が見えますが、まあ落下したミヤマが食われちゃうことは無いでしょう(^^; 流れるミヤマ達は林原さんがせっせとタモ網で救出します(^^)
昨日はスカスカだったケースが良型のミヤマ達でもはや1ケース埋まってしまいました。 眺めているとこれまた幸せな気分です(^^) 採集することそのものが最大の目的でもあり楽しみなので、飼育&お土産用に持ち帰る分以外は全てキャッチ&リリースです。(対象は基本的にすごく大きいか、すごく小さいか) 林道途中ではカミキリなどもチェックします。 ハナムグリがいました。宮城でも秋口にコスモスについているのを良く見かけます。 甲虫は全般的に好きなのでこの合間のひと時がまた楽しいです♪ 林道からの戻り途中、目についたハルニレの若木をチェックするとやや小型ですがミヤマペアとさらに♂がもう1匹見られました。林原さんが「こんな感じの若い木にもいますよ」と言うと実際本当にいるのでこの辺の感覚(センス)はさすがですね。
続いて向かうのは、ご神木ともいえるハルニレのあるポイントで、以前はそれこそ何度蹴っても無尽蔵にクワガタが降ってきたそうです。(話を聞いているだけですごい…) そう、くわ馬鹿98年09月号に爆発栄螺さんが書かれていた蝦夷深山採集記に出てきたあのハルニレです! その採集記を何度も読んでは胸をときめかせたものですが、まさか自分が実際にそこへ行けるとは・・・ 内心ドキドキわくわくです(^^) ポイントまでは車を止め歩いて行くそうですが、ここで長袖のウィンドブレーカーと長靴にはきかえ、防虫スプレーを散布します。(わざわざ私の分まで長靴を用意していただきました) いつもTシャツ1枚でアブの大群だってものともしない林原さんですが、今回初めて見るその重装備な姿に改めて緊張感とともに気合が入ります!! 途中のハルニレで2匹のミヤマ♂をキャッチ&リリースしつつ奥へと進みます。 確かに足場は悪く抜かり気味の状態で長靴が無いと厳しい感じですが、これでも今日は乾いて歩きやすい状態との事・・・蚊やブユも多そうです。 そして程なく、そのハルニレはしっかりと鎮座していました。
全容を見るなり「この木かぁ…さすがなんともすごい木だなぁ…」と眺めるだけで感慨深いものがあります。 林原さんが言うには以前はもっともっとすごかったのがすっかり痩せてしまったとのこと。 確かによく見ると、樹皮がはがされたりかなり人の手が入っていることが見て取れます。 しかしざっと見ただけでもクワ達の姿が確認できます。 ならばと木を揺すってみると、パタパタ落ちてきます♪ さすがに以前にように無尽蔵とまで行かないようですが、それでもこの木1本だけで20匹近いミヤマ&ノコ達を見ることが出来ました♪ ちなみにここで採れたノコギリ♂67mmは自己採集ギネスでした(^^) 70mmミヤマ達を見たせいか自分のサイズ感覚が少し鈍り気味でしたが、実はなかなか立派な個体です♪ 木のはるか上層部を見上げると、甲虫類やら何やら頻繁に飛び交っているのが見えます。まだまだそこには虫達のパラダイスが残っていることに何か安堵感を覚えるのでした♪ 周囲の木もひとしきりチェックをして、充実感に浸りながらそのポイントを後にしました。 次なる林道では、やはりハルニレを主体とした道沿いの木をチェックし、ミヤマに加えてコクワ、アオカナブン、そしてスジクワを見ることが出来ました。
次のポイントではこれまたなかなか立派なハルニレが1本。 車を降りると目の前にノコ♂が1匹…どうやら車のドアを閉めたショックで落ちたらしい(^^; 以前にもこのようなことがありましたが、ノコって特に音や振動に敏感なのかもしれないですね。 見回すとタモ網の届かない高所にミヤマが見える・・・と、どこに止まっていたやらいきなり1匹のミヤマ♂が飛んでいった〜 蹴りを入れるとガサガサガサっと落下する音はすれども姿は見えず… それでも数匹のミヤマ達を見ることが出来ました。
さらに奥へと進み車を降りたとたん、なんとも言えない獣臭とでもいうような臭いが鼻につきます… 林原さんに「なんか臭いますね?」と聞くと、「でも古いですね(だから大丈夫でしょう)」 確かに真新しい生臭い臭いとはちがい、すでに時間が経過して発酵したような感じの臭いです。 (文章表現がうまく出来ませんが(^^;) とにかくいつも以上に念入りに笛とカウベルを鳴らしつつ、お目当てのミズナラをチェックします。 近寄るとあちこちにミヤマが見えますが、中型からやや小型といった所でしょうか。 蹴りを入れると良型のミヤマが地面へパタパタと落下。どうやら視界に入らない上方の枝についていたようです。 こんな感じでミヤマが何匹も落ちてくるなんて、子供の頃に夢見ていた世界にしみじみ喜びを味わいます(^^)
林道を戻り下りて別のポイントへ行く途中、道端に怪しげな塊が・・・ やはりヒグマの糞です。すぐ近くにも合わせて二つありました。 ひとつはすでに乾燥していましたが、もうひとつの方はまだ最近のもののようです。 炎天下のアスファルト上ということもありますが、臭いは”強烈”(^^; 念のため糞虫チェックのため林原さんが拾った枝でつんつんするその姿が、どこかDr.スランプアラレちゃんを連想してしまい一人傍でほくそえむ自分でした(^^) 昨日といい今日といいやっぱり北海道ではヒグマにご用心ですね。 |
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