クールとホットのカン違い

クールとホットのカン違い
大村浩一


よくインターネットで「クールなサイト」というホームページのホメ方がありますよね。私はあれって「完成度の高い、かっちょえ〜ホームページ」の事なんだナ、と勝手におもこ(思い込み)してました。
 ほら、日本の場合だと「クール」っていうのは、わりかしホメ言葉でしょ。だもんだからクール、クールと聞く度に草刈系か本木系のハンサムな男の横顔を連想しては(笑)、ウームそうなのか、インターネットって知性的だなァ、シビレルなァ、とか私は一人で納得していたんです。

 ところが先日、会社でやってる紙の技術誌にマルチメディアの記事が出ていて。その中に世界詩人会議で初めて聞いたマーシャル・マクルーハンの名前が出てきたんです。「あ、この名前聞いたことあるぅぅ(^^;」で読んでみると、「クール」っていうメディアの表現は、マクルーハンがはじめたモノらしい。しかも完成度をホメる意味じゃないと、初めて知ったんです。
 彼のメディア論には「ホット・メディア」「クール・メディア」という概念があって。クール・メデイアってのは元来は「情報の精細度が低く、受け手の参加度の高いメディア」という意味で、逆にホット・メディアは「情報の精細続き(度が高くて、受け手の参加度が低いメディア」なんです。
 ちなみにラジオや映画は「ホット」で、電話やテレビは「クール」なんだそうな。映画が、受け手の参加度が低いのは分かるが(スクリーンの前に立ったら怒られるがな)。ラジオとTVの違いはナニだ。朝10時のTBSの毒蝮三太夫なんか聞いてると、受け手のババアが随分参加してるじゃネェか(笑)とか、突っ込みたくなるが、そこはグッとこらえて。
 そうするとホームページでも、出来が良くても一方的に送り手から情報が突き出されてくる、新聞社のサイトみたいなのは「ホット」なサイトで。
 反対にデキが多少悪くて、出来合いのGIF画像にテキストを PREコマンドで流し込んでる大村みたいな手抜きのサイトでも(笑)メールがガンガン入って更新が毎日されてるなら「クール」なサイト、という事になるのだな。
 …ごめんなさーい、ワタシ間違えてましたぁ。(^^;

そう言えば先日ある人から貰ったFCVERSEの宣伝ハガキには「行動派詩人のホットな文芸活動を支えるあーたらこーたら」とか書いてあったんですが、このホットも間違いですねェ。誰だ文案考えた奴ぁ。(爆)

 今のFCVERSEや、その中のSHIMIRIN ROOMってのは、この意味での「クールなサイト」の状態ですね。
完成度と参加の余地を2軸のグラフに考えて、両方欲張れるのが、本来のネットワークによる創作活動ではないか、とワタシは思っています。
…とクサいセリフを吐いたトコで、ではまた。

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