キーワードとキーナンバー (3) 「マンスリー」

キーワードとキーナンバー (3) 「マンスリー」
大森吉美


「マンスリー」という言葉の意味をご存じでしょうか?
 英語の「Monthly」月一回の・・・という形容詞なのです。
 日曜日のこのフォーラムの勉強会を、どんなふうに盛り上げていけばいいんだろうか? などと呟いていた私に、大きなヒントになった言葉です。この、言葉をつれあいの知っているフォーラムでは、月一回、各自違う新聞を持ち寄って、印象に残った経済、時事、政治について討論するのだそうです。

 計画されている勉強会は、「現代詩とはなんぞや?」ということを皆で勉強しょうよ! というふうな、大村氏の提案だったように記憶していますが。詩を「現代」とくくる事で、なんかもうすごく古典的な気がしてしまう。そういう印象を持っている人は、案外、詩を書き論じる人のなかにも多いのではないでしょうか? あるいは、抽象的な心象詩を体系づけて、そうくくっているだけ、と続き解釈したり、口語自由詩だから定型は論外とおっしゃる方もいらっしゃる事でしょう。(だから?このフォーラムの位置づけがわからないと、疑問視する方もおられるのでしょう。)もちろん、「歴史は繰り返される!」わけですから、詩そのものを体系づけてこれからは、きっとこのパターン、などと現代詩を占うことなんかも出来るのかもしれませんから。臆せず勉強するべきでしょうね。

 私個人の詩への思いは、言葉でくくれないというのが、実際のところです。定型も好きだし、難しい抽象詩も好きだし、詩とメルヘンも好きです。節操がナイとか、それじゃ?よしみサン独自の物は何なの? と聞かれると、「いいのよ、好きなんだもん」としか言えないものです。だからといって、自分が創作するときには、モノスゴーイ? プライドがあるとこのごろ気付いています。つまり、この「好き」は本気の「好き」なんだなって。

 あぁ、つい力がはいって、詩への想いなどを告白するはめになってしまいましたが・・・

 その「現代」とか「現在」とか、大江氏のおっしゃる「リアリティ」という言葉に触発されて「生きてる言葉」ってなんだろう?みたいなことを考え始めました。
 今、詩とは? と考えをめぐらせている、アナタ! 気になるでしょ? 詩を書く、あるいは論ずる人ならおおよそわかるはずですが、「生きてる言葉」でないと、人の心には届かないし、時代にも残らない。言葉を磨き、語句を苦労してならべ、美しい文章を書いてみる。でも、それだけでは、なぜか何にも残らない。
「生きてる言葉」には、不思議な力がありますよね。そして、きっと多くの方がその力を我が物にしたくて、切磋琢磨、言葉を磨かれるのでしょう。(あるいは、ご自分を磨かれる?)でも、言葉は決して磨かれたいと思っていない、ふと、私はそんなことを思ったりします。言葉には磨かなくても、そのひとつひとつが持っている重さと輝きがあるのです。現実の自分が見聞きした事を、その重さを言葉から与えてもらう。それを感じることが出来、人に分けられるときに、言葉は強いのです。

 さて、現実を見聞きすることは、身の回りで言えばテレビのニュースでしょうし毎日の新聞記事であります。キーワードはすぐそばにあるでしょう。私にはそんな気がしてなりません。

|
目次| 前頁(キーワードとキーナンバー(2)「現在」)| 次頁(キーワードとキーナンバー(4)「元気」)|