■優紀編■
4日目【7月24日】


 
 

 優紀さんは目を反らして俯いた。俺は心の中が混乱してどうすればいいのか分からない。とにかくこの場から逃げたかった。俺は紅茶を急いで飲み干すと立ち上がる。

「俺、帰ります。紅茶、ごちそうさまでした」

 優紀さんは俯いたまま頷くだけで、なにも言わなかった。俺は後ろ髪を引かれる思いで綾部家の別荘から出ていった。