■真澄編■
6日目【7月26日】


 
 
「わからないよ…」
「わからない?」

 俺はここに来て妙に気持ちがぐらついてきた。

「そこまで深く考えた事ないし、まだ再会して一週間だけしかたってないし…。彼女を好きかどうかなんて」
「そうか。ならもう帰りな」

 弘の言葉に刺のようなものが混ざる。

「え?」
「そんないい加減な気持ちじゃぁ、追いかけていく権利なんてないんだよ!もうあきらめるんだな」
「……」

 弘がいつになく強い口調で言っている。

 こいつ、もしかして本気で真澄ちゃんの事…。

 俺は何も言い返せずそのまま公園を後にした。