Oversea's friens 海外びと


(last updated:980228)
Souroku Taoka 田岡荘六
 ラインに沿って拡がるどこまでも平坦なルール地方の、ここだけがかろうじて山というより高原を思わすデュッセルドルフの東の丘の上に田岡さんのうちはありました。もう20年以上仕事をしてこられたこの地で定年を迎えられた田岡さんは、この家を終の棲家にするのだと奥さんと二人で語ってくださいました。ドイツらしく端正に整った広いリビングの向こうで、庭の芝生と藤棚がまた新しい春を迎えようとしていました。(980227)
Toshiko Kanousawa 叶澤敏子
 グラナダ・アルバイシンの丘にある彼女の家の屋上に昇ると、時代をへた古い赤瓦と白い壁の連なる集落の上にでます。目を上げると、真正面のさらに高い丘の上にアルハンブラの赤い壁が、両袖に緑を従えるように聳えていました。満天にはアンダルシアの夏の、まだ柔らかい朝の青空がひろがり、涼やかな朝の空気をすずめ達の声がにぎわしていました。近くの屋上ではスペイン人の若夫婦が朝食のあとのTeをゆっくりと味わっている風で、まるで僕だけ時間が止まってしまったかのような、まわりの時間だけがゆったり流れているような、そんな空間の中にいる不思議な自分がありました。