アンダーワールド  ★★★☆
【2003年 : アメリカ】
 監督:レン・ワイズマン/音楽:ポール・ハスリンジャー
 出演:ケイト・ベッキンセイル(セリーン)、
    スコット・スピードマン(マイケル・コーヴィン)、
    シェーン・ブローリー(クレイヴン)、
    マイケル・シーン(ルシアン)、
    ビル・ナイ(ビクター)、
    ソフィア・マイルズ(エリカ)  他
人間社会の裏側、未知なる闇の世界を舞台に、何百年にもわたって続く吸血鬼<ヴァンパイア>と狼男族<ライカン>の壮絶な闘いを描くアクション・ゴシック・ホラー。
暗闇の中ブラックレザーのコートに身を包み、塔の上から夜の町を見下ろす美女、セリーン(ケイト・ベッキンセイル)。ヴァンパイア族である彼女は、 長年戦い続けている宿敵ライカン(狼男族)の処刑人だった。
ある時、セリーンはライカンたちが人間の青年医師マイケル(スコット・スピードマン)を執拗に追っていることに気づく。その理由を探っていた矢先、ライカンたちの急襲に居合わせた彼女はとっさにマイケルを逃すのだったが、やがてマイケルこそが両種族にとっての戦いの鍵を握る特殊な血族なのだと判明する。しかしライカンたちから逃れる際、マイケルはすでにリーダーのルシアン(マイケル・シーン)に肩を咬まれていた。
それはマイケルがほどなくヴァンパイアの天敵、ライカンに変貌することを意味している。どこか惹かれ合うものを感じながらも、両種族の接触を禁忌とする鉄則に阻まれる二人。そしてこの戦争に隠された、予想もしない真実が次第に明らかになっていく・・・。

スタッフの笑い話によれば、この映画の製作費は同時期に公開された「マトリックス」の続編(リローデットの方か?)“高速道路のシーン”のおよそ半額なんだとか。それがほんとかどうかは知りませんが、ともかくかなりの低予算&若手監督の初作品ということも考え併せるとかなり頑張ってるんじゃないかと思います。
ファッションから街並みまで徹底的に闇色に沈んだ世界や、その一方でガン・アクションを派手に繰り広げる対比など、ゴシック調とハイテクを組み合わせた独特の雰囲気がなかなか良いですね。
そしてなんといっても、その中を長いコートをはためかせて駆け抜けるケイト・ベッキンセールの美しさとカッコよさは特筆に値すると思われます。この種のガン・アクション映画に登場するヒーローやヒロインは概ねグラサンを着用しますが、それは役者のまばたきを隠すという理由もあるのだとか。そこを敢えてグラサンなしで、しっかり目を見開いた銃撃戦をこなしてくれた彼女の根性は大変誉めたいところ。
CGに頼らずクリーチャー技術を結集したというライカンたちの動きや特殊メイク、アクションシーンでのカメラワークなどもわりと面白かったです。

ただやはりこういうアクション映画にありがちといいましょうか、イマイチ物語性に厚みが足らないような気もするんでございますね。まあ登場するのが狼男とヴァンパイアばっかりなんで(笑)、必然的に心理心情の類が描きにくいとはいえ、両者の長い戦争の理由が結局感情的な部分だったという設定を考えると、も少しキャラクターの振り幅を見せて欲しかったと思います。特にマイケル。もともと無口な男という設定ではあるようですが、あんな無茶苦茶な展開のうえ自分が被害者なわりに意外なほど混乱レベルが低いので、心理状態が読めない分いささかキャラとして掴みにくい。準主役なのになあ。
とりあえずケイト・ベッキンセールはここから「ヴァン・ヘルシング」につながったと見て間違いないわけで、新境地開拓としては大成功だったのではないかと思います。が、この作品でライカンのボスであるルシアンを演じていたマイケル・シーンとの間に一人娘がいたケイト嬢、実は撮影後には監督のレン・ワイズマンと結婚しちゃいました・・・。まったく、監督ってやつはどいつもこいつも・・・。


