加速度センサで遊んでみよう その2       1/5

 

1.はじめに

     加速度センサで遊ぼう その1の最後の方で、加速度センサの動きをもっとよく知るために、センサ出力の生データをレコーダーで記録したいなんてことを書きました。で、ようやっとそれが実現しましたんで、その記録をアップします。なかなかデータをまとめる時間がなくて、準備号アップから結構時間がかかってしまいましたが、ようやくここに正式版をアップします。

     

2.車に加速度センサとレコーダ一式をのせて

     とりあえず、車に加速度センサをつけてみたかったので、さっそく、車に加速度センサをつけたときの、加速度センサの出力を記録することにしました。その1で作成した加速度センサボードと、レコーダ(とはいっても、実はデジタルオシロだったりするんですが)、そしてレコーダの電源となるインバータを真夜中にごそごそと車に積めこみ、測定機をセットアップします。こんな深夜(AM1:00)の駐車場で、あやしげな器材をごそごそ詰め込んで、はたからみたらさぞかし怪しい光景でしょう。加速度センサのX軸、Y軸出力をオシロのCH1入力、CH2入力にそれぞれ接続し、センサ出力を測定できるようにします。オシロは垂直軸分解能16bit/最高サンプルレート100kspsの高分解能ものです(今回使用するデジタルオシロは、サンプリング速度は遅いものの、その代わり垂直分解能が高いというものです。車の加速度検出なら、サンプリングレート100kspsでも早過ぎるくらいです。

 

測定器の接続

 

 

加速度センサの設置位置

 

加速度センサは、車の中心に設置しました。

デジタルオシロの波形と加速度方向の関係は

  CH1 横方向

  CH2 進行方向

です。

    まずは軽く動作チェックをし、オシロが動作することを確認したら、いよいよ車のほとんどいない、そしてほどよいカーブの有る道路へレッツゴー!

    目的の場所へと、お気に入りの曲でも聴きながら深夜のドライブ。しかしその助手席にはデジタルオシロ。なんとも色気の無いこと。実際の記録の予行演習をかねて、オシロを動作させながら繁華街を走行。もし警察の検問に会おうものなら、変な疑いをかけられること間違い無しの状態。オシロの画面がなんとも妖しげな雰因気をかもし出しております。そのオーラに気がついたのか、市街地の道路の信号まち中にて、隣についたワゴン車の助手席のあんちゃんが、あやしそうに私の車を覗き込む。このとき、私の気分はまるでCPUセットアップをしているチューナー!(もちろん、私はCPUをいじるなんてことはできません。ちなみに車も改造一切無しのドノーマル しかもAT車です)。

     

    助手席にオシロを乗せた状態

加速度センサの設置位置と、デジタルオシロの固定。

前回作成した簡単な加速度表示機からセンサ出力を取り出し、オシロで観測します。

オシロはとりあえずシートベルトで固定。しかしこれですと、それほどしっかり固定されないため、あまり乱暴な運転をすると測定機がすっ飛ぶ可能性があります。

車はシルビア(S-14)です。南は九州・北は北海道までともに旅をした大事な車です。

 

 

3.さぁ、レコーディングだ

    そうこう走っているうちに、車もほとんど走っていない目的の場所へ到着。今回予定したメニューは、

    1)通常加速・通常停止

    2)急加速・急停止

    3)通常にコーナーを走る

    4)少し早くコーナーを走る

    5)適当に気持ちよく走った時のデータの記録

    ってところ。ちなみに私はドリフトとかできませんし(できるようになりたいと思ったときはあった)、いわゆる高速でコーナーを攻めるなんてことはとても怖くてできないです。それに、そんなことしたら、多分大事な測定機が吹っ飛びます。上の写真の通り、簡単にシートベルトで固定しているだけなんですから。そんなわけでデータとしては今一つ面白くないかもと、一抹の不安をもちつつもデータ取りをすることにしました。

     

    まずは、いきなりだけど、適当に気持ちよく走ったときのデータ

    を記録...

    オシロスタンバイOK! アクイジションスタート いくぜ!

    ガォォォォォォッ! ゴキッ グォォォォ

          AT車なんだからミッションを変えるゴキの音はないって。

     

    ギュィィッ! カシューン ギュルルルル

          だからドノーマルなんだって

       (これはイメージです。気分だけ。実際はこんな走りはしていません ^^;)

     

    さーて、データはどうかな。

    う。

    予感的中。

    いまいちデータとしては面白くありません。こんな感じのデータが取れます。もちろんあとでデータ処理すれば面白いデータになるのかも知れませんが、それは後のおたのしみってことで。なお、センサの仕様をちゃんとみていれば、このような結果となることは予測できたんですが(^^;)

     

    とりあえず、こんなデータが取れました

     

    CH1(黄色)は横方向のG,CH2(緑)は進行方向のGを表しております。右へ大きなGがかかるほど、黄色い波形は上へあがり、左へ大きなGがかかると黄色い波形は下に下がります。そして前方向にGがかかれば緑の波形は上に上がり、後ろ方向にGがかかれば緑の波形は下に行きます。記録時間は50秒、1秒あたり20回データを取りますので、全部で1000点のデータを記録したわけです。で、記録結果をみると、波形は動かずほとんど一定。結構横Gとかかかってたんですけどねぇ。垂直軸を拡大すればそれなりに面白いデータかもと、とりあえずフロッピーディスクにこのデータを保存します。こんな調子で考えたメニューを記録し、そのデータをフロッピー保存していきます。これらデータを持ち帰り、あとでデータ処理をしようというわけです。

    ではいよいよこれらデータ処理の結果をお見せいたしましょう。

 

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