■直美編■
5日目【7月25日】


 
 


 「落ち着きなさいよっ!まこと君、救急車を呼んで来て!」
 「俺はどうすりゃぁぁいいんじゃぁぁ」
 「まこと君!!」
 「はっ!! 救急車だね、救急車…ほい!まかせてぇぇ」
 「…大丈夫かなぁ」

 ……
 ……数時間後。

 「直美さん、子供は大丈夫だった?」
 「……。まぁ、まこと君はふつーの都会の高校生だもんね。せいぜいあれくらい」

 ははは……あれから管理センターの電話で救急車を呼ぼうとしたが、大混乱でハローダイヤルに電話するわ、時報や天気予報に電話するわ結局、警察に電話してそこから救急車を呼んでもらった。しかも救急は他の海水浴客が携帯で連絡済みだった。

 「ごめん」
 「いいのよ別に。供は大丈夫だったから。なんとかね」
 「おわびにさ…
 「悪いけど、今は一人になりたいの…帰って……」

 あちゃぁ。嫌われちゃったかなぁ…あの時の俺、凄く格好悪かったもんなぁ。俺って駄目な奴。