Construction 4:自宅サーバを作ろう(TurboLinux6.5編)其の一

いきなりありがちなタイトルからスタートしたが、 どこにでもありそうな内容ではつまらない。 というわけで、「安く」「怪しく」「ありあわせのもので」 というスタンスで常時接続環境を利用し、外から自宅のWebサーバまで アクセスできるようになるくらいを目標に制作してみようと思う。

今回は今までの集大成のような、ハード+ソフトの構成でお送りする。


ハード選定(作戦編)

LINUXマガジン2001.8号で静穏PCを組む企画があり、24時間稼動ならこれははずせない要素だ、 と思ったのだが、徹底的にやるとかなり高くつく。 例えばHDDを静かにさせるケース「スマートドライブ」は1つで6000円くらいするようだ。 HDDが10000円なので、ちょっとそれは・・・ということにもなる。 よって、できる範囲で静穏化、低温化をはかっていくことにする。

今、家にはK6-2-300MHz(ATマザー)が1台あまっていた。 いたって普通のATマザーなので これをサーバにすることも可能だ。しかし、、、せっかく常時稼動にするのだったら 高速でも低速でも電力は同じくらい必要とするわけで、これを機に、 CPUとM/Bも急遽新調することにした(これがあとで響いてくる)

普段、部屋の隅に置きっぱなしにするとしたらノートPCや NLX、ベアボーンキットなども非常に惹かれたのだが、 知人の「24時間稼動だと 小さいマシンだと熱とか気をつけたほうが良いよ、ゴミが詰まって火事になったら 大変だよ」というのを聞き、 それもそうかと思い今回はやめておいた。 確かにNLXだと今回導入しようと思ってるRAIDカード「Fasttrack100」がささらないかもしれないしね。 それでも馬鹿でかいケースはうちの住宅事情と合わないので(汗) M/BはLANがついてるMicroATXという路線で攻めてみることにした。

メモリは512MBが6000円台、HDDは富士通のが40GBで10000円くらい、Fasttrackは 66があれば、そっち。無ければ100、事前にその程度は値段を調べておいた。


ハード選定(購入編)

軽く表通りのケースショップを軽く見た後、M/Bの選定に入る。 大きく分けてIntel系かAMD系かに分かれるのだが、 今までの自作歴でAMDが多かったのと、安定稼動という意味ではCeleronの方が 枯れてるような気がしたので、Intel系チップセットで探し始める。が、、、 MicroATXでLAN付きのがあまりない・・・。Aopen製などで 2,3種類見つかったがいまいちぱっとしない。

するとクレバリーですごいカードを発見。17cmx17cmのM/B。PCIが1本、 DIMMスロットが2本しかないが、それ以外は、サウンド、VGA、LAN、USB、IEEE1394 (つかわねー)が搭載されている。 どうせ買うなら変なのも良いな、と聞いたことの無いメーカー製だったが チップセットがVIA Apollo133だったので、購入。

M/Bを買ったところではCPUも一緒に買ったほうがトラブルのときに安全という鉄則の元、 CPUもCeleron800MHz(リテール)を購入。 FSBが100MHzのCPUを選んだのはFSBを66MHzに落して低温化をはかるためだ(これも後で問題が発覚する)

それにしても初めてリテールのCPU買ったな(爆)最初からヒートシンクファンがついてくるなんて良心的だ(ぉ。 低温化のためにこれもおいおい交換しよう。

次はRAIDカードの選定。といっても今回はLinuxで使うと決めているので、 Fasttrak100がRedhatlinux対応らしいので安心だ。 玄人志向製の安いRAIDカードもあって気になったのだが、今回は製品のメジャー製と 安定性を考えPromiseでいくと決める。Fasttrak66も探したが見つからず (Ultra66はあったのだが・・・)やむなく、Fasttrak100にする。

2台のミラーができるTX2のリテールが大体12800円。バルクで9980円の店があったので 箱がじゃまくさかったのでバルクにする。バルクの方がなぜか落ち着く(違) その店に、ロープロファイルPCI対応版もあり、3000円くらい高かったのだが、 しばらく必要にはならないだろうと判断し、あきらめる。

