■美鈴編■
4日目【7月24日】


 
 
「ほら、美鈴、なんにするんだよ」
「な、なによう、あんたが先に注文しなさいよ」
「俺はなんでもいいから、おまえと同じものにする」
「駄目よ。さっさと注文しなさい」
「だから〜おまえの好きな物注文すればいいだろう」
「…だって…なに注文……いかわ…ないもの」
「え? なんだって?」
「……」
「早くしないと、次の人たちが待ってるぜ」
「だから、あたし、なに注文していいかわからないって言っているのよっ!」

 顔を真っ赤にしながら言う美鈴。

「最初から素直にそう言えばいいんだよ」
「あんた、まさか解っていて急かしたんじゃないでしょうね!」

 睨む美鈴に知らん顔して注文をする俺。
 やっぱりそうだ。ファーストフードに来たのは初めてだなこいつ。