 イグジステンズ  ★★★☆
【1999年 : アメリカ】
 監督:アン・リー/音楽:パトリック・ドイル
 出演:ジェニファー・ジェイソン・リー(アレグラ)、
    ジュード・ロウ(テッド)、
    イアン・ホルム(ビヌカー)、
    ウィレム・デフォー、ドン・マッケラー 他

新感覚のバーチャルリアリティゲームの世界を巡る、青年と若き女性ゲームデザイナーを描いたSFスリラー。
近未来、人々は誰もが脊髄にバイオポートなる穴を開け、そこにゲームポッド(コントローラー)を接続して仮想現実ゲームを楽しんでいた。だが新作ゲーム「イグジステンズ」の発表会場で、カリスマ的な天才ゲームデザイナー、アレグラ(ジェニファー・ジェイソン・リー)が突然銃撃され、警備員のテッド(ジュード・ロウ)は彼女を連れて逃亡する。事件の真相を探るべく、ゲームのなかに身を投じるふたり。そこはまるで本物のようにリアルな世界だった。不気味なアイテムと妖しげなキャラクターに囲まれながら、現実と仮想は次第に混沌としてくる。ゲームの結末を迎えた時、そこに待っている本当の現実とは・・・?

見ている側を巻き込みつつ展開されるストーリーはそれこそ意図された混乱というやつで、繰り返されるどんでん返しにこっちの方こそどれが現実やらわからなくなります。構築された仮想現実ゲームの世界はご丁寧なほど気持ち悪いし不気味だし、見れば見るほどドンヨリしつつも、気がつくと「本当の彼らはどれ?」と画面に見入っていた自分が不思議。
出演者の顔ぶれはやたら豪華ですね。それだけでもとりあえず見ておこうと思った下心はとりあえず置いといて、苦手な分野の作品としてはけっこう面白かったかも。
但し、爬虫類系ナマモノ血みどろアイテムてんこ盛りですんで、カエルの解剖とか苦手な方にはオススメできません。(笑)



 苺とチョコレート  ★★★☆
【1993年 : キューバ・メキシコ・スペイン】
 監督:トマス・グティエレス・アレア
 音楽:ホセ・マリア・ヴィティエルク・ドイル
 出演:ホルヘ・ペルゴリア、ウラジミール・クルス、
    ミルタ・イバラ、フランシスコ・ガットルノ、
    ヨエル・アンヘリノ、マリリン・ソラヤ 他

80年代、カストロ政権下のキューバを舞台に、同性愛者であるために祖国から追われる青年ディエゴと、彼に一方的に好かれて困惑する堅物の共産主義者、大学生のダビトの物語。

苺ってのはあちらでは同性愛の象徴なんだそうな。だから出会いの場面で苺のアイスクリームを食べているディエゴは、語らずしてそうであると暗喩されてるわけですね。
キューバという国は人種・男女・職業などあらゆる面で差別撤廃が実施されているわりに、同性愛者だけは白眼視され、非難されるのだそうです。そういえば、オカマ先進国のタイでさえ現状は厳しいと「アタック・ナンバー・ハーフ」で言っておりましたっけ。
ダビトくんは祖国を思い、未来を信じる情熱に溢れた若者です。もちろん200%の完全ストレート。
ゲイであるディエゴさんの方はあからさまナンパ方式で彼に近づいていきますが、冷たーくあしらわれます。
しかしこのディエゴさんは民主思想の柔らかい頭の持ち主で、芸術に大変造詣が深く、心から絵や文学を愛している青年。カチンコチンの共産主義者であるダビトくんとは口論もしますが、なんだかんだいろいろ話していくうちに、ダビトくんもやがて「なんとなく悪いやつじゃないかも」と思い始めるわけです。
一見あまりにもかけ離れた考え方を持つように見える二人だけれど、人間としての思いやりとかユーモアといったものを付き合わせた時、そこにはちゃんと友愛が生まれるんだということを見せてくれる。そして、キューバ社会が未だに拭いきれない性差別、あるいは思想的な制約をキューバ人自身が映画の中で描き、公開したという意味でも価値のある作品ではないかと思います。
結局のところ、彼らの間には友情は育ちましたけども、それ以上のことはありませんでした。精神的に大人であるディエゴさんはダビトくんのためを思って身を引いたからです。いい人なんだ、ディエゴさん。
こういう人こそどこかで幸せになってほしいな。



