……
……
ピュシュー!!!
「おわぁぁ、なんだ!!」
熱い太陽の下でいつの間にか寝ていた俺は、頬に当たる冷たい刺激に飛び起きた。
「へへん、どう? 目が覚めた」
「美鈴! なんだ、その水鉄砲は?」
「砂浜で遊んでいた子供にもらったの」
「まさか脅し取ったんじゃないだろうな」
「失礼な事言わないでよ。「おねぇちゃんはキレーだからあげる」って言われてもらったんだから」
「本当だろうな〜?」
ジト目で見る俺。
「なによ! だいたい、せっかく私みたいな美人と海に来てながら、居眠りするなんて無神経にもほどがあるわ」
「あのなぁ、俺はお前に無理矢理…どわぁぁぁ」
俺はまた顔に水をかけられた。
「なんか言ったぁ〜馬鹿男?」
クスクス笑いながら俺を見る美鈴。
「こぉの、それをよこせよ!!」
「べ〜〜だ!!」
舌をだして美鈴は逃げた。俺は美鈴を追いかけてビーチを駆けていく。
「取れるものなら取ってみなさいよ〜。そーれ」
またしても水鉄砲での反撃。それを顔に浴びて俺は思わず顔を手で拭いた。
「うわっぷ! こっちが大人しくしてれば調子に乗りやがって…このやろぉぉ」
俺は美鈴に反撃を喰らいながらも波打ち際まで追いかけていった。そして、海の中へ逃げようとする美鈴を後ろから捕まえて…。
「え?きゃぁぁ」
そのまま波に足を取られ二人は海に倒れ込んだ。
その時、手にふにゅっと柔らかい感触が…これは、もしかして…
「……」
「……」
気がついたら俺が美鈴の胸を後ろから鷲掴みしている格好になっていた。
これは、おいしい…もとい、やばい事をしてしまったような…。
「き……」
「き?」
「きゃやややややあああああ!! なんて事してんのよ! このド変態!!」
ガスッ!!
俺は、美鈴にもろに殴られた。
「痛てぇ〜グーでなぐりやがったな、グーで!」
「ふざけんじゃないわよ! 私の胸を掴んだくせに! このド変態!」
「事故だろ、事故! だいたい水鉄砲ぶっかけて逃げた美鈴が悪い!」
「馬鹿! 女の敵! 変質者! 痴漢魔!! スケベ!!」
顔を真っ赤にして(まぁ当たり前か…)怒る美鈴。胸を両手で隠して鬼の剣幕で俺を睨み付けている。
「わかったよ胸をさわった事は謝る。しかし言っておくけど不可抗力だかんな。わざとじゃないぞ」
「しかも水着の上からダイレクトに…まったく、恥ずかしいったらありゃしない」
「…なんなら俺のもさわるか?」
とっさに訳のわからない事を言ってしまう。
どこを? …と俺は心の中で自分に突っ込みを入れた。
「なっ」
「冗談だよ。そんなに鬼のような顔をするなって」
「凄く不愉快だわっ もう帰る!」
「え? おい美鈴?」
あちゃぁ、美鈴、怒って帰っちゃったぜ。
まぁ、いいか。無理矢理美鈴に連れてこられたんだし、事故とはいえ美鈴のふくよかな胸に触れたんだし…小柄な割にはなかなかのボリューム。柔らかかったな…って、いかん! いかん! 美鈴は怒っているんだぞ。反省しなきゃ。