島田式CSPPの特徴はカソードチョークを使うことで、このチョークはOPTと電磁結合されていな
いので抵抗で代用する事も出来ます。ただ抵抗の場合は、その抵抗値のまま高インピーダンスに出来ない
のでロスが大きくなり、出力がチョーク式の半分程度になってしまいます。この辺りの事は、事前に試作
機を組んた時の顛末を別章に纏めましたので、そちらも参照して頂けたらと思います。
またチョークの他にも、それぞれのプレートから反対側のカソードにタスキ掛けにケミコンが渡されて
います。これによってOPTとカソードチョークは交流的に並列負荷となるのですが、カソードチョーク
は二次側巻線がなく高インピーダンス状態となっているので、負荷インピーダンスはOPTの900Ωの
ままでほとんど変りません。一方で、プレート側にチョークを入れてカソード側から出力を取り出しても
特性的には変りませんし、両方から出力を取り出してもまた同じような動作をします。
このチョークの働きとして、直流は通しますが交流は通さないので、出力管の出力ループは下図のよう
になり、このタスキ掛けに渡したケミコンが左右それぞれの電源として擬似的に働くので、電源は一つで
も交流的には個々に独立した電源を必要とするサークルトロンと同じ動作をするのです。
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