俺は真澄ちゃんに悪いので少し手を抜いて投げる。
一投目、ガーター。
二投目も二本しか倒れない。
「先輩、真面目にやってますぅ?」
ジト目で俺を見る真澄ちゃん。
「いやぁ、なんだか今日は調子悪いや」
その影響でか、真澄ちゃんも調子がいまいちだった。
1ゲーム終わってのスコアは俺が82、真澄ちゃんが63。
「先輩、もうやめましょう。きっと疲れてるんです」
「え? そんな事ないよ。まだまだやれるさ」
「あたし先輩がボーリングでは絶対100は越えるの知ってます」
ありゃ? どうしてそんなことを知ってるんだ?誰かに聞いたのかな?
「あたしも少し疲れました。今日は帰りましょう」
そう言ってボールを戻しに行く真澄ちゃん。
しまったなぁ、手加減したのが裏目にでてしまった。
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