映画「The Beatles : Get Back」


金の切れ目は縁の切れ目だったビートルズ。

この映画では会話において

事実がバッサリとカットされることで印象は変わる

と改めて思いました。

目次

  • 2021年10月15日発売 Let It Be SPECIAL EDITION (SUPER DELUXE)【5CD+1Blu-ray】の感想

  • 2021年10月21日購入 公式書籍「ザ・ビートルズ: Get Back」の感想

  • 2021年11月18日購入 ムック本「51年目に聴き直す「レット・イット・ビー」深堀り鑑賞ガイド」の感想

  • 2021年11月25日(木) 公開 パート1
      1969年1月2日から7日 Twickenhamでのセッション 157分を観た直後の感想


  • 2021年11月25日(木) 公開 パート1
      1969年1月2日から7日 Twickenhamでのセッション 157分を観た感想 2


  • 2021年11月26日(金) 公開 パート2
      1969年1月13日(月)から25日(土) Twickenham AND Apple Studioでのセッション 173分を観た感想


  • 2021年11月27日(土) 公開 パート3
      1969年 1月27日から31日セッション Apple Studioでのセッション 138分を観た感想


  • 2021年11月28日(日) 映画「The Beatles : Get Back」を観た後、映画「レットイットビー」を観直した感想

  • 2021年12月 4日(土) 興奮の嵐が過ぎ去った後の映画「The Beatles : Get Back」の感想

  • 2022年 2月 9日(水) 映画「【IMAX】ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート」鑑賞の感想


    back to 目次に戻る
    back to The Beatlesの部屋
    back to サイト・トップ





    【2021年10月15日発売 Let It Be SPECIAL EDITION (SUPER DELUXE)【5CD+1Blu-ray】】


    CD 1: New Stereo Mix of Original Album

    ジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティンがプロデューサーとなりエンジニアのサム・オケルと共にフィル・スペクター版アルバム「Let It Be」を2021年版リミックスした作品。
    音の分離がよくなり、綺麗な音になっていることはこれまでのリミックスと同じ流れ。
    印象に残ったのは前面にでてきていたフィル・スペクターのウォール・サウンドであるオーケストラが後面になったことでしょうか。

    この2021年版リミックスで起こった話ではありませんが、レコードがCDになり個人的に残念なことが一つあります。
    1980年頃のレコードで聴いていて思ったのはフィル・スペクター版アルバム「Let It Be」の"For You Blue"のアコースティックギターが奏でるイントロの絶妙な強弱の素晴らしさです。
    「何て右手のストローク。このような微妙、絶妙な強弱を奏でられるとは」と感動していたその微妙な強弱がCDになってから音量が一定化されてしまったような気がしてなりません。

    フィル・スペクター版アルバム「Let It Be」と2003年に発売された公式アルバム「Let It Be... Naked」。
    その折衷案のような2021年版リミックス。
    個人的に1975年から聴き続けているフィル・スペクター版アルバム「Let It Be」に慣れ親しんだ私としては違和感が3か月たった2022年1月になっても残ります。
    でもこの2021年版リミックスが歴史に残ることでしょう。

    CD 2: Get Back - Apple Sessions



    CD 3: Get Back - Rehearsals and Apple Jams



    CD 4: Get Back - 1969 Glyn Johns Mix

    1977年の夏休み、レコード店の音楽堂に行ったら白地のジャケットに"ペイパーバックライター"のプロモの写真が貼り付けられたグリン・ジョンズ版「ゲット・バック」が海賊盤コーナーにあるではないですか。
    お小遣いをもらったばかりで財布の中にお金があることを幸いに買って帰って聴いた時の気分は忘れられません。
    購入した海賊盤のグリン・ジョンズ版アルバム「ゲット・バック」のA面1曲目は何故か"One After 909"ではなく"Rocker / Save The Last Dance For Me / Don’t Let Me Down"から。
    そこで演り直しする"Don’t Let Me Down"。続く"Dig A Pony"、"I've Got A Feeling"。何これ? 酷いなぁ。
    公式フィルスペクター版アルバム「レット・イット・ビー」とも、映画「レット・イット・ビー」の後半にあるレコーディングのためにアップル・ビルの屋上でライヴしたその演奏とは大違い。
    ミスも残す裸のビートルズがコンセプトだったとしても、何で曲としても編曲途中の未完成な状況での演奏を納めて、編曲を終えたアップル・ビルの屋上での演奏を納めてないの? このグリン・ジョンズ版アルバム「ゲット・バック」は。
    他の曲も何かミスしたり演奏中に会話しているテイクを選択しているような。
    これは発売を拒否されるよな、と子ども心に思ったものです。

