■ARTIST FILE : The Beatles
【デビュー〜初期】
Please Please Me
(1963)


■主な収録曲
I Saw Here Standing There
・「ワン、ツー、スリー、フォ...」と何とも若々しいPaulのカウントから始まるRockn' Rollの典型的なパターンの曲。当時の彼らのレコーディングは一発録りが基本で、全員が間違い無く曲を通して演奏することが求められていました。Bootlegなどで聞けるこの曲のアウトテイクでは、途中で歌詞を間違えても、演奏が途中止まっても、ミスを笑いで誤魔化しつつともかく演奏を通す、何ともほのぼのとしたレコーデイング風景が伝わってきます。この曲のバックで聞けるハンドクラッピングもオーバーダブ無しで録音されたものなのでしょうか(^^)。
Misery
・何ともあぶなっかしいユニゾン&コーラスから始まるこの曲は、Rockn' Rollパターンを基本としながらも、ミディアム調で途中の聞かせ所ではJohn & Paulのコーラスで押さえるなど、初期の彼らのオリジナルの基本的なパターンがしっかりと出来あがっています。まぁ、基本がRockn' Rollなのでサビが無いのは仕方ないのですが...。
Ask Me Why
・John & Paulのコーラスがバッチリと決まるミディアム調のバラード。Georgeの(セミアコ..?)生音によるギター・リフが何とも暖かい雰囲気をだしています。
Please Please Me
・アルバムタイトル曲であると同時に、初期の代表曲。音の隙間を全てコーラスで埋めていたり、胆のラインをJohnのハーモニカに任せるなど、かつてのRockn' Rollには無いパターンで決めているところは、プロデューサーのジョージ・マーチンのセンスの良さというべきでしょう。
Love Me Do
・彼らの記念すべきデビュー曲。シングル盤とはテイク違いで、アルバムに収録されているバージョンではRingoはタンバリンを担当しているとのこと。
P.S.I Love You
・個人的には初期の彼らの作品の中で1・2を争うほど好きな曲です。バックのアレンジもシンプルそのもの。曲はメロディが命ということを思い出させてくれる曲です。
Do You Want To Know A Secret
・どこかメキシカンな雰囲気を漂わせている佳作。ブリッジの部分がなんとも頼りなく、そこがまた味があって良かったりして...。若き日のJohnを偲ぶ一曲。
Twist and Shout
・テイク1でOKになったという伝説の曲。彼らのオリジナルでは無いものの、私達からすれば、この曲はBeatlesの曲以外の何物でもありません。テイク2も存在しているらしいですが、これで十分ですね。今改めてこの曲を聞くと思わず水分補給したくなったりして...(^^;;)。

※こうしてみると、結構好きな曲が多いなぁと改めて認識したアルバムでした。
With The Beatles
(1963)


■主な収録曲
All My Loving

・「Close your Eyes〜」なんて聞くと、思わずカタカナで通して歌えたりする曲(^^)。Johnの32分のリズム・ギターが凄いと当時話題になっていました。途中のPaulのミストーンすれすれのベース・ラインもご愛嬌で、若々しく好感が持てます。
Till There Was You
・ペギー・リーのカバー曲。アコギとパーカッションだけのシンプルなアレンジにPaulの甘いボーカルがしっかりと乗り、途中のソロなども実に良い。
Please Mister Postman
・こちらもカバー曲。後にカーペンターズもとりあげていました。こうしたカバー曲の選曲のセンスの良さって、やはり彼らの才能なのでしょうね。こちらはコーラス・ワークのみで成立してると言ってもよいでしょう。

※Rockn' RollなBeatlesにまるで執着のない私には、馴染みの薄いアルバムです。<Roll Over Beethoven>や<Money>などの当時のライブでの十八番のナンバーも多数収録されています。
A Hard days Night
(1964)


■主な収録曲
A Hard Day's Night

・「ビートルスがやって来る、ヤァ!、ヤァ!、ヤァ!」とは大した邦題です。当時小学生だった頃、無け無しの小遣いを握り締め、新宿武蔵野館に映画を観るために並んだのを思い出します。その後テレビやビデオなどでこの映画を見るにつけ、当時の社会現象となったビートルズ旋風の凄さを改めて感じてしまいます。
 この曲はイントロのD7sus4一発で決まったと言っても過言ではありません。途中のギター・ソロのバックで聞こえるピアノはプロデューサーりジョージ・マーチンによるものだそうです。何だか不思議な音ですが...。シンバル鳴らしっぱなしのドラムもコピーバンド泣かせで、上手くコントロールしないと騒々しくてたまりません。単なるアイドルではないと気付いたのは自分が楽器を演奏するようになってから。Paulのベース・ラインなどはまさに天才的なポジションを押さえています。しかも歌いながらでしょ、凄い人達です。
I Should Have Know Better
・John & Paulのコーラス・ワークとバックのハーモニカがキメの曲。二人のブレスのタイミングがズレるところなど、ライブ感タップリで良いです。曲としての完成度も高くなってきたと感じる1曲です。
If I Fell
・Johnの切ないボーカルが実に良い。Paulとのコーラスもバッチリ。本当に美しい曲です。
And I Love Her
・スパニッシュなアコギが印象的な曲。途中のギター・ソロのパートが転調しているところは、後の他の多くのアレンジ・ワークに多大な影響を与えていると思います。あ、エンデイングのコードがメジャーになるところもね...。
Can't Buy Me Love
・こちらも初期を代表する曲。お得意のロックン・ロール・ナンバーですが、この曲で首を振りながら熱唱するJohnとPaulの二人に、世界中の女性が熱狂していたんですよね。途中のGeorgeのソロもアルバムに収録されているテイクまで、かなり多く録り直しされていたようです。
Anytime At All
・いきなりサビから始まる曲。サビの熱唱パターンとはかなり印象の違うAメロに驚きながらも、半音下がりの展開に心地よさを感じてしまう...。曲の途中に何だかんだといいつつもソロ・パートが聞かれるようになったのは、この頃からだと思います。
You Can't Do That
・この曲は実はかなり地味だと思うのですが、サビのコーラス・ワークが実に印象的で、何気に気に入っている曲です。ソロ・パートのギターの掛け合いもなかなか味があってなかなか良いです。

【中期】  
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