何故、今『タイタス』が話題なのか?

「タイタス・アンドロニカス」余聞


2000年11月9日のTBSテレヴィのNEWS23「芸術の秋」
で、筑紫哲也が対談した相手は、ブロードウエイのミュージ
カル『ライオン・キング』で著名な演出家ジュリー・テイモア女
史であった。

同女史は『ライオン・キング』を成功させた後、シェィクスピア
の初期の作「タイタス・アンドロニカス」を、監督とし映画化に
取り組み、『タイタス』は話題作として脚光を浴びている。

日本ではシェィクスピア物といえば、「ロメオとジュリエット」や
「リヤ王」「マクベス」「オセロ」などが有名であるが、「タイタス・
アンドロニカス」はあまり馴染みがない。

それは「タイタス・アンドロニカス」が、彼の初期の作品であり
余りにも暴力的・刺激的であるとして、文学的には評価が低
いからであろう。

しかし、テイモア女史は筑紫哲也との対談で、なぜ彼女が今
問題作の「タイタス・アンドロニカス」を取り上げたか、明快に
説明している。

すなわち、この物語は、古代ローマ帝国時代を背景にして
いるが、そこに描かれている異人種、異宗教の対立抗争や
権力闘争、レイプ、殺人、謀略、人肉食や親族間の骨肉の
争いなどは、まさに今日の社会にも共通する、人類未解決
の問題性を含んでいると、同女史はこの作品を高く評価し、
映画化したという。



たまたま、1999年3月、『晴耕庵の談話室』に、ニューヨー
クでデザイナーとして活躍中のM.I.さんから、『タイタス』の
広報のコンペに参加するので、梗概を教えてほしいとの依
頼があり(第27回)、この作品との縁ができた(第28回)。

テイモア女史監督の映画は現代風に制作されているようで
あるが、この機会に憶良氏は、談話室に掲載の原作梗概に
イラストを追加してみようと思っている。



第27回
標題:シェークスピアの“Titus Andronicus”

第28回
標題:シェークスピアの“Titus Andronicus” (あらすじ)
 
映画の台詞に出る「タイタス・アンドロニカス」

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