    改めて綺麗な音になったグリン・ジョンズ版アルバム「ゲット・バック」を聴いて、やはりこのアルバムは駄目です。
    完成度が高くない試行錯誤するテイクをあえて選んでいるアルバムという作品でしかありません。
    そこに収録された曲という作品になる前の状況をあえて選択し、並べたその構想が誤っています。
    完成形の"One After 909"、"Get Back"、"For You Blue"、"Let It Be"、"The Long And Winding Road"に至るまでには"Don’t Let Me Down"、"Dig A Pony"、"I’ve Got A Feeling"のように試行錯誤する過程があったことを表したかったのでしょうか。

    もしそうならばレコーディングでは完成しているにも関わらずあえて未完成の状態で発表されてしまった作品はどうするつもりだったのでしょうか。

    1969年当時、The Beatlesに発売を拒否されて当然の作品です。

    もしグリン・ジョンズが"Don’t Let Me Down"、"Dig A Pony"、"I’ve Got A Feeling"も完成形の"One After 909"、"Get Back"と同様、1月30日(木)の屋上で行われたライヴ・レコーディングのテイクを選択していたならば、The Beatlesから拒否されることなく発売され、歴史は変わっていたのかもしれません。

    CD 5: Let It Be EP




    back to
    目次に戻る
    back to The Beatlesの部屋
    back to サイト・トップ





    【2021年10月21日購入 公式書籍「ザ・ビートルズ: Get Back」】


    本屋さんに入荷いたしました!
    公式書籍の2冊目「ザ・ビートルズ: Get Back」
     
    やはり本は販売日かその前に自宅まで配送される通信販売ネットサイトではなく地元の本屋さんに予約したのは真夏の出来事。
    それから月日が流れ当初の販売予定日。
    既にモノが届き始めたのを小耳にはさみながら10月12日が15日に、15日が18日にと出版会社のサイトの発売予定日は変更され続けます。
    そして入荷案内は届かずの不安の日々。
    過ぎた日数分だけ喜び倍増です。
    本屋さんに行ったついでに音楽雑誌に立ち寄ればそこは1970年代?という表紙の雑誌が並んでいます。
    ついでに購入しようかな?と思い手にするも・・・本棚に丁重に戻しました。
    そして購入した書籍を開けば。
    うわぁこの日の写真が沢山!
    うわぁこの写真!
    文章も優しく日本語で書かれている!(日本語版だから)
    へぇこんな会話していたんだ!



    back to
    目次に戻る




    【2021年11月18日購入 ムック本「51年目に聴き直す「レット・イット・ビー」深堀り鑑賞ガイド」】


    本屋さんの音楽雑誌コーナーにいけば今は1970年代?と錯覚しそうな表紙ばかりが並んでいます。
    でももう買わないと決めたのです。
    だけどグリン・ジョンズのインタビューが掲載されているならば読まずに終われません。
    本屋さんでみかけたムック本「51年目に聴き直す「レット・イット・ビー」深堀り鑑賞ガイド」。
    あぁ、買ってしまいました。

    1976年の夏休み、朝一で名画座に500円で入館し1本目の「ビートルズがやってくる ヤー!ヤー!ヤー!」の後、続けて観た2本目の「レット・イット・ビー」。
    その時に持ち込んだマジソンスクエアガーデンのバッグの中に入れたカセットテープレコーダーで録音したテープ、そしてお小遣いハウマッチ?な友達から借りた海賊盤「スイートアップルトラックス」など何枚か何度も聴き返しながら、本「ビートルズ辞典」に書かれた幻のアルバムであるグリン・ジョンズ版「ゲット・バック」の音をあれこれ想像していた日々。