ついでにHDD。静穏のために低い回転数の5400rpm、流体軸受けドライブを狙いにいく。 事前に調べておいた3409-AT-EF、どこも10500円くらいだった。AT-Eというものもあって そっちはそっくりだが流体軸受けじゃないらしいので、念のため店員に確認してEFを購入。40GBx2ね。

1日で80GB購入したのは初めてだわ・・・。それでもたったの20000円・・・。 時代って・・・。 今後はIBMも流体軸受けを作ってきたら、それもいいかも。

ついでにメモリ。うちのメインPCに128MBが3枚ささってるのでそれを使ってもいいのだが、 512MBのDIMMというのも使って見てみたかったので、時間も無かったこともあり 適当に「ユーザーズサイド」で購入。 メモリのメーカーがいくつかあったのだが、 まぁ大丈夫かな、と一番安いのにしてみた。チップセットによっては256MBまでしか 認識しない、とか、そういうこともあるのだそうだ。古いM/Bだとまずいかもね。

それにしてもみためは普通だ・・・。

CPUファンなどの静穏グッズも色々あったが、CPUファンはリテールなので 付属しているものをつけて、それを聞いてから、改造することにする。

さて、あとはケース、と思ったのだが、、、金が切れた(ぉ。 いや、路上に2980円のケースとかもあったのだが、デザインがいまいちなのと、 持って帰るのが重かったので今回は見送る。じゃぁケースはどうするのかというと、、、 家にあるATケースをちょっと改造してみるか、と考えたのである。

買い物メモ

フェイス:
FastTrack100 バルク 9980円
富士通 MPG3409-AT-EF:10480円x2

クレバリー:
VIA PL 133 AGP set:15800円http://www.freetech.com/
Celeron800MHz(FSB100)リテール:8580円

USER'S SIDE:
512M PC133 CL=3 DIMM(プリンストン):6120円


ハード取り付け編

買ってきたパーツをケースの取り付ける。 素直にATXなら苦労しないところも、無意味に苦労する(不具合上等!)

まずはケースについてるAT電源ではNGなので、 去年、ネコケース(Construction1参照)を買ったときに 大容量電源と交換したためにとりはずしておいたATX電源と交換する。 同じ大きさなのでまったく問題なし。
最近の小さいケースについているSFX電源とかいって、サイズの小さい150W がついてたりして大きさがあわなかったりする可能性があるので要注意だ。

幸い今回のM/Bは小さいのでレイアウトは自由度が高い(ぉ。 しかし所詮ケースはATなのでM/B固定用のスペーサーの穴が全然合わない。 とりあえず、背面のスロットのフタをひっぺがし、PCIバスのブラケットが 合うように配置してみた。

ここでM/Bがケースにさわってたりすると起動しない。 さて、レイアウトされた様子を見てみると、、、「VGAコネクタがぶつかって使えない!」 VGAがないのは困る。このレイアウトは没だ。。。

仕方ないのでM/Bをケース前方の方へ移動して、再度電動ドリルで穴を あけて固定。 ケーブルの抜き差しがやりにくいが後で考えることにする。しめしめ、、、 すると「3.5インチベイがCPUファンにぶつかる!」 中々レイアウトも難しいものだ。

仕方ないので3.5インチベイはとっぱらってなんとか収まった。 FDDは5インチベイの方へ移動。 ブラケットがぶつからないようにケースに穴があいているところにあわせた。

特殊マザー。これなら68のタワーにも比較的楽に入るかもね。 PCIバスは捨てても、LAN、USB、サウンド、VGAものってるし。 USBを全面に延長という手もあるな。

一応、背面のこれ専用ブラケットが付属してくる。 とりあえずCPU(純正ヒートシンクファンの留め金がえらく固かった) 、メモリ、Fasttrak100、をつないでみた。

ジャンパピンにリセット、電源スイッチなどをつなぐのだが、また問題発生。 ATXになったのでスイッチが違うのだ。一瞬だけショートすれば電源ONなので、 そういうスイッチはリセットしかないのでそれで代用。 あとで交換しよう。

