Tactics4-5:究極の干渉~通行料

 究極の干渉~通行料

 さて、これまでに紹介した妨害・干渉の手段はいずれも資源を消費するものばかりでした。また、成功するタイミングも限られ、予定として計算できないのも課題です。
 しかし、ここで紹介する干渉手段は資産は減らない上に、定額の魔力ダメージが可能で、しかも効果が高いものです。「そんな都合の良い方法あるのだろうか」と思うかもしれませんが、あるのです。それが通行料奪取です。土地のレベルを上げて通行料を高めることは、次のような様々なメリットがあります。

これに対して、注意すべき点としては以下のものが挙げられます。

 いずれもこの戦術の致命的な欠点です。他人に高額領地を落とされては大きく後退しますし、通行料を奪えずに負けてしまうのは避けたい所。これに対処するにはいくつかの方法があります。

 どの土地のレベルを上げるか?

 まず、資産を失う可能性について考えましょう。「他人の侵略の防ぐには、防御力の高いクリーチャーを配置すれば良い」というのは、自明です。しかし、クリーチャーの生存率を高めるのには限界がありますし、【ミューテーション】などで育てても、あまり生存率そのものは上昇しません。ポイントは侵略されにくい土地かどうかなのです。
 例えば、隣に敵の侵略クリーチャーが配置されていた場合、その領地のレベルを上げることは有効ではありません。それが自分の最も頼れる拠点用クリーチャーであったとしても、です。逆に、敵による移動侵略の可能性が低く、【チャリオット】の対象からも外れるような土地であれば、並みのレベルのクリーチャーでも十分でしょう。この時は防御用アイテムを保持していることが前提になりますが、相手が移動侵略をしてくるのでもなければ、止まるかどうかも分からない高額領地のために、わざわざアイテムを破壊してくるでしょうか?しませんよね、効果が見込めないのですから。
 これは、誰からも通行料を取れない可能性についても同様です。分岐があって、回避できる土地のレベルを上げても、なかなか通行料は払って貰えないでしょう。逆に、必ず通過しなければならない土地、何度も通過する土地のレベルを上げた方が、通行料収入を期待できます。また、ひとつの土地のレベルのみを上げるのではなく、2、3箇所を分散してレベル3程度にした方が、収入そのものは安定するはずです。マップの特性に注意して、どの土地のレベルを上げるのか考えて下さい。
 以上のように、土地のレベルを上げるタイミング、場所、などはプレイヤーの経験が問われます。「同じように収入を得ているはずなのに、相手の土地ばかり踏んでしまう」のは、運が悪いのではなく、相手が踏みやすい土地のレベルを上げているからなのです。
 これが出来るようになれば、収入をたくさん得て素早く土地レベルを上げる戦術は、十分に攻撃的と言えるでしょう。マップにもよりますが、下手に妨害手段や侵略の準備を整えるよりも、干渉手段としては最高です。相手に高額領地を踏ませることは、例えるなら“通行料分の敵の領地に侵略し、全てに【ランドトランス】を使用したにも関わらず、自分は手札も魔力も消耗しない”ことです。くれぐれも、自分が払う立場にはなりたくないものです・・・。

 実例:貿易都市スネフ

貿易都市スネフ

素材協力:Zaji&Hojiの空中庭園

 スネフではW砦、E砦を経由する必要があります。城を通過する際には必ず進行方向を選択しますが、ここで通行料の取りやすさに差が生じるのです。例えば、「城脇の水土地」が高レベルの領地だとしましょう。あなたはW砦からほこらを経由してE砦に向かうとします。その場合に「城脇の風土地」を通過してN砦に向かうでしょうか?あるいは「城脇の水土地」を通過するでしょうか?
 答えは簡単、「城脇の水土地」を通過してしまえば、高額領地を踏む可能性を無くせます。よってこちらが妥当な選択肢、ということになります。このことから城脇の土地は通行料収入に向かない領地と言えます。
 逆に砦脇の土地は分岐によって回避は難しく、移動スペルがなければダイス目の勝負を迫られます。こちらが通行料収入を期待できる土地と言えます。
 このように、一見すると同じように思える土地ですが、防御のしやすさ、通行料収入の可能性、領地コマンドの頻度により、差が生じます。これは魔力の価値では計れません。通行料は期待できない城脇の土地ですが、他のセプターが意図的に回避してくれるので、防御に強いメリットもあります。マップの特性を把握して、どの土地のレベルを上げるべきか判断するようにして下さい。