97年05月 重賞予想


blue エプソムカップ(G3) 東京 芝1800m

◎キングオブダイヤ
 秋に大きな目標があるキングオブダイヤが満を持して出走してくる。得意距離、得意コースで、持ち時計(1:46.7)もある。中山の馬場もこなしているので、少々の馬場の悪化は問題無いだろう。

○アフターユー
 良くわからん関西馬。関東のレースで穴を開けるのはこの手のタイプだ。強力なメンツが揃った大阪杯で勝ち馬とそれほど差の無い(0.6秒差)4着は評価できる。
しかし、アフターミーが逃げ馬でアフターユーが追い込み馬とは…名は体を表すとは良く言ったもんだ。

▲シングライクトーク
 薫風ステークスは相手に恵まれたこともあるが、後続を千切る強い勝ち方だった。休養明け後は脚元を気遣ってかダートを使ってきたが、この2走の芝のレースの勝ちっぷりがダートの時よりも良いように、本質的には芝馬だろう。

△タイキマーシャル
 前走の谷川岳ステークスは先行馬総崩れの流れを良く粘っていた。先行馬は揃っているものの飛ばして逃げるタイプはいないので展開的にも恵まれそうだ。

×オースミタイクーン
 4戦4勝の得意距離。鞍上に不安はあるが、馬の潜在能力はこのメンバーでは上位だ。巧く流れに乗れれば…

…オフサイドトラップ
 ここでは何度も書いていることだが、ほんの一瞬しか速い脚が使えない。そのために逃げたり、早めに先頭に立てば必ず後続に差されてしまう。直線の長い東京では特に仕掛けのタイミングが難しく、人気になっても買いたくないタイプだ。

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red 優駿牝馬(G1) 東京 芝2400m

降り続く雨で桜花賞に続いて不良馬場での争いになりそうだ。トライアルを勝ってきたサンデーサイレンス産駒が得意とするスローペースからの上がり勝負にはなりそうにない。

◎キョウエイマーチ
 桜花賞の内容を改めて振り返ってみたが、現4歳牝馬ではこの馬の能力が抜けていると感じている。逃げる馬がいないようならば自分でペースをつくれる点も心強い。

○メジロドーベル
 この馬の場合は大外枠はマイナスか。吉田JKは馬群の中でレースをしたいようで、そのあたりを巧く操れるかが鍵となるのだが… 桜花賞での騎乗を見ると不安が残る。持ち味である末脚の切れが削がれる重馬場もマイナスだ。メジロドーベルにとってのベスト条件は良馬場でのハイペースのマイル戦(要するに阪神3歳牝馬Sのようなレース)で、距離延長もプラスにはならないという気がしている。

△ナイトクルーズ
 不良馬場の忘れな草を逃げ切り勝ち。同レースにはオークス出走馬が他にも出ていたが、ナイトクルーズは上がりも一番速かった。それだけ重馬場の適正もあるのだろう。

×スパークアロー
 不良馬場のミモザ賞を先行して勝っている。同レース2着のビッグモンローがカーネーションカップを勝っており、この馬の先行粘り込みはそう軽視はできないのではないか。

良馬場ならばメジロドーベルとオレンジピールの2番手争いで堅くおさまると見ていたのだが、この雨で2番手争いは混沌として来た感じだ。その意味ではキョウエイマーチから万馬券になる馬連が7通り(土曜日前売り)もあるのは大変意外で、このあたりを狙ってみるのが面白いのかもしれない。

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red 高松宮杯(G1) 中京 芝1200m

中京の芝1200mというコースに馴染みがないために、積極的に買う気が起きないG1である。早いうちに中京にも行っておかなきゃな〜

◎ビコーペガサス
 この距離のシルバーコレクター。追い込み馬の印象が強いが、昨年このレースを2着したときは4番手からの競馬だったように、先行する脚もある。エイシンバーリンが行き切った場合はいかにも2着になりそうな脚質であるし、フラワーパークが早めにエイシンバーリンを捕まえに行けば漁夫の利を狙えそうでもある。ここからのヒモ流しが無難な選択か。

○エイシンバーリン
 前走は押してハナにたち速いラップを維持して逃げ切った。高速馬場に助けられてのレコード勝ちではあるが、前後半の3Fのラップが落ちていないことを考えると、そう軽視はできない。今回も競り合ってでもハナを奪いにいくことになるだろう。鞍上南井JKで、揉まれない大外枠。スタート後の直線も長く、何とか行き切れそうである。

▲シンコウフォレスト
 栗田厩舎でG1初挑戦の5歳牡馬というとヤマニンゼファーを思い出す方も多い筈。底を見せていないということで人気になっているのだと思うが、それだけの勢いがあると思う。ヤマニンゼファー同様に短距離界の世代交代を進める可能性が高そうだ。

