■直美編■
1日目【7月21日】


 
 
 どうせ、姉貴は俺に恥をかかせたいだけだから、無駄な事はしないほうがいい気がする。

 「もういいよ。俺が買ってくるから…」
 「ええ〜!? そんなのつまんないわよ」

 直美さんは不満そうな顔になる。しかし、俺は断固拒否した。

 「なんかどのみち俺が買ってこなければいけないような気がする」
 「そんなの分かんないって」
 「それになんかそんなことする気分じゃないしさ。じゃぁ、俺行って来る」
 「まこと君、ちょっとぉ」

 姉貴も「しょうがない奴だ」と言いたげな顔をしていたが、俺の知ったことじゃない。
 これ以上、姉貴たちにつき合ってられるかってぇの。
 さっさと買って来て、今日は早めに帰ろう。