    1977年の夏休み、レコード店の音楽堂に行ったら白地のジャケットに"ペイパーバックライター"のプロモの写真が貼り付けられたグリン・ジョンズ版「ゲット・バック」が海賊盤コーナーにあるではないですか。
    お小遣いをもらったばかりで財布の中にお金があることを幸いに買って帰って聴いた時の気分は忘れられません。
    購入した海賊盤のグリン・ジョンズ版アルバム「ゲット・バック」のA面1曲目は何故か"One After 909"ではなく"Rocker / Save The Last Dance For Me / Don’t Let Me Down"から。
    そこで演り直しする"Don’t Let Me Down"。続く"Dig A Pony"、"I've Got A Feeling"。何これ? 酷いなぁ。
    公式フィルスペクター版アルバム「レット・イット・ビー」とも、映画「レット・イット・ビー」の後半にあるレコーディングのためにアップル・ビルの屋上でライヴしたその演奏とは大違い。
    ミスも残す裸のビートルズがコンセプトだったとしても、何で曲としても編曲途中の未完成な状況での演奏を納めて、編曲を終えたアップル・ビルの屋上での演奏を納めてないの? このグリン・ジョンズ版アルバム「ゲット・バック」は。
    他の曲も何かミスしたり演奏中に会話しているテイクを選択しているような。
    これは発売を拒否されるよな、と子ども心に思ったものです。

    2016年、そのグリン・ジョンズの回顧録「サウンド・マン 大物プロデューサーが明かしたロック名盤の誕生秘話 」が出版され、読んだのですが、数々の仕事を成功せせる方も時には失敗することがあると思いました。

     

    時は流れ2003年に発売された公式アルバム「Let It Be... Naked」。
    まさにこのアルバムこそ、原点に戻り、かつ飾らないというコンセプトだと思いました。

    ムック本「51年目に聴き直す「レット・イット・ビー」深堀り鑑賞ガイド」に載っていたグリン・ジョンズのインタビューを読みながら音楽鑑賞して改めて思ったことは二つ。
    ムック本「51年目に聴き直す「レット・イット・ビー」深堀り鑑賞ガイド」に載っていたグリン・ジョンズは公式アルバム「Let It Be... Naked」はグリン・ジョンズのアルバム「ゲット・バック」のコンセプトを真似た旨がありました。
    でも公式アルバム「Let It Be... Naked」のコンセプトとグリン・ジョンズのアルバム「ゲット・バック」のコンセプトは全く違うと思います。
    余計な情報無しに聴くと公式フィルスペクター版アルバム「レット・イット・ビー」、良く出来たアルバムだということを。
    そして公式アルバム「Let It Be... Naked」、これが一番だということを。
     

    やらかしてしまいましたが、映画「ゲットバック」の公開初日の11月25日(木)まであと1週間。
    予習して興奮を抑える毎日。
           

    待ち遠しいです。



    back to
    目次に戻る




    【2021年11月25日(土) 鑑賞 パート1(1月2日から7日セッション)157分 Twickenham】


    凄いです。
    冒頭の10分間だけでウルウルもの。
    そして始まるパート1。
     

    1975年から1976年にかけ、お小遣いハウマッチ?な友達から借りて聴いた海賊版のレコードの音が2021年に映像で鑑賞できるなんて!
    あの頃の自分に教えてあげたいです。

    曲は普通に好きだけど、好きな言葉は?と質問されても口にするほどたいそうな生き方をしていないからこの歳になっても答えとして口にできない言葉「レットイットビー」。
    初日に用意されていた曲数とその完成度から1ヶ月後にはあのアルバム「レットイットビー」の楽曲に仕上げたビートルズ、凄いです。

    映画「レットイットビー」はインタビューで良くある前後が切り取られ部分的な文章がニュースで話題になるようにした感じ。

    監督など制作側からの様々な提案にもなっていない思いつきに対し思いつきで返すビートルズ。
    映画「レットイットビー」はそのビートルズの数々の思いつきの内容から現実的な思いつきに近い内容になっていたのが面白いかも。
    その辺りと放り投げられたように編集を任されてしまったために監督など制作側は映画「レットイットビー」のあの印象を招くような編集にしたのかも。と思うのは下衆の勘繰り?

    ウォールサウンドに賛否両論あるけど楽曲と完成度から選曲しテイクを選択したフィルの公式アルバム「レットイットビー」。
    それに対し海賊盤で最初に耳にした1977年の時からクソだと思い続けるグリン版アルバム「ゲットバック」。
    こちらはビートルズの意向であるアルバムの制作、映画はそのアルバムを制作するドキュメンタリー。
    そのアルバムを制作するドキュメンタリーとなるアルバムを制作しようとしたグリンかな。あっグリンのインタビュー通りか。
    でもクソなテイクばかり選択された楽曲はどうするつもりだったのでしょう。
    それはドキュメンタリーの映画「レットイットビー」で聴いてくれ?と思っていたのでしょうか。
    そりゃボツにされるよ、グリン版アルバム「ゲットバック」は。
    何て思うのでした。

