デジタル電子負荷  4/5

 

3-3 CPU周辺

CPUは、キー入力・LCD表示・出力電流決定用のDACの設定、電圧・電流計用のADのデータ変換、各種設定データの設定などを行います。

 

1)CPU

    CPUには、AKI-80を用いました。AKI-80に汎用IOポートである82C55とキーボードコントローラであるuPD8279C、表示用LCD、そしてPIO経由でキャリブレーションデータを保存するEEPROM、KeybordControlerにはPICマイコン経由でRotaryEncoderが接続されます。

 

2)キーボード

    キーボードは、キーボードコントローラとして有名なuPD8279Cを用いて実現しております。このICは、キーマトリクスになにか変化があったときに割り込み信号を発生させるようになっておりますから、CPUは、割り込みが発生したら、uPD8279のレジスタを読みに行き、どのキーが押されたかを判定すればいいわけです。このICの最大動作クロック周波数は4MHzですから、CPUクロック(10MHz)を4分周した2.5MHzをクロック信号とします。

    キーボードには、ロータリーエンコーダも使用しました。当初はロータリーエンコーダ出力をウィンドウコンパレータ経由でuPD8279につけ、回転判定の処理をAKI-80にやらせるつもりでしたが、私の実力不足からうまくファームウェアがつくれず、仕方なくロータリーエンコーダの動作処理用にPICマイコンを別につけることにしました。PICマイコンでは、右にまわしたらポート0をHに、左に回したらポート1をHにするという簡単なプログラムを実装しただけです。この出力をuPD8279のマトリクス内部に入れ込むことで、AKI-80からは、ロータリーエンコーダが回されたというよりは、「左へまわしたというキーが押された」「右へまわしたというキーが押された」というように見えるようにして、AKI-80の処理負担を軽くしています。

     

3)LCD

    表示として、20×4のLCDキャラクタディスプレイSC2004Aを用います。LCD動作に必要なRS,E信号は、AKI-80のADRESS0およびIOWRそしてアドレスデコーダから作成し、LCDのデータバスはAKI-80のデータバスへ直結します。

 

4)PIO

    PIOには非常に有名な71055(82C55)を用いました。このPIOは、負荷電流設定用のDA用シリアルデータ、各種設定用シリアルデータ、ADのシリアルデータ読み取り、EEPROMへのアクセス、シャットダウン信号出力、各種モード表示用LEDの点灯などを扱います。

 

3-4 電源

    12Vから±12V,±5Vを作る絶縁型DCDCコンバータです。絶縁型ですからトランスを巻かなければなりません。幸い、本機の用途において高電圧のフローティング電圧を扱うことはありませんから、安全規格を気にせず、比較的楽にトランスを巻くことができます。回路としては、ごく基本的な絶縁型マルチ出力電源です。

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