LinuxでワイアレスLAN
作成日:2001/04/04
更新日:2002/02/23
IEEE802.11bで11Mbpsの速度になってから、ちょっとはやりの ワイアレス・ネットワークをLinuxでも試してみました。 ほとんど全てのWireless LAN カードは、Windowsだけのドライバしか 添付されていませんし、Linux対応をうたっている物もありません。
ただし、ほとんどのカードの場合、Lucentか Intersilのチップを使って いるので、だいたい何とかなるようです。
なお、ここでは、ノートPC+PCMCIAの場合を想定しています。
PCカードでルーセント、インターシルのどちらのチップを利用されているかは Windowsで動作するなら、デバイスマネージャでプロパティを開き ドライバの提供元を見てみるとわかる場合があります。 また、財団法人電気通信端末機器審査協会 で、製品の背面などに記されている認定番号(D99-99xxJPのような番号が記載されている)で 申請者名を見つけることでわかるようです。
メルコのAIRCONNECTシリーズはルーセントのチップを使用していますので、 モジュールとしてwvlan_csが利用できます。 最近のディストリビューションではすでに利用できる状態に なっていると思いますが、もしモジュールが"/lib/modules/2.2.xx-xx/pcmcia/"に無ければ ftp://ftp.wavelan.com/pub/software/ieee/pc_card/linux/wavelan2_cs-6.00.tar.gz からダウンロードしてきてインストールします。
Vine Linux なら、"add.conf"に以下のような記載があればすでに利用できる状態です。
card "Melco AIRCONNECT WLI-PCM-L11" manfid 0x0156, 0x0002 bind "wvlan_cs"あとは、通常のネットワークカードのように"/etc/pcmcia/network.opts"にアドレス などの設定を書いてあげればOK。 ただしSSIDを設定する場合は、"config.opts"などで、
module "wvlan_cs" opts "network=SSID"と記載します。またWEPを設定する場合は http://www.hpl.hp.com/personal/Jean_Tourrilhes/Linux/Tools.htmlから Wirelesslan Toolsをダウンロードし、iwconfigコマンドで
iwconfig wvlan0 key xxxx-xxxx-xxとしてWEPキーを指定します。
I/OデータのWN-B11PCMは アクセスポイントが2万ちょっとですし、カードも1万程度で 手に入れることができ、お手軽に導入できるためか人気が高いようです。 このカードはインターシルのチップを使っています。
インターシルのチップの場合AbsoluteValue SYSTEMS のLinux-wlang-ngプロジェクトが配布するprism2_csが利用できます。 上記サイトからダウンロードし、"make config"の質問に答えた後 "make","make install"し、インストールされた"/etc/pcmcia/wlan-ng.conf" にカード情報を記載します。 カードの情報は"/sbin/cardctl ident"コマンドで調べることが出来ます。
#/sbin/cardctl ident Socket 0: product info: "ID DATA", "WNB11PCM", "Version 01.02", "" manfid: 0x028a, 0x0002 function:6 (network)
インストールしてみたところデバイスクラスのモジュール指定がどうやら 正しくないようで、insmodでのロードに失敗しましたので、以下のように "wlan-ng.conf"を変更しました。
device "prism2_cs" class "wlan-ng" module "prism2sta_cs"さらにカードを認識させるために、"cardctl"で得られた情報を元に
card "IO DATA WN-B11PCM Wireless LAN Card" version "IO DATA", "WNB11PCM" bind "prism2_cs"を追加します。 これでカードは認識されるはずです。うまく認識しないようなら"/var/log/messages"に エラーが出ていないか確かめて原因を解消してください。
SSIDを利用する場合は、 "/etc/pcmcia/wlang-ng.opts"の中の、
dot11DesiredSSID=WLAN_PRISM2の部分を実際のSSIDに変更します。 さらにWEPを利用する場合は
dot11PrivacyInvoked=falseを"true"にし、
PRIV_GENERATOR=/sbin/nwepgen PRIV_GENSTR="12345"をコメントアウト、さらに
dot11WEPDefaultKey0=XX:XX:XX:XX:XXにWEPキーを指定します。(複数あるなら1から3も指定) これでアクセスポイントとWEPを利用した通信が出来るようになると思います。
このページは各ソフトのマニュアルと、OPEND DESIGN 2001年1月号を参考にしました。
Lucent Technologiesは通信用半導体部門が独立しAgere Systemsとなりました。