「大事にするね。傷んじゃ嫌だから、一度家に帰らない?」 「なんだよ、それじゃあ、待ち合わせた意味なかったじゃん」 「ううん。十分意義があったわよ。あんたを待っている事は」 「??」 「いいから、行きましょ」 「あ、ああ」
いつも一緒にいるんだから、たまにはあんたの事、待ちわびるのもいいじゃない。 あんたを待って、あんたの事考えて、あんたの暖かさを心待ちにして待つのも悪くない。 出会えた時の喜びをこうまで感じられるのは、待った人の特権だからね。 私はあいつの腕に腕を絡めて、いつもと同じ景色の中を、いつもと違う気持ちで歩き出した。
いつも一緒にいるんだから、たまにはあんたの事、待ちわびるのもいいじゃない。 あんたを待って、あんたの事考えて、あんたの暖かさを心待ちにして待つのも悪くない。 出会えた時の喜びをこうまで感じられるのは、待った人の特権だからね。
私はあいつの腕に腕を絡めて、いつもと同じ景色の中を、いつもと違う気持ちで歩き出した。
(おしまい)