俺はいつも通り普通に投げた。
一投目は少し左に寄って4本。そして2投目でなんとかスペアがとれた。
「うわぁ、先輩じょうず!!」
それでも手を叩いて感心する真澄ちゃん。
入れ替わって彼女の番だ。
「真澄ちゃん、頑張れ」
「はい」
振り向いて笑顔を見せる彼女。そしてピンの方へ向き直るとボールを構え、投げた。
おお!相変わらず勢いはないがコース的にはいい感じだぞ!
ホールは真ん中から少し右寄りにピンを押し倒した。
「やったぁ! ストライク!」
大喜びで戻ってくる真澄ちゃん。
「苦手だって言っていた割には上手いじゃないか真澄ちゃん」
「えへへ…。今日は調子がいいみたい。先輩が見ていてくれたおかげかな」
けっきょく1ゲーム目のスコアは俺が142で、真澄ちゃんが118。
「うわぁ、100越えたのなんて初めて。先輩、もう1ゲームしましょう」
「オッケー」
嬉しそうにスコアシートを見る真澄ちゃん。
うむ〜。こんなに喜んでくれるなんて、連れてきてよかったなぁ。
この後、俺達は4ゲームほどやってしまった。さすがに最後はくたくたになったが、真澄ちゃんは満足そうだった。
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