M/B上にはLANアクセスのLED端子、FasttrakにもアクセスLED端子があるので あとで、LEDが横にならんだやつとか買ってきて、ビカビカつけると楽しいかも。

最後に問題が・・・。3.5インチベイがなくなったので、RAID1のHDD2つが入れるところが無い。 さっきとっぱらった3.5インチベイにひとまずとりつけ、 ケースの後ろ側にとりあえず借り置きにした。 接着剤でとめてもいいが、HDDがケースからとりはずせないのはさすがにまずいか(汗。


 

斬新なレイアウトだ・・・。

数日後・・・・。

やはり先日のレイアウトは無理があったので、再度、M/B取り付け部をネジで 底上げをする。位置もドリルで再調整する。

これで一応端子も後ろからさせるし、HDDも元に位置にとりつけた。

CPUファンの口を大きくして、大きなファンを取り付けるキットを購入。 3800円くらい。

オマケでFANまでついきてたが(キャンペーン中)これがうるさかったら 意味がないので、別途、静穏ファンも購入。2500円くらい。 あまったファンはネコの正面につけた。

とりつけるとこんな感じ。

ケース内にスペースがないとちょっとつらそうだが、まぁ うちで大丈夫なので結構大丈夫かも。ヒートシンクになかば無理やりに ねじどめして、口を固定しているところが気になるといえば、気になるが。


起動確認編

とりあえず組めたのでコンセントとVGAとキーボードだけつないで電源を入れる。 つかない。壊れてるのか?と思ったらATX電源の後ろのスイッチが切れてた。 そこを入れて「リセット」をおもむろに押すと起動した。 が、画面が出ない。と思ったらでるのだが、出るまでに結構時間がかかり、 出たと思ったら一瞬で次の画面に進んでします(おかげでメモリチェックによる メモリ量がうまく読み取れなかったが、無事512MB認識した)仕様か?

BIOS画面を「DEL」で呼び出し、一通りチェック。どうやらFSBを変更する設定項目がない。 おかしいな、、、とりあえず、ブートするデバイスのところ、シリアル・パラレルは使わないのでOFFに、 CDROMドライブが認識されているか、などを確認する。リブート後、Fasttrack100のBIOSをチェックする。 無事40GBx2が認識されているようなので、オートマチックの中のRAID1ミラーリングを選択。

とりあえず、FSB100MHzのCeleronをFSB66MHzで動かして冷却する予定なので、 FSBの設定ができないか調べると、どうもできないらしい。 Freetekのホームページも見たが、新しいBIOSとかないし、 付属のPDFを見たら、該当のページが削除されてたりとどうにも怪しい。

削除しわすれ?ぽいページから、どうやらJP1の設定によって、 クロックが変えられそうなのだが、M/Bをみたら、JP1はジャンパのコネクタが とりはずされていて、埋められていた。そこを改造すればいけるかもしれないが はんだ吸い取り器などのうまい工具がないので、いきなりM/B壊してもあれなので 改造は一旦あきらめることにした。

CDROMドライブは認識しているのでCDROMからOSのインストールはできるようだ。 FDDも順調。


TurboLinuz6.5インストール編(その1)

今回、OSはLINUX1本で行くと決めていた。 早速、雑誌「Linuxインターネットサーバ構築・活用ガイド(ASCII)」付属の TurboLinux6.5を入れてみることに。 インストールのGUI化が進められており、かなり簡単にインストールできるようになっているようだ。

早速CDROMからブート。boot:後、Japaneseを選択後、新規インストールかアップグレードかを選択すると 「インストールできるデバイスがありません」 とのつれないメッセージ。げーん、 どうやらFasttrak先のHDDを認識してくれていない模様。がっくし。

そもそもFasttrakが対応しているのかは、伝聞のRedhat対応というのだけだった。 というわけで、自分で調べてみると、どうもboot:時に認識させるのにはちょっと テクニックが必要らしい。