    何はともあれジョンとジョージはいないけどポールとリンゴによりこのドキュメンタリー映画「ゲットバック」が公開されたのは嬉しいです。

    時は流れて♪
    All Things Must Psss♪

    ポールもリンゴも歴史として残せて良かったと思います。

    リンダ、これまで抱いていた印象よりもずっと綺麗。
    そして"Let It Be"を編曲している時に映るリンダとヨーコが談笑するシーンが印象的でした。

    Part1の最後を”Isn't It A Pity"で締めるとは。

    エンディングロールに流れる曲がまた感動的です。

    さぁ3回目の鑑賞をするとします。




    back to 目次に戻る




    【2021年11月25日(土) 鑑賞 パート1(1月2日から7日セッション)157分 Twickenham】 2


    字幕オフにして鑑賞すると目が文字を追うことなく映像に集中できます。
    翌11月26日(金)の朝、4回目の鑑賞中。
    3回目の鑑賞中、不覚にも途中、うたた寝してしまったのは内緒です。
     

    イントロダクション 映像は約11分


    1956年から1968年末までのこと。
    ある程度ビートルズ史を知っている人向けの映像かも。
    ビートルズ史を振り返るに良い映像でした。

    1月2日(木) 映像は約12分


    トゥイッケナム・フィルム・スタジオの使い勝手を探りながら新曲をメンバーで共有。

    海外、リビアの遺跡サブラタ円形劇場を提案する監督に対し、海外には行かないリンゴを理由にノーと答えるビートルズ。
    ジミー・ニコルの名前を出されても笑える人はその時も少ないであろう。
    壮大な物語、一大計画はあらゆる面で柔軟になるべきと監督に言われても行きたいないものは行きたくないのが人かも。

    1月3日(金) 映像は約21分


    ファンクラブ向け会報をメンバーが見ながら感想を会話するなんてことはビートルズに限らずやっているのかな。

    トゥイッケナム・フィルム・スタジオに照明が付けられる。

    リンゴがピアノを奏でながら新曲をお披露目。
    上手いです。リズム感はもちろん良いし上手いものです。

    当時も若いがもっと若い頃、クラヴで演奏していた曲、創作した曲を次々と演奏するところが楽しそう。
    "One After 909"はジョージからも演ろうと。

    ギターのペグから伸びた弦の先端に吸いかけのタバコを刺しておくとはクール!
    流石、ジョン。

    マイクが漏電している原因を探るスタッフとメンバーのシーン。
    始まったプロジェクト「テレビ・ショー」に向け楽しい雰囲気の頃。

    マルが作詞中の歌詞を手書きにメモしていたとは。
    それをタイプライターで清書して複数部印字してメンバーに配布していたのでしょうか。

    アルバム「Imagine」に収録されていた曲"Gimme Some Truth"がジョンのみではなくポールも協力して創作していたとは。

    ジョージが"All Things Must Pass"をお披露目し、バンドで演奏するシーンは海賊盤で白黒の画質は良くない映像があったような。
    ポールとジョージが曲に対しあれこれとアドヴァイスを。
    新曲は作った人以外も自分が作ったようになるまでモノにする必要がある。エリック・クラプトンのimprovisationが良いなどジョージが説くがポールはタバコをふかして心ここにあらずか。
    おまけに日中からビールに白ワインを依頼し飲めば、そりゃメンバー皆さん眠くもなります。

    アルバムはオーバーダビングはしないというコンセプト。

    1月6日(月) 映像は約18分


    機材、ジョージが所有する8トラックのレコーダーなどが搬入される。

    監督の「大勢の観客を前にしてやらないのか。」の問いに対し、ポールは「ノー」、ジョージは「ショーは中止にするべき」と振り出しに戻る。

    動くアレックスの映像。
    さてスタジオ建築は上手くいくのか。

    既に5人目のキーボード奏者が必要かもしれないとの会話。

    "Don't Let Me Down"の編曲でジョージやリンゴにイメージを伝えるポール。
    あれこれ試し始めあらぬ方向にいきかけるのをジョージが止めると、ポールから「なら意見を」とは。
    そして映画「レットイットビー」で観たポールとジョージの意見交換のシーン。
    映画という尺という制約で仕方がないが、長い会話を切り出せば誤解も招くその結果であろう。
    それにしても映画「ゲットバック」はファンが観たかった映像、知りたかったことが満載。ファン心を知るには自分がファンであることか。