 いつか晴れた日に  ★★★☆
【1995年 : アメリカ】
 監督:アン・リー/音楽:パトリック・ドイル
 出演:エマ・トンプソン(エレノア)、
    ケイト・ウィンスレット(マリアンヌ)
    アラン・リックマン(ブランドン大佐)、
    ヒュー・グラント(エドワード) 他

19世紀初頭の英国を舞台に、対照的な性格の良家の姉妹がそれぞれの恋やお金の問題を越えて幸福をつかむまでを描いた作品。

要は三姉妹のうちの長女と次女の恋のお話です。一家の長である父を亡くし、母と共に家を切り盛りする長女は少々嫁き遅れの感もあるしっかり者で忍耐強い娘。対する次女は奔放で勝ち気、情熱に溢れており、年の離れた末っ子はまだまだ悪戯好きで幼げな少女です。
エマ・トンプソンてこういう役多いですね。分別ありすぎて頑なになったまま独り者、って役。キャラクター的にはあまり好きではないんですが、エドワードを遠く眺めたエレノアが時折にっこり微笑む表情なんかを見ると、「まあいっか」なんて思ってしまいます。
で、そのエレノアに心惹かれる誠実で少々内気な青年エドワードにヒュー・グラント。今ではほとんどやりませんが、昔は結構コスチュームものにも出てたんだよな。タレ目で育ちが良さそうなタレ目(しつこい)の好青年。また、次女マリアンヌの自由な性質を愛でつつも、彼女が別の男性に恋していることを知ってじっと見守るブランドン大佐の姿がなかなかステキです。アラン・リックマンの風貌だからこそ滲み出るあったかさがある。結局こういう人と一緒になった方が女は幸せになれるんでしょうね。
一家を追い立てる強欲なオバさんがいたり、金や名誉につられて愛を裏切る青年もいたりで、この手の時代物には必須ともいうべきアイテムは揃っています。でも最後のシーンですべてはチャラ。タイトル通りの美しい空が爽やかさを運んでくれます。
英国式の紅茶やマフィンを友に、長閑な午後にのんびり鑑賞するのがよく似合う一品。



 妹の恋人  ★★★★
【1993年 : アメリカ】
 監督:ジェレマイア・S・チェチック
 音楽:レイチェル・ポートマン
 出演:エイダン・クイン(ベニー)、
    メアリー・S・マスターソン(ジューン)、
    ジョニー・デップ(サム) 他

両親を火事で亡くして以来、神経過敏で精神の安定を欠いてしまった妹ジューンと、彼女を親のように見守ってきた兄のベニー、ひょんなことで兄弟の家に居候することになり、ジューンと恋に落ちる風変わりな青年サムの交流を描く青春ドラマ。

26歳にもなって読み書きもまともにできず、親戚には厄介者扱いされつつも、その代わり大道芸に稀な才能を発揮する心優しい青年の役をジョニー・デップが好演してます。
なんせもう10年も前の作品だからねえ!若いよデップ!パントマイムも堂に入ってて、何回か本気で笑ってしまいました。わざわざDVDまで購入したお気に入り作品です。
他人にはなかなか心を開かないけれどお兄さんのことは大好きな妹、そんな彼女を大事に大事に見守ってるアニキ。だからこそ擦れ違ったりもするんですが、そのへんのやりとりもとてもよかった。音楽もなんか気になるなあと思っていたら、レイチェル・ポートマン(「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」他も担当)だったのですねえ。
冒頭から流れるザ・プロクレイマーズの「アイム・ゴナ・ビー(500マイルズ)」も、映画の雰囲気を上手い具合に匂わせてくれてイイ感じです。



 イン&アウト  ★★★☆
【1997年 : アメリカ】
 監督:フランク・オズ/音楽:マーク・シャイマン
 出演:ケヴィン・クライン(ハワード・ブラケット)、
    ジョーン・キューザック(エミリー)、
    マット・ディロン(キャメロン・ドレーク)、
    トム・セレック(ピーター・マロイ) 他