例えばこの辺によると、起動時に

cat /proc/pci

....
    RAID bus controller: Promise Technology Unknown device (rev 1).
      Vendor id=105a. Device id=4d33.
      Medium devsel.  IRQ 12.  Master Capable.  Latency=32.
      I/O at 0xd800.   (a)
      I/O at 0xdc00.   (b)

で、例えば以上のように出た場合は、ブート時のオプションとして、

ide2=a,b+2

つまり、

ide2=0xd800,0xdc02

とすることでCDROMブートからインストールができるようになった。


TurboLinuz6.5インストール編(その2)

キーボードとマウスを選択後(といってもデフォルトだが)パーティションの設定にすすむ。 全自動もあるようだが、TFDiskなる半自動を選択。手軽でいいな、と思ったらこれ、 パーティションが4箇所しか設定できない。うおーーー、

/、/boot、/usr、/home、/tmp、/var、swap

で7つは欲しいぞー。仕方ないので、以下のような区切りにした。

/       2GB
/usr    3GB
/home  35GB
swap  512MB

/bootを作らないと警告が五月蝿い。

ファイルシステムはLinux ext3も選べるのだが良く分からなかったのでext2のままにした。 次にブートローダーLILOのインストール。これはMBRではなく、ブートパーティションの最初のセクタに入れる(後述) 詳細設定で、さっきの「ide2=0xd800,0xdc02」も忘れずいれておく。 (promiseのドライバを入れてカーネルを再構築すればいらなくなるのかも知れない)

他の設定は適当でOK。 HDDも潤沢にあるので、フルセットでインストールする。 ユーザアカウントもroot以外もぜひつくっておきましょ。


TurboLinuz6.5インストール編(その3)

パーティションのフォーマットに、パッケージのインストール。 結構時間がかかる。その後、再起動。さてはて・・・・

起動しませんかー(ToT)(元ネタあり、すんません)

ここは大いにはまった。これはもしやインストールしたカーネルのバージョンが低いのが悪いのかと思い、 次はVineLinuxを入れてみたが症状変わらず。うおー、もしやRedhatでしか Fasttrakは使えんのか? promiseのページを漁ったりして、linux用のドライバなども見つけるが、 一筋縄ではいかない雰囲気・・・。

いや、もっと簡単な方法があるはずだ、、としぶとくネットを探すと どうもMBRからうまくLILOがキックできていないっぽいので、 別のブートローダーからLILOをキックすればいいのでは、というのを発見。 早速そこでおすすめのMBMなるブートセレクタを起動できるDOSのFDDからインストール。 再起動・・・。

起動しましたかー!

ここまで来るのに色々変えたり、Fasttrakのミラリングをやりなおしたりして 結構消費・・・。ま、とにかくこれで無事起動するようになった。 ネットワーク設定がまだ適当(DHCPにしておいた)なので起動時、ちょっと待たされるけどね。

気分でグラフィカルログインを選択してみた。


静的マッピング(ダイヤルアップルーターの設定)

うちのネットワーク環境だが、壁のINSにNECのコムスターズ(ダイヤルアップルータ−)「CMZ-RT-DS」 が接続され、そこの10BASE-Tからの延長先に100BASEの8ポートHUBが繋がれ、 その先にPCやら、今回作ってるサーバやらが接続される。

契約しているASAHI-NETからもらえるグローバルIPは、 そのダイヤルアップルータ(以降DR)に接続するたびに異なるものが貼りつく。 DRがプライベートアドレスを家の中のPCにはりつけてしまうので、 このままでは外からグローバルIPアドレスでアクセスするには、 まず、このグローバルIPをサーバにマッピングする必要がある。 これを静的マッピングというらしい。

DRの管理画面を呼び出す。「NATe拡張設定」の中で 「開始ポート番号」「終了ポート番号」「IPアドレス」を指定する。 例えば、自前サーバを「192.168.0.10」をつけて、httpを通したかったら、 それぞれ「80」「80」「192.168.0.10」と入力して、設定後、 忘れずにDRの不揮発メモリに保存しておく

FTPサーバや、メールサーバ、TELNETなど、各種機能を使う際には、 それぞれポートを指定する必要があると思われる。


適宜更新・・・・。。 今日はここまで