    1月7日(火) 映像は約20分


    遅刻でジョンが不在の中、その場で創作し始めるポール。
    アイディアは持っていたとしてもジョージとリンゴを前にバイオリン・ベースでコード・ストロークしながら曲を組み立てていくポール。
    "Get Back"をポールがメンバーにお披露目している時、アクビをかみ殺すジョージ。
    でも今度は大きくアクビ。
    ミュージシャンもオフィスワーカーも変わらないですね。
    でも良い曲と感じたジョージとリンゴも徐々にその演奏に加わわりポールの創作意欲を高めていきます。
    これもファンも知りたい、ファンならば観たい映像。

    再びショーの議論。

    監督はスタジオや家でやるのは安易すぎ、やるならばビートルズだから壮大になるべき。
    そこに「決まっていることは海外ではやらない」とポールが答えれば、再び海外、リビアの遺跡サブラタ円形劇場を提案する監督。
    おまけに全米ツアーなどでその地の大使などが孤児や障害を持つ子供たちに勇気をと面会させられる体験をしたビートルズが嫌う孤児など慈善的内容にする案を持ち出したり。
    The Beatlesを混乱させメンバー間の嫌悪を招いた原因の一つ、ここまで醜い提案を通りこし主張し続けた監督マイケル・リンジー・ホッグだったとは。

    やりたくないならばやめれば良いというポールに流石はジョン、「コミュニケーションのため。最悪、アルバム制作のドキュメンタリーになる」とは。

    メンバーを仕切り過ぎという意識か意外に自分の意見を言わない、結局、堂々巡りさせている張本人はポールのように感じてしまう会話でした。
    音楽は一番ですが、テレビ番組「マジカルミステリーツアー」など音楽以外のことはドリーマーだったポール?



    1月8日(水) 映像は約21分


    "I Me Mine"をジョージがお披露目した際、手書きの歌詞を覗きこむポール。オレのこと? でも歌詞にアイディアを言うポール。
    ジョンにお披露目しているとロックンロールバンドだオレたちはと曲をギターを鳴らしながら歌うジョージの頭を小さな子供にするように二回ほどポンポンするジョン。流石です。

    新曲について向き合って会話するジョンとポールの姿。10代の若かりし頃からこのような二人の姿があったに違いない、思わず想像してしまいました。
    創作の神様に声をかける2人の姿はカメラへのサービスか。

    そしてショーの案をあれこれ語る監督。
    何処へ行くか良い案が見つからないならばここスタジオで良いというメンバーか。



    再び曲のリハーサル。
    何と"Maxwell's Silver Hammer"を演奏中、立てかけてあったジョージのレスポール「ルーシー」がトレイを巻き込みながら音を立てて横倒しに。
    流石はメンバーから好かれていない曲だから?
    ところで初日からジョージマーチンも出勤してますが居場所が無い感じ。
    前年のホワイトアルバムの頃からこんな感じだったのでしょうか。

    ジョンは演奏に加わる気が無く3人の演奏に合わせヨーコと踊るジョン。
    「ショーでも踊れば良い」というジョージに、監督は演出面から曲をそれを評価する発言をポールはうざそうな顔をされ、ジョンからは「黙れ。」

    監督の空から円形劇場を空撮する案にそのためだけに行きたくない、ここで出来るとリンゴ。ごもっとも。

    ここまで拒否されても海外、リビアの遺跡サブラタ円形劇場で行いたい監督。

    それにしても日程表では10日後に予定するコンサートに場所は国外?国内?、観客どうする?何てあぁだこぅだと会話する制作側とメンバー。
    それでは国外のあそこで有観客でやるとメンバーが言ったとしたら監督と制作側はどうしたのでしょうね。

    推測の結論は、

    「結局、誰も現実的なことはなぁにも考えていなかった。」
    特にこの監督はどうやるかは何も考えていなかったのではと思います。

    リンゴは海外には行きたくないと一貫しています。

    その中でジョージだけが一番、冷静、現実的に意見しています。
    予算は? 誰が用意出来るのか? マジカル・ミステリー・ツアーも回収出来ていないのに費用は回収出来るのか?





