■直美編■
6日目【7月26
日】


 
 

◆7月26日<昼>◆
『冷たい直美さん』


 


 そういえば今日は直美さんに会ってないなあ。
 もう彼女と一緒にいられる時間は少ないんだ。とにかく彼女に会おう。

 俺は天乃白浜へやって来た。
 一週間毎日通ったこの場所に来るのも今日で最後。
 なんか感傷的になるなぁ…。
 ここではいろんな事があったから、名残惜しいよ。

 おっと、それどころじゃないんだ。チャンスを見つけて彼女に気持ちを打ち明けなくちゃ。

 あっ、ちょうど直美さんがいるぞ。声を掛けよう。

 「よう! 直美さん」
 「……」

 直美さんは気が付いていないのか無視して俺の前を通りすぎた。

 「直美さんってば!」
 「ごめん、今、ちょっと忙しいの。帰ってくれる」

 げ!直美さんなんか怒ってるぞ。
 くそっ、なんだよ。俺のせいで怒ってるのか?
 俺は突然の事に言葉を無くしてその場に立ちつくた。