オスカーを受賞した人気スターである元教え子に、テレビ中継ででゲイだと公表された英語教師が巻き込まれる騒動を描いたコメディ。トム・ハンクスが「フィラデルフィア」(93)でアカデミー主演男優賞を受賞した際、そのスピーチでゲイである恩師に感謝した実話を基にしている。
インディアナ州グリーンリーフ。高校で英語を教えるハワード・ブラケット(ケヴィン・クライン)は小綺麗さと面倒見の良さで生徒からも人気の教師だ。3年間交際した婚約者のエミリー(ジョーン・キューザック)との結婚を3日後に控え幸せな日々を送る彼だったが、突如として大事件が起こる。かつての教え子でいまやハリウッドの若手人気スターとなったキャメロン・ドレーク(マット・ディロン)はゲイの兵士を演じた戦争映画で見事主演男優賞を受賞したのだが、よりによってアカデミー賞受賞式のスピーチで「この賞を恩師のブラケット先生に捧げます。彼はゲイです」と語ったのだ。
翌日、小さな町は大騒動。必死で否定すればするほどハワードの立場は悪化するばかりで、しまいには有名リポーターのピーター・マロイ(トム・セレック)に追いかけ回される毎日。地に落ちた彼の名誉は果たして取り戻すことができるのか・・・。

ゲイだとなれば人生終わり、と言わんばかりに大慌てする主人公がおかしいといえばおかしいし、穿った見方をすればゲイの二文字に振り回される人々を描いたかなりシニカルなコメディです。
ハワードが本当にゲイだったのかどうかはナゾですねえ・・・。半ば暗示にかけられたと言えなくもないし、潜在的にそういう性質を持ってる人も確かにいるだろうし。
ラスト近くはかなり強引な展開で、「おいおいそんなことでいいのか君たち・・・」と思わず画面に向かって声をかけたくなりましたが、その後のパーティがなんだか楽しそうだったのでいいことにします。(単純)
自分の性癖がどんどんわからなくなって大混乱しているケヴィン・クラインが面白かった。コメディらしいコメディを見せて貰った感じ。ちなみに劇中のアカデミー賞受賞作品はどれもバカらしくて大笑いです。
そういえば最後のパーティでかかってたあの曲、♪マッチョ、マッチョ、マッチョ・マン〜♪ていう一節がもう耳に残って残って大変でした。タイトルはズバリ「マッチョ・マン」だそうです・・・。



 インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア  ★★★
【1993年 : アメリカ】
 監督:ニール・ジョーダン/音楽:エリオット・ゴールデンサル
 出演:トム・クルーズ(レスタト)、 ブラッド・ピット(ルイ)    キルスティン・ダンスト(クローディア)、
    クリスチャン・スレイター(クリス)、
    アントニオ・バンデラス(アルマン)、
    スティーヴン・レア(サンティアゴ)  他

吸血鬼レスタトに魅入られ、不老不死となった青年ルイが辿る数奇な運命を描いたホラー・ロマン。
女性作家アン・ライスの代表作でカルト的な人気を誇る小説『夜明けのヴァンパイア』を彼女自身の脚本で映画化したとのことですが、それがそもそもマズかったという声多数。作家が直接あれこれ口出すと、失敗すること多いよねえ。
トム・クルーズはまあ勘弁しておくとして、絶世の美青年に見えないブラッド・ピットはどうなんだ。白塗りしたってダメです!ごまかされないよ!てゆーか余計ダメ。(笑)
唯一キルスティン・ダンストのクローディアはお人形のようで見栄えがよかったです。
他にもクリスチャン・スレイターやアントニオ・バンデラスなど、今思えばやたら豪華なキャスティング。
金はかかってるんだ、金はな。
これを見たのはずいぶん大昔な話ですが、 最近しまい込んでたビデオを改めて見て一言。あんだけ血ィ吸いまくってるわりに、あんまし吸血鬼の話っていう雰囲気に見えないのはなぜだろう・・・。
ま、オチは結構おもしろいかなと思いましたが。 やはりレスタトは年の功ってことだね。



 ウィズアウト・ユー  ★★★☆
【1999年 : アメリカ】
 監督:フィル・ジョアノー
 出演:スティーブン・ドーフ(ジェイク)、
    ジュディット・ゴドレーシュ(ステラ)、U2(ボノ) 他