    1月9日(木) 映像は約28分


    1月10日(金) 映像は約27分


    ガムテープで巻かれた録音レコーダー用?マイクと映像用?マイクの間に吸いかけのタバコを挟むとはクール!
    流石、ポール。

    真冬の撮影スタジオで空調が効いているとはいえ着込む中、一人半袖でいるポール。

    マルがストップウォッチで演奏時間を測定。

    ニコンのカメラで撮影するリンダの姿。
    うん、綺麗です。

    ビートルズの決定版伝記「ザ・ビートルズ史」にあるようにジョージ、一言、顔つきに目つき、きっつくケンカっ早い反骨精神が一番かも。
    やってられるかで終わり。

    1969年1月10日、Georgeが去った日の終わりで3人だけでお互いの身体に手を添えて語りあう3人。
    Part2が楽しみです。


    back to 目次に戻る




    【2021年11月26日(金) 鑑賞 パート2(1月13日(月)から25日(土))173分 Twickenham AND Apple Studio】


    歴史を知っているからこの映画は面白いのかも。
    逆に歴史を知らないと退屈でつまらない映画かも。
     

    内部の打ち合わせを撮影しているなんて他には後にも先にも無いのでは!?
    前半はそれは厳しい辛い映像。
    これもビートルズの凄いところかも。

    1月13日(月)から1月14日(火) 映像は約36分


    解散とその発表をどうするかの話しをするポールは間違いなく混乱し、体が小刻みに揺れ、目には涙?
    その横に座るリンゴは泣いて涙がこぼれないよう上を見つめる姿まで。


    海賊盤の音だけでは決してわからない光景。

    花瓶の隠しマイクに録られたジョンとポールの二人だけの会話。

    歴史、事実は知りたいけど流石に辛い内容です。

    そのような状況だけど3人のビートルズで、"Get Back"を二人で創作する光景、これは凄い。

    それにしてもポールとリンゴ、特にポールが映る時間が長いと感じるのは気のせい?
    アンソロジーでは4人が映る時間が同じになるように編集されていたと記憶します。
    その分、他の日はジョンとジョージが映る時間が長く全体としてはほぼ同じになるのでしょうか。

    このような状況なのに客車のセットが搬入されるとは。

    そして三人と取り巻きのとりとめの無い会話。
    そして方向性の変更。

    ジョンのエピフォンを逆に持ち弾くポールの後ろ姿。

    1月15日(水) 映像は約1分


    ジョージの家。ミーティング。

    1月16日(木)〜1月19日(日) 映像は約3分


    映画スタジオから機材を撤収する模様。
    アップルスタジオの設営。
    アップルスタジオで一人ビアノで弾き語りしスタジオの音響をチェックするポール。

    1月20日(月) 映像は映像は約15秒


    映画「レットイットビー」でも映る出勤するメンバー。
    リハーサル。

    1月21日(火) 映像は約15秒


    ビアノの調律する周りで談笑するメンバー。
    マジックアレックスの作品を品評しながら談笑。

    ジョージマーチンがここまで参加していたとは。

    それにしても凄い反響音。
    ダメダメだったアップルスタジオの建て直し。
    やはり演奏している姿が一番。

    1月22日(水) 映像は約21分


    グリンからギターの低音を下げてと言われた時のジョンの顔といったら。
    テープ交換で演奏を待たされる時のジョンの顔といったら。

    ビリーが到着し演奏に参加してから演奏は一転。

    テープを巻き戻し録り直すかきくグリンに対し残していくのが当たり前のビートルズ。

    最後に静止画だけどアランクレインの登場!

    ビートルズの解散の原因は金銭問題。その問題を解決するためにビートルズを訴えたポール。
    その前に思いつきの一人で脱退を発表してしまったポール。

    歴史を知っているからこの映画は面白いのかも。
    逆に歴史を知らないと退屈でつまらない映画かも。

    1月23日(木)  映像は約20分


    メンバーが登場するまでジョンとポールとビリーをバックにヨーコの世界。
    正直、ヨーコにはビートルズの音楽活動に混ざらないで欲しかったと改めて思ってしまいます。

    "Get Back"の編曲。
    やはりこういうシーンを観ていたいものです。

    1月24日(金) 映像は約17分


    音質の課題解決にグリンからの要望でポールがベースを持ち替え。
    リッケンのベースを弾いている映像!

