「ちょっと聞いてるの?」 「……」 「……だから都会の人間って嫌いなのよ。自分さえよければいいと思って……」 なんとでも言え。こんな些細な事でとやかく言われなければいけないんだ。どうせ、車内は空いてるんだから問題ないだろうに。 それに、よく見ず知らずの人間にそんな事を言えるよな。 俺はそう心の中で文句を言いながら、窓の外を眺めるふりしてその女の子を無視した。