若き映画監督とスーパーモデルの恋とすれ違いを描く恋愛ドラマ。
ミュージック・ビデオの監督作品が認められ、ハリウッド映画に抜擢されたばかりの新人監督ジェイクと、彼が一目惚れした美しいスーパーモデルのステラ。 お互いに運命の相手と感じすぐに恋に落ちたが、職業柄一見華やかそうに見える二人の恋愛も、実際は格好良いことばかりではない。仕事も恋愛もすべてが思うように行かず、 悩んだり苛立ったり。それを相手にも理解して欲しいと思っているのに、やがてちいさな綻びから心が擦れ違い始める。そんな二人を見かねたジェイクの親友、U2のボノは自らのコンサートで二人に最後のチャンスを与えるが・・・。

という不思議な設定そして物語展開。
思ったよりも演出が面白くて、主人公が「なぜ今自分がここでこんなありさまになっているか」ということを、過去に遡っていちいち講師のように説明してくれます。
ただ、ちょっと演出過多なところもありまして、そのネコってどうなの、どうなのそれは!と画面に突っ込むこと暫し。友人ボノもなんか不思議な能力を使っているぞー。何者ー。
しかしまあ、芝居をするボノやコンサート中のU2を見たいなァという下心で鑑賞した作品なので、あまりうだうだ文句も言えません。
ラブストーリーとしてはどうなんでしょうね。所詮は自業自得ですか?
どこか掴みきれないキャラクターをした主人公は、観客の同情をあえて拒むかのようにちょっとシニカルな顛末を迎えます。彼を演じていたのがスティーブン・ドーフだということには長いこと気付きませんでした。メガネなんかかけてるからわかんなかった。そうと知ったらもう一度見直さなくては。
ええと、スティーブンに興味がない場合はとりあえずボノを見ましょう。・・・言うほど出てませんが。



 ウェディング・シンガー  ★★★★
【1998年 : アメリカ】
 監督:フランク・コラチ/音楽:テディ・キャステルッチ
 出演:ドリュー・バリモア(ジュリア)、
    アダム・サンドラー(ロビー)、
    クリスティーン・テイラー(ホリー)、
    アラン・コヴァート(サミー)、
    マシュー・グレイヴ(グレン)  他

結婚式のパーティを盛り上げることが仕事のウェディングシンガーと、マリッジブルーのウェイトレスが繰り広げるラブコメディ。 個人的にかなりお気に入りの作品です。
結婚式の当日に花嫁に逃げられ失意のどん底にいるロビー(アダム・サンドラー)が、職場の同僚であり結婚式を間近に控えたジュリア(ドリュー・バリモア)に友人としていろいろ相談に乗るうちに、二人の間にひそかな想いが芽生えるという絵に描いたようなこの構図。
しかし時は80年代です。全編くまなくアカ抜けない、なんとも言えないダサさがこの作品の可愛さでもあり、ヒネリのない素直さこそが長所なのです。こういう話はヘタにややこしくしてはいけません。直球勝負。正攻法バンザイ。
主人公がウェディングシンガーなだけあって、当時流行したポップスがこれでもかというほど散りばめられてます。サントラは全米で驚異の売り上げを記録したとか。
劇中ではアダム・サンドラー自身がたっぷり歌ってます。根っからのコメディアンである彼が珍しくまともな芝居をしてみたら大当たり、ドリュー・バリモアもそれまでの不良少女を卒業して可愛いお嬢さんを演じてみたら大当たり。おめでたい作品となったようです。
サンドラーのアホっぷり(この作品ではだいぶ控えめですが)そしてキュートっぷりは言わずもがな、ドリューもなかなか可愛いと思いました。特にラスト近く、ワゴンでヒジをぶつけて痛がるシーンね。ほんとに痛そうで、イイ顔してたので。(笑)
2004年初春にはこの二人が再度共演した新作「50ファースト・デート」(別に本作の続編ではない)が米で公開されて大人気だったそうな。日本公開は無理そうなのでせめてDVDをさっさと出せ。熱烈希望。