    ビリーがいないのでアコギ曲を中心に。
    登場したパティも綺麗です。

    1月25日(土) 映像は約35分


    インドの貴重な映像の数々。
    滞在したインドやマハリシをネタにすると一人、不快、不愉快な顔になるジョージ。

    インドの思い出、シンシア、パティ、 ジェーンが美しいです。

    今日もビリーが不在でアコギな曲。

    "For You Blue"でジョージが求める汚い音を出すためグランドビアノ内の弦に新聞紙をはさみこむシーンなど興味深いです。

    16ミリのフィルムを35ミリにブローアップして画質がおちた映画レットイットビーもこの時に妥協。

    屋上を視察するポールとリンゴ。

    "Let It Be"。
    イントロ有りが良いとジョージがポールに意見するところなどバンド。
    やはりこういうシーンを観ていたいものです。


    back to 目次に戻る




    【2021年11月27日(土) 鑑賞 パート3(1969年 1月27日から31日)138分 Apple Studio】


    あぁあ終わってしまいました。
     

    締め切りは大事。
    締め切りまで時間が無い、その限られた時間の中での集中、火事場の馬鹿力にビートルズ。
    それが1967年に締め切りが無いに等しくなり、1968年は無くなった結果、ダラダラ繰り返し演奏される曲が続くことに嫌気がさしたスタッフたち。
    そしてメンバー間の衝突
    それらが締め切りとビリープレストンにより一気に解決

    観れば観るほどグリン版アルバム「ゲットバック」のグリン・ジョンズの選曲とそのテイク選択に疑問しか残らないです。
    もしアップルスタジオに場所を移した時からジョージ・マーチンがプロデューサーになっていたのなら。
    なんて思うのは野暮ですね。

    それにしても3部作 約7時間45分では物足りないです。
    あと2部作足して計5部作かと思います。

    1月26日(日) 映像は約20分


    映画「レットイットビー」で数少ない微笑ましいシーンの"Octopus The Garden"

    子供って大概のことは受容されるから良いけど、仕事にならないかも。
    ヨーコの雄叫び。それを物珍しそうに見るリンダの連れ子ヘザー。
    ヘザー、ヨーコの真似。
    大人は変な姿を子供に見せてはいけません?

    あら、椅子に寝かされたリッケン・ベースのペイントが剥がされています。

    なかなかグリン、ビートルズが演奏し始まると口走りその演奏を止めてくれるものです。

    "The Long And Widing Road"の編曲を打ち合わせしている時、無邪気なヘザーは「結婚する」と。すかさずリンダがヘザーに指でやめなさい、言っちゃダメ。

    1月27日(月) 映像は約26分


    ここだけではありませんがカレンダーは変わっても演奏と映像は前日の内容から始まっています。

    "Old Brown Shoe"、このジャムは凄い!
    ジョージのビアノにポールがブラシでドラムを奏で出し、最後はリンゴのドラム、ポールがジョージのテレキャス、ビリーが6弦ベースで。

    出勤してきたジョンがスタジオの入り口で機材の搬入していたスタッフを手助けながら入ってきます。
    当たり前ですがジョンも普通の人です。

    ここで信じられない目を疑う光景が。
    何と制作側スタッフ達がメンバーの楽器で演奏しているではありませんか。
    有り得ないです。
    でも機材と音響チェックのためと思えばよくある話し。
    ただ従来のEMIスタジオとそこでのスタッフだったならば無い光景だったように気がします。

    完成度の高い"Get Back"など曲の演奏を終えるとセッション風アレンジに走るビートルズ。
    確かにその場にいると「何回やれば、いつまでやるのか」とイラッとくるかも。


    1月28日(火) 映像は約15分


    "Something"のお披露目。
    そして"Love Me Do"。

    何の会合なのか離席し

    ポールが不在の中、ジョージとリンゴにアランクレインの良さを吹き込むジョン。
    解散への扉を開けた瞬間

    か。

    ”Old Brown Shoe"、ビリーがジョージに代わりビアノを弾いて、ジョージは歌に専念。

    残念なのはビリーのデモが無かったことかも。

    それにしてもあのポータブルラジオみたいな大きさの液晶に表示されている鍵盤を電子ペンでなぞると電子音を奏でられる電子楽器は?

    ポールも戻りセッションの再開。

    そして帰り支度する時、ジョンがアランクレインの名を口にした時のポールの顔には嫌悪感が。
    さらに立ち去ろうとするジョージがマイクスタンドを謝って倒してしまうのは偶然としても、この倒れたマイクスタンドがこの先、ビートルズに起こったことを予兆しているのでしょうか。

    1月29日(水) 映像は約21分


    ポール抜きでアランクレインのことを話すメンバー三人とグレンたち。

    意外にも

    屋上での演奏に異議を唱え続けていたのはポールだった

    とは。
    長い長い討論。
    ポールはメンバー、ジョンに語りながら全て自身に戻ってくることを訴えている感じ。
    やっても良いかなのジョンとジョージに、やりたいというリンゴの一言が一気にやる方向に。
    そして選曲。

