■ARTIST FILE : Matsutoya Yuming
Album Review 1993-1995
※この時期のユーミンは、ネイティブの呪縛に翻弄されているように思えます。『Tears...』のセンシティブな展開が思ったほど奮わず、そんな状態を挽回すべく U-miz 〜 The Dancing Sun 〜 KATHMANDU と原点回帰への巡礼の旅が始まります。『The Dancing...』のセンターステージは巨大な瞑想空間...360度聴衆に囲まれた大マンダラと化し、ファンの熱い思いをも収斂する超大なエネルギー空間を作り上げることに成功したのでした。このツアーは大成功を収め、再びユーミン・パワー炸裂かと思えましたが、続く『KATHMANDU』がいけませんでした。異民族間のスピリッツがお互いに拒否反応を示して再び大迷走状態に陥ってしまいます。あのユーミンでさえ使い方を間違えると大変なことになる...そんなネイティブ・スピリッツの恐ろしさを改めて感じた時期でもありました。

Album Review
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"真夏の夜の夢"
(R:1993/07/26)
ドラマ主題歌として話題となったチューンのシングル・リリース。発売日は折りしも真夏の夜の祭典"Surf & Snow in Zushi"開催の真っ只中。ちょうどこの発売日の公演チケットを持っていた私達は、当日都内で集合して会場に向かう途中で、逗子駅前のレコード屋に行きました。車から何人かが降りてCDを買いに行ったのですが、その時に「ねぇ、何枚買うの?」と尋ねられて一同大爆笑となりました。尋ねた本人は、皆買うんだよねと当然のように尋ねたのですが、一台のワゴン車の中に何枚もあっても仕方ないよネと...。こんな出来事も、この曲にまつわる想い出として深く心に刻まれるのでした。購入後はひたすらリピートでこの曲を聞き続けましたとさ。
"U-miz"
(R:1993/11/26)
< Coming Soon ! >
"11月のエイプリルフール"
(Promotion Only)
テレビのバラエティ番組のキャンペーン用に制作された完全限定シングルCD。今となってはお宝?。この頃のYumingはやったらシングルをリリースしています。番組やCMなどとのタイアップ戦略により、売らんかなの姿勢が強調されて、正直食傷気味でありました。確かに200万枚だなんてバカみたいなセールスを記録していった後で売上激減なのだから、レコード会社としては仕方のないことかと思いますけど、でも、作品の質とセールスは決して比例しない...というか、セールスでアルバムの価値を量るみたいな、そんな姿勢は「逆」ですよね。タイアップがダメだとは言いませんが、アルバムが本来もつコンセプトをどれだけ伝えられるかが勝負であって、予算に届かなくても、リスナーの心にメッセージが届けば、それはアーティストとしてミュージシャンとしてアルバムをリリースした意味は十分に果たせたといえるのではないでしょうかね。この頃のYumingを振り返ると、そんな思いがしてなりません。
"The Dancing Sun"
(R:1994/11/25)
< Coming Soon ! >
"命の花"
(1995リリース予定〜中止)


長いYumingのキャリアの中でも実に珍しい出来事だといえるでしょう。発売を予定していてまさにリリース直前まで準備が進んでいながら発売が中止になるなんて...。この年の初めに起きた阪神淡路大震災の影響で、歌詞にあった「この世が灰になっても...」の部分が問題となって一部の放送局で放送禁止に指定されてしまったのです。放送できない曲をシングルでリリースしても...と、レコード会社としては当然の処置かとは思いますが、この曲の真意は「どんな苦境に陥っても、愛のチカラは負けない」という勇気を与えてくれる曲なのに...。この曲を放送禁止にした放送局の了見を疑う出来事でありました。
 おかげで、既に一部の局に配布されていたサンプル盤(上左)や、市販用に制作されたジャケット(上右)などは、超貴重盤としてマニアの間で高値が付いてしまいました。さらに貴重なのは、曲調から「ドーナツ盤があっても良いかも」と当時の宣伝担当がプロモ用に製作したのが下のジャケットです。7インチのレコード盤です。テイクはシングル盤と同じ(アルバムに収録されたものとはミックスが異なります)ですが、これも世紀の珍盤となってしまいました。彼の宣伝担当者は、「自分が会社にいるうちは、ズッと持ち続ける」と、段ボール数箱に入ったドーナツ盤を抱えていましたっけ(^^;;;)。
"Kathomandu"
(R:1995/12/01)
< Coming Soon ! >
Album Review
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