△フラワーパーク
 前走はスタート時に躓いてリズムに乗れなかったそうだ。素人目には4角での手応えは十分に見えたんだけどな〜。鞍上が前を捕まえにいかなかっために、直線で突き離されたのだろうが、そうは言っても今年の2戦は特に追ってからが物足りない。マイラーズカップ時点で仕上がっていたと思うし、6歳の牝馬では上積みもそう見込めないのではないか。押さえまで。

×スギノハヤカゼ
 京王杯SCは位置取りが悪すぎて流れに乗れていなかった。

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blue NHKマイルカップ(G1) 東京 芝1600m

◎シーキングザパール
 一戦毎に着実に成長している姿を見せてくれるという意味では追いかけ甲斐のある馬なのだろう。一度新潟3歳Sのような逸走を見せ付けられるとシーキングザパールは信頼性とか安定度とは無縁の世界にいると焼き付けられてしまうもの。が、その一方でフラワーカップ、ニュージーランドトロフィー4歳Sでは非常に巧いレースを見せてくれた。この両極端な戦績のせいで、この馬に対する評価を未だに確固たるものにできないでいる。
脚質的には瞬発力を活かすタイプ。自分のレースをすれば物凄い脚を使うことができる。型に嵌め込めるか否かがレースでの好走を決定する全てであるという意味ではマヤノトップガンに近いものがあり、その分鞍上の占めるウェイトも大きい筈だ。そういう意味では武JKが非常に大事に乗っている点には好感が持てるし、G1でも自分のレースに徹することのできるジョッキーということで信頼性は高い。

○ブレーブテンダー
 前走は予想外の先行策。その気になれば1400mでも先行できるだけのスピードを持っているということを見せてくれた。アーリントンカップのように叩き合いに持ち込むことが条件で、早めに抜け出してしまうと前走のように一気に脚を使われると対応できない。

▲マイネルマックス
 追って味があるのかジリ脚なのか良く分からないタイプ。それ以上にNHKマイルカップからダービーというローテーションをどう受け止めるかが問題である。
ダービーをピークにするような調整をするならば、単純に考えれば厳しい流れのマイル戦よりはスローペース必至のプリンシパルSの方が良いと言えそうだ。しかしその一方で、場合によってはスローペースからの瞬発力勝負の方がハイペースのレースよりも脚部への負担が大きいということもあるだろうし、そもそも瞬発力勝負が向いていない可能性がある(この馬の勝ったレースは何故か非常にハイペースになっている)とも言える。そうなるとマイルカップを前哨戦に選ぶというのは実は巧妙な選択であるようにも感じられる。
名より実を取ってNHKマイルカップに全力投球とも考えられなくもない。が、今年の4歳牡馬路線には有無を言わせぬ強さを持った馬がいないのに、ダービーを射程に置かないということは無いようにも思え、そうすると仕上がり具合が非常に気になるところだ。最終的な取捨はパドックを見て決める。

△ペイストリーシェフ
 ベストは1800mか。スピードだけではなく底力も試される東京のマイル戦というのはベストの条件だ。前走中団から伸び切れなかったのは不満だが、一叩きという意味では不合格とするほどではないか。

×キタサンフドー
 前走は熱発明けで度外視。鞍上の高橋亮JKだが、府中の土曜日7Rでは初めてのコースながらも巧く差してきた(結果3着)。

×パーソナリティワン
 前走で3着したのに何故か4着以下の馬よりも人気がない。脚質転換に成功した今は単なるスプリンターではないだろう。

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red 京王杯スプリングカップ(G2) 東京 芝1400m

◎スギノハヤカゼ
 厩舎コメントでもさんざん聞かされていることだが、とにかく道悪が駄目なようだ。ダービー卿CTで十分な手応えがありながら凡走したことは全く気にならない。荒れた馬場から時計の速い馬場へ変わるという点は、昨秋のセントウルS3着からスワンS1着のローテーションと同じ。狙い目だろう。

○タイキブリザード
 勝ち味に遅いという点は否めないが実績はトップ。「普通の」休養明けならば何の問題もなく本命にするのだが、今回は海外遠征帰りである。しかも、全くレースにならず惨敗している点、タイキブリザードのメンタルな面にどれだけ影響を与えているのか不安もある。

▲ショウリノメガミ
 間隔を開けての登場はプラス。馬自身が走る気になってくれればもの凄い末脚を使うのだが、信頼性は全く無い。そのことを武JKは正しく認識しているだけに、逆に恐い面もあるのだが。大外一気がベストか。

△サクラエキスパート
 最近流行のノーザンダンサー インブリードを持っているが、これのために2走ボケの可能性も…。時計的には十分通用しそうだが。

×ヤマニンパラダイス
 前2走の1200mはいかにも短かった。1F延長で少しでも追走が楽になるのはプラスだろう。

その他の馬たちは…
 タイキフォーチュンはNHKマイルカップを勝ったが適正は2000m前後(クラシックディスタンス?)だろう。安田記念では走れるかもしれないが1400mでは要らない。
エイティグローは追い込み一辺倒の脚質に現れているように速い脚が一瞬しか使えない。ここも入着までだろう。

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