Base1-4:ゲームの展開

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 序盤~クリーチャーをばら撒け

 では、ここから大まかなゲームの流れを解説しようと思います。簡単ですがマップの具体例から。

「デュナン」

城■■■■
    
    
    
■■■■

 各プレイヤーはからスタートします。ダイス(サイコロ)を振り、土地(□)に止まったら、クリーチャーを配置しましょう。各属性の土地は色ごとに■:火■:水■:地■:風となっています。

 クリーチャーをばら撒きつつ、チェックポイントのを通過しましょう。この時に砦ボーナスとして魔力が貰えます。砦を通過して城に戻れば、周回ボーナスでさらに魔力を得ることができます。

 序盤はとにかくクリーチャーの配置に魔力を費やしてください。領地は資産の基本であり、領地を得るためにはクリーチャーが欠かせません。この序盤の領地取りで、中盤以降の展開が大きく変わってきます。

 カルドセプトでは、そのゲーム中で達成するべき資産の量を目標魔力と呼び、プレイヤーの資産の量を総魔力と呼びます。目標魔力は試合によって上下するため一概には言えませんが、とりあえず今回は5000Gとします。デュナンの土地価値は80Gですから、土地を一つ確保すればそれだけ達成に近づけるのです。「土地が全部で16個しかないのに、どうやって5000Gも集めるのか」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。それについては後に触れます。

 中盤~属性を合わせ、ひとつの属性を集めよう

 クリーチャー配置が一通り配置されると、今度は特定の属性に集中する作業に移ります。ここまでで、「地属性の土地に火属性のクリーチャーを配置している」などのケースがあると思います。クリーチャーカードの項で「土地とクリーチャーの属性を合わせた方が良い」と述べましたが、このような場合は手持ちのクリーチャーと配置しているクリーチャーを交換することができます。これにより、クリーチャーは地形効果を得るため、他のプレイヤーによる侵略の牽制になるのです。

 また、上手く土地を取れなかったプレイヤーは、目的とする土地を取るため、他のプレイヤーの領地に侵略を仕掛けることが出来ます。侵略に成功すれば自分の領地が増える上に、相手の領地を減らせます。しかし、成功する場合は限られるため闇雲に侵略することはお薦めしません。自分の手札と魔力、相手がアイテムを使用するかどうかの予想も含めて、侵略の有無を判断する必要があります。

 領地は特定の属性をいくつも持つことで、価値を高めることが出来ます。これを連鎖と呼び、資産増幅戦術の基本になります。例えば、水属性の領地を2つ所有していた場合、2連鎖になり価値は1.5倍になります。つまり、土地価値が100であったときは100×2=200ではなく、100×1.5×2=300となるのです。別々の属性をひとつづつ持っているよりも、特定の属性を二つ持っていた方が価値が高まる、という訳です。こうして連鎖を組んで、資産の価値を高めていきましょう。

 連鎖を組むにはいくつかの方法があります。ひとつは領地を地形変化させる方法です。自分の領地の属性を変えることで、連鎖を増やしていきます。属性変化にも魔力が必要ですから、タイミングを逸しないようにしましょう。あるいは、目的とする属性の土地に侵略することでも連鎖を増やせます。他にも、ダイス目を操作するカードを使ったり、マップによっては分岐点を利用して目的とする土地に止まる方法が挙げられます。途中まで展開が悪くても、諦めずに様々な方法で連鎖を増やせるように工夫してください。

 以上のように、クリーチャーと領地の属性を合わせ、連鎖が組まれた土地は、敵の侵略を受けにくく、資産の価値も高い上に、通行料も増える、という非常に理想的な状態になります。ここまでが中盤までの目安です。

 終盤~土地のレベルを上げて城へ戻れ!

 ここまでで、あなたの領地は連鎖も組み、配置されたクリーチャーの属性も適合しているとします。しかし、それだけでは達成には届きません。達成するためには資産を増幅させる必要があるのです。連鎖は最大5連鎖まで増やすことが出来ます。この時の倍率は2.2倍なので、トータルでは100×2.2×5=1100となります。仮に目標が5000とすると、これだけでは届きませんね。

 カルドセプトでは自分の領地に魔力をつぎ込むことで、領地の価値を上昇させることが出来ます。これを領地のレベルアップと呼び、目標達成のためには欠かせないプロセスです。レベルは最大5まであり、5レベルにするには基本土地価値の15倍の魔力が必要になります。また、レベルが上がることで地形効果の修正値も上昇するため、領地はさらに守りやすくなるのです。単純に言ってしまえば、注いだ魔力の分だけ土地価値は上昇します。ですから、レベルアップによって資産が減ることはありません。

 さて、デュナンの基本土地価値は80なので、5レベルにするには1200の魔力が必要です。周回ボーナスなどで魔力を蓄え、レベルアップをしたとしましょう。そうなると、資産は次のようになります。以下、細かい数字が続きますが覚える必要は全くありませんので、赤字の箇所にのみ注意してください。

レベル1の自領地:80×2.2×5=880
自分の手持ち魔力:1200
自分の総資産価値:880+1200=2080

レベル5の自領地:(80+1200)×2.2×1=2816
レベル1の自領地:80×2.2×4=704
自分の手持ち魔力:0
自分の総資産価値:2816+704+0=3520

 トータルで見れば、1440もの資産を増やしたことになります。総資産が3520になれば、目標の5000も見えてくるのではないでしょうか。この領地のレベルアップ戦術は資産を増やす基本戦術であり、カルドセプトはこれを基準にゲームバランスが構築されています。また、レベルが上がれば通行料収入も増えるため、他のプレイヤーに対する牽制手段としても非常に有効です。土地価値80の5連鎖レベル1では通行料は35ですが、5連鎖レベル5ではこれが2252にもなり、これだけでゲームを決めることも可能です。

 あなたが目標を達成したのなら、急いで城へと戻ってください。城へ戻ればあなたの勝利です。もし、他のプレイヤーも目標を達成していたら、先に城に戻った方の勝利となります。遅れては駄目ですので、注意してください。

 最後に

 ここまでで、カルドセプトというゲームの基本的な事項を抑えることが出来ました。これ以降は、実際にゲームに触れて理解していくのが近道でしょう。初めての方には「なぜ土地を取る必要があるのか」「なぜレベルを上げる必要があるのか」を理解しないまま、漫然とプレイして欲しくなかったため、明確な目標を提示してその方法を示す、という書き方にしました。予めゲームの構造が分かっていれば、その後の上達も早いと思います。

 本来であれば、比較的難解なクリーチャー戦闘についても触れた方が良かったのかもしれません。しかし、カルドセプトにおいては土地の取り合いはひとつの側面でしかなく、ゲームの主用部分では無いと考え、割愛しました。このゲームは「他人のクリーチャーを破壊する」ことが目標ではありません。「西洋中世のような世界観で、魔法使い同士がカードを駆使して戦う」というと、「クリーチャーを使役して相手を叩きのめす」ことが目的と混同しがちです。目標はあくまで資産の達成にあることを強調する意味でも、戦闘については割愛しました。

 さて、次からは実際のブックを例に取りながら、説明を加えたいと思います。

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