■真澄編■
3日目【7月23日】


 
 

 俺は真澄ちゃんに悪いので少し手を抜いて投げる。

 一投目、ガーター。
 二投目も二本しか倒れない。

「先輩、真面目にやってますぅ?」

 ジト目で俺を見る真澄ちゃん。

「いやぁ、なんだか今日は調子悪いや」

 その影響でか、真澄ちゃんも調子がいまいちだった。

 1ゲーム終わってのスコアは俺が82、真澄ちゃんが63。

「先輩、もうやめましょう。きっと疲れてるんです」
「え? そんな事ないよ。まだまだやれるさ」
「あたし先輩がボーリングでは絶対100は越えるの知ってます」

 ありゃ? どうしてそんなことを知ってるんだ?誰かに聞いたのかな?

「あたしも少し疲れました。今日は帰りましょう」

 そう言ってボールを戻しに行く真澄ちゃん。
 しまったなぁ、手加減したのが裏目にでてしまった。