木彫・陶芸・かわら・彫り・織り・造形・旗


Akio Ohmori 大森暁生
 初めて出合った彼の作品は、大きなアフリカ象の頭像でした。鼻の上部から正面に向かって一本の角を真っ直ぐに突き出した木彫の象は、まるで近代化の嵐から身を守る一角獣のように、耳を拡げ、穏やかな目でじっと世界を見据えていました。最近の彼の作品の傾向となっている棘や角のある作品について尋ねると「自分からは絶対に襲うことのないといわれる者たちが、棘や角を備えなければならないようなそんな気持ちを表現したいからです。」と答えてくれた彼の目には創造者の輝きがありました。若冠28才の彼は、僕に若き日の運慶、湛慶を想像させてくれました。正統本格派の木彫家の登場です。
Syuji Yamada 山田脩二
 この方はカメラマンからカワラマンになってしまったお酒飲みのおじさんです。「かって、岡山県の吉井川近くの山に囲まれた佐伯村の小学校のころ、こっそりと、恐る恐る一足一足、屋根の棟に登って、足ウラに伝わってくる瓦の感触と、近隣の風景に不思議なときめきがわいた。山の端と集落の小さなスカイラインだった。それでもとてつもなく広々とした地平線だった。」(脩二氏著作より不許可引用)山田脩二の名が岩波書店発行の「日本の写真家40人」に登場したときにはみんなたまげました。
Akio Ukon 右近彰夫
 「酒を愛する人は心きよき人、酒器を愛する人は心やすき人。酒器と酒とを愛する人は僕の友達。」初めていただいた名刺にこんな唄が記されていました。いっぺんに友達になってしまいました。右近さんはグラナダと九州で器が焼きあがると「やきものにしひがし」なんて展示会を各地でやってます。いいですよ。
Toshi Nagasaki 長崎 歳
 オホーツク海を望む紋別、コムケ湖の周辺。.......雪に覆われた白の風景の中を四駆で走る。.海岸の橋を渡る手前の左手に女がひとり立っている。その後姿にすがるように傘を持った男が立っている。............さらに.海岸線を湖口方面に走ると、遠景に二人の男女が並んで光る湖面を見つめている。右に流氷のオホーツクをみながら白銀の轍を進むと小さく黒く浮かぶ船番屋の前の古ぼけた木造廃船の上で、女性が物思いにふけっている。どこまでも拡がるつかみどころのない雄大な自然の中で、ヒトが点景で登場するだけで風景に物語がよみがえる。イメージに切り取られた風景がまるで映画のシーンのように意味を持つ。大自然を相手の造形作家、歳さんはこんな試みもやってくれます。

Ina E Conradi イナ・コンラッディ
 Fine Art・織り・タペストリー。ユーゴスラヴィアから美術留学生として京都に学び、その後うちの近所にやってきたイナは、すらりと伸びた肢体からハリウッドの女優さんを思わせる美人でしたが、ガラスのような繊細な神経と大胆な創作力を兼ね備えたひとでした。ボスニア戦乱の時期、お母さんの住むスロベニアに帰っていきました。
Mieko Tokushige 徳重美恵子
 海を望む大磯の丘の上に、果樹林に囲まれた枯れた木造り板張りのお宅がありました。この屋の女主人によって次々と手早く出される手料理は大根、豆腐に小魚と海藻が主体の健康食で、ついつい杯を重ねてしまいました。ガラス戸の開け放たれたアトリエで、覆い布のかけられた大きな古来の機織り機が、晩秋の暖かい陽を浴びておだやかに休憩しておりました。機織り師
Keiko Fukui 福井恵子
 旗。フラッグアート。

Mutsuko Nagao 長尾睦子
 陶芸。
Yukitosi Sirahama 白浜行捷
 木彫家。