とられてたまるか! 構想編 |
1-1.はじめに 先日、自転車が盗まれてしまいました。引っ越しの時にホームセンターで特価\7800にて買った新車なのに。聞けば最近、この近辺で泥棒が多発しているらしい。警察もがんばってはいるようですが、自衛手段というものもしっかり考えておく必要がありそうです。 防犯装置といえば、単なる防犯カメラ設置のステッカーですますものから、本格的なビデオ録画装置付までいろいろあります。前者は安くて良いのですが、ちと心もとない。なんといっても、いかにも金目のものがあるよと公表しているみたいで、単なるステッカーのみであることを見破られたら最後。格好の餌食となってしまいます。かといって、後者のほうを選択すれば、装置の値段がとても高く、そうそうできるものではありません。 さて、私自身は幸いなことに電気関係をかじっているので、この手合いのものはなんとか自作できそうです。自作すれば、値段も安く作れ、メンテナンスも自分で行え、機能も自分なりにつけられ、と納得いくものができます。そんなわけで、防犯装置なるものを作ってみることにしました。 |
1-2.動作を考える 基本的な動作として、この防犯装置を動作開始後、異常を感知したらビデオ録画や警報といった何らかのアクションを起こす。基本的にはそれだけです。まずは異常の定義と、異常時に何をするかを決めることからはじめます。 ・異常の定義 この異常の定義をどうするかで、センサ部が決定する。ここでは人間が侵入したらということにする。
・異常時の対処 警報と電灯ONとビデオ録画をする。
これで一番基本的なことがきまりました。あとは実現にむけて細かな仕様を決めていきます。たとえば、 電源を切られてしまったらどうする? 動作を開始させたら、動作を開始させた本人を検知してしまうのをどう対処する? ケーブルを切られたらどうする? というように、実際に動作させたときの問題を洗い出していきます。結局、仕様と構成は以下のように固まりました。実際にはもっといろいろあるのですが、防犯の都合上あまり詳しく書かかないことにしておきます(^^;。
|
1-3.構成 全体構成図は、こんな感じにしてみることにしました。侵入者の検出は赤外線焦電センサを用い、侵入者を発見したら、ビデオ撮影と、電灯の点灯、警報音の発生を行うことにします。 |
1) 電源 電源スイッチはつけません。24時間電源入りっぱなしとします。これは、電源を切られたら元も子もないということからです。また、念の為、メインの100Vをカットされても内蔵の電池で最小限の動作をするようにしておきます。
2)CPU とりあえず、PICマイコン(PIC16F84A)を使ってみることにします。安くて小さくて、IOポートもそこそこあるので、今回の用途にはうってつけかなと思いました。
3)赤外線センサ 秋月電子通商で売っている赤外線センサキットを用いてみるつもりです。実際のところ、期待する性能があるかどうか、気になるところです。
4)カメラ これも秋月電子通商で売っていたカメラです。なお、カメラを設置するときは、防犯カメラを設置していることを知らせるステッカーかなにかを貼らなければならないそうなので、防犯グッズ屋からステッカーを購入しておかなければなりません。
5)ビデオ 侵入者を察知したとき、このビデオデッキにカメラで捕らえた映像を記録します。このデッキは、長いこと眠りについていた据え置き型8mmビデオです。買った当初は、ビデオテープの置き場がすっきりすると喜んでいたのですが、使いつづけるうち、保存性が良くないとか、テープの再利用性が極めて悪いとか、難点がかなり目立ってきたため、いまではすっかり使うことがなくなったものです。まさかこんな形で再利用することになろうとは。手放さないで良かったです。
6)赤外線LED ビデオのコントロール用です。電源ON/録画スタート/録画ストップ/電源OFFの一連の動作は、リモコンの信号をPICで作り出すことにより行います。この方法を実現するためには、リモコン信号も少し解析しなければなりません。
7)電灯スイッチBOX 侵入者が入ったとき、電灯をつけます。これは、撮影用照明と、侵入者への威嚇を兼ねます。撮影だけなら赤外線投光器をつかって暗闇で撮影したほうが盗人の行動がみれて面白いのかもしれませんが、目的は盗人の行動解析ではなく、あくまで防犯なので、電灯をつけて威嚇をすることにします。なお電灯のON/OFFはラッチングリレーを用いて、一度ついたら解除動作をしないと電灯を消すことが出来ないようにしておきます。
8)警報音 電灯をつけるだけではたいした威嚇にならないため、とにかくでかい音を立てることにします。この音も、解除動作をしないと停止しないようにしておきます。警報音は、侵入者が一定時間以上いると判断したときのみ動作するようにします。これは、盗人以外の人が来た場合や、防犯装置を仕掛けた当人が装置を解除するためにセンサ検知領域に入った場合を考慮したためです。
9)キーボード 防犯装置のON/OFFの動作切り替えを行います。ここから、あるキーコードを入力することで防犯装置の動作を解除できるようにします。また、防犯装置を動作させるときは、操作者がその場を去る一定時間経過してから動作を開始するようにします。
10)ほか カメラや赤外線センサ、そして電灯操作用のケーブルを切断されてしまった場合は、即座に警報音を鳴らすようにします。
とまぁ、だいたいの構成が決まりました。あとは、センサがそれなりに動作できるかどうか、赤外線でビデオをコントロールできるかどうかなど実験をし、またこれら動作が行われるようプログラムを作ってみればよいのです。 |
|