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 第1話/待ち合わせ(3)

 

 

 ……それにしても遅いな。
 もう30分は過ぎている。さっきは繋がらなかったけど、もう一度あいつの携帯に連絡してみようかな?

 「おおい!!悪ぃ〜悪ぃ〜、待たせてしまったな」
 「遅いよ〜〜。初デートから遅れてくるなんて、酷い〜」
 「だから、ゴメンって。お詫びにコレ」
 「え?」

花束

 私の目の前に花束が差し出される。

 「どういうの買えばいいか分からなくて悩んでいたら遅くなった」
 「……それで遅れたの?馬鹿ね」
 「馬鹿はないだろう?せっかくの初デートだから記念にって思ったんだぜ」
 「こんな花束持ってデートしたら邪魔になるじゃない」
 「邪魔ってな……お前」
 「……なぁんて嘘、嘘」
 「あのなぁ」
 「遅れたから、意地悪したくなっただけよ。ありがとう。あんたのこういうトコ大好きよ」

 あたしは思わずあいつの頬にキスをする。

 「……ったく」

 顔を真っ赤にしながらそっぽ向くあいつ。