■真澄編■
3日目【7月23日】


 
 

 俺はいつも通り普通に投げた。
 一投目は少し左に寄って4本。そして2投目でなんとかスペアがとれた。

「うわぁ、先輩じょうず!!」

 それでも手を叩いて感心する真澄ちゃん。
 入れ替わって彼女の番だ。

「真澄ちゃん、頑張れ」
「はい」

 振り向いて笑顔を見せる彼女。そしてピンの方へ向き直るとボールを構え、投げた。
 おお!相変わらず勢いはないがコース的にはいい感じだぞ!
 ホールは真ん中から少し右寄りにピンを押し倒した。

「やったぁ! ストライク!」

 大喜びで戻ってくる真澄ちゃん。

「苦手だって言っていた割には上手いじゃないか真澄ちゃん」
「えへへ…。今日は調子がいいみたい。先輩が見ていてくれたおかげかな」

 けっきょく1ゲーム目のスコアは俺が142で、真澄ちゃんが118。

「うわぁ、100越えたのなんて初めて。先輩、もう1ゲームしましょう」
「オッケー」

 嬉しそうにスコアシートを見る真澄ちゃん。
 うむ〜。こんなに喜んでくれるなんて、連れてきてよかったなぁ。
 この後、俺達は4ゲームほどやってしまった。さすがに最後はくたくたになったが、真澄ちゃんは満足そうだった。