花日記(11)

花日記(11)
大森よしみ


10月3日

 昨日の夕方、例のムスカリ100個がドドーンと届いた。今、玄関横に植えているインパチェンスの後にムスカリとパンジーを植えるつもりだ。お向いさんが言うように春には花であふれるだろう。
 インパチェンスは、一時の事を思うと花つきが悪くなっている。花の終わったところには、種のはいった楕円形の緑色の袋が出来ている。それを指でつつくとパシッと種がはじけて、ぜんまい(?)の形になる。知らない時はそのぜんまい(?)が落ちているのが青虫に見えて、草抜きのたびに私のあらぬ悲鳴が近所中にコダマしたものだ。(今、思うと恥ずかしい)そう、種の弾けるインパチェンスはホウセンカの一種なのだそうだ。この、インパチェンスを引き抜いて秋の花壇は終わる。
「この冬、家にいれなくては、」と悩んでいたサフィニアたちは、玄関にガーデンラックを買って一応の解決をみた。三段になった植木鉢置きで一段に三鉢は置ける優れものだ。3980円、という値段のわりに良く見える。深緑のアルミ製でワンタッチで広がるから使わない時はしまっておくにもスペースをとらない。これで、テラスは当分お預けだが、何かと物いりなコレカラ、少しでも工夫して、花との共生を果たさなくてはナラナイ。(ちと、オーバーだが)
 クリスマスのコンテナガーデンを作るまではちょっと暇になりそうだ。そう言えばお向いさんは、ゴールドクレストをトピアリー型に刈ったものを樽を半分に割ったようなコンテナに植えて、見事なアレンジをしている。まわりにホウキ草とフクシヤ。その前に薄いピンクのパンジー。ゴールドクレストの後ろには雪柳をあしらっている。秋。当分は、フクシアの赤といろづくホウキ草を楽しんで、それが終わるとゴールドクレストにクリスマスカラーのリボンをつけて冬をすごす。春になれば、パンジーと雪柳がこぼれるばかりに咲くという。ため息が出るような隠し技を持つコンテナなのだ。

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