カルドセプト　リボルト戦術論　３－１　ランドトランスの仕組み

　【ランドトランス】は、スペルカードの１つに過ぎませんが、ひとつの戦術として確立された存在です。必ずしもブックに必要とされるものではありませんが、ある水準以上の戦い方をしようとするならば避けて通ることはできません。ここでは【ランドトランス】戦術について、論じていこうと思います。

１　ランドトランスの仕組み

　自分の領地（ランド）を売却し、魔力へ変換（トランス）するスペルなので【ランドトランス】と言います。せっかく作ったレベル５だとしても、【ランドトランス】で手放してしまえば土地レベルは１になり、自分のクリーチャーも破壊されてしまいます。通行料を支払って土地を手放すことがありますが、売却金額こそ下がるものの、あれと同じことをスペルカードでもできるのです。
　ランドトランスの強さとは、土地を手放して得た魔力を、連鎖倍率へ再投資することで、爆発的に魔力を増やせることにあります。

２　変換（トランス）と増幅（レベルアップ）

　具体例で【ランドトランス】の手順を追ってみましょう。なお、計算を単純化するために、ラウンドゲインは除いています。

　このように、【ランドトランス】は条件さえ整えれば、一気に達成できるだけの爆発力を秘めています。これは、連鎖を組んでレベルアップすることで増幅した領地の価値を、再び魔力へと変換（トランス）することで、再増幅させられるためです。この変換と増幅という考え方はカルドセプトの基本です。

３　ランドトランスの注意点

　【ランドトランス】は、カルドセプトの基本戦術である「連鎖を作り、土地を守り、魔力を稼ぐ」というものに則ったものです。特別な工夫は必要ではありません。しかし、いくつかのポイントがあります。

連鎖が組みやすいこと

　【ランドトランス】は連鎖倍率を利用したものなので、連鎖を組みにくい環境では機能しません。例えば「シンプルサークル」や「ツインリング」のような狭いマップでは、土地を失うリスクが大きく、お勧めできません。逆に「ゴールドバグ」や「バンブルビー」のように分岐もある広いマップでは、連鎖が組みやすいため大きな力を発揮するでしょう。

速やかに増資すること

　【ランドトランス】で魔力を得るだけでは、目的が果たせません。得た魔力を使ってレベルアップすることが必要です。上に示した例でも、レベルアップに２ラウンドを必要としました。もし、手持ちの魔力を多く抱えた状態で【ドレインマジック】を使われたら、失速してしまいます。
　クリーチャーがダウンしていないか、どの領地をレベルアップすべきかなどを考え、速やかに増資しましょう。

増幅後の状況を考えること

　言葉にすると簡単ですが、もっとも難しいことです。【ランドトランス】でトップになったとしても、妨害が集中して失速してしまったら達成が遠のいてしまいます。「ランドトランスしなければならないのか」「すると有利になるのか」「妨害をさばき切れるか」などなど、考えることは山のようにあります。最初の間はあまり考える必要はありませんが、まともに使おうと思ったら様々なリスクを管理しなければなりません。【ランドトランス】は目立つ行動なので、特に注意が必要です。