    お昼休みにジョージがジョンにソロアルバムを作りたい気持ちを伝える。
    不満のはけ口?と返すジョン。
    そのジョージの気持ちを茶化すようにバンドで「私には夢がある」と歌う"I Want You"。

    そして”Two Of Us"をふざけて歌うジョンとポール。
    これも二人のジョージへの当て付けでしょうか。

    帰り際、ヨーコが「明日、どうするの?」に対しポールが「さぁね?」と言った時のヨーコの冷淡な顔といったら。
    すかさず「やるよ」とポールが言っても笑えないという空気が痛いです。

    1月30日(木) 映像は約48分


    そりゃ朝から何かやってれば周りも気付きますよね。
    周りのビルから見る人達。羨ましい。
    そして屋上に表れたメンバーと会話。

    "Get Back"の第1の前に最終チェックで最後の部分から演奏。
    その後、"Get Back"の第1バージョン、そして第2バージョン。
    画面を二分割、三分割、四分割して複数のカメラの映像を同時に写すところが嬉しいです。
    屋上で前から後ろから、向かいのビルから、屋上から見える街並み、地上の街角、そしてビルの中の映像が同時進行するように上手く編集されています。

    ”Don't Let Me Down"。
    メンバーが演奏を楽しんでいます。
    そして地上には既に警官二人が登場。

    ”I've Got A Feeling"でビルの中に入り1階の受付で待たされる警察官。

    周りのビルの聴衆に喜びを隠せないボール。
    やはり特にポールには観客が必要です。
    地上の様子を覗きに見下ろすジョン、ジョージ、リンゴ。

    ”One After 909"。

    1階の受付の電話を借り署に電話する警官。
    ようやくマルが降りてきて警官と会話。
    その時、次に演奏する”Dig A Pony"を手短にリハーサルする音が聞こえてきます。
    "Dig A Pony"
    エンディングのリフをしくじり舌を出すジョン。

    "God Save The Queen"はほんの少しだけ。
    近隣のビルに掲げられた国旗が映ります。

    "Ive Got A Feeling"の第2バージョン。
    ここで1階の受付前で待たされていた警官が屋上に案内されたよう。

    ジョンとポールが曲順を間違え"Get Back"を始めるがジョージに指摘されて中断。
    そして"Don't Let Me Down" 第2ヴァージョンを始める頃、警官が屋上に到着。

    これが最後の曲とマルが警官に説明か。

    しかし”Get Back"の演奏をビートルズが始めてしまい話が違うと警官に言われたマルがギターのアンプの電源を切るのでした。
    おまけに向かいのビルの所有者か向かいのビルの屋上で撮影していると苦情を言いにビルの中に入ってくるとは。

    演奏が終わりビルから出てきた警官は道路で立ち止まり聞き入る市民を交通整理。

    屋上から階下に降りてくるメンバー。
    この時、ビルの中には星加ルミ子嬢がいたはずですが残念ながら登場せず。

    1月31日(金) 映像は約7分


    もうPart3も終わりに近づきエンディングロールで"Two Of Us"、"The Long And Widing Road"、"Let It Be#を断片的に。


    back to 目次に戻る




    2021年11月28日(日) 映画「The Beatles : Get Back」を観た後、映画「レットイットビー」を観直した感想


    映画「ゲットバック」を鑑賞してから映画「レットイットビー」も観たのですが悪くないです。
     

    私は好きな映画です。
    でも確かに暗いです。
    しかし屋上での演奏でメンバーが時々顔を合わせ微笑みあうところ。
    スタジオでも笑いがありリハーサルする光景、レコーディングする光景、屋上でライヴ演奏する光景に何度観てもわくわくする映画です。

    映画「ビートルズがやってくるヤー!ヤー!ヤー!」や映画「ヘルプ」は演奏シーンを除き何度も頻繁に繰り返し観ることは出来ません。
    でも映画「レットイットビー」は何度も繰り返し観ることが出来ます。
    それは一重に演奏しているからですが。
    しかし全体として暗く重く陰湿な印象が残ってしまうあの感じ。

    その理由を改めて考えると、映画「レットイットビー」が暗い印象を残したのは、テレビ用の16ミリを35ミリしたため画質が悪いこと。
    オープニングのポールが弾くピアノの曲が明るくないこと。
    他の二作と違い演技していないこと。
    感情が無いような表情をしているオノヨーコが映っていること。
    あのポールとジョージの会話。

    そして一番の原因は伝記や評論など様々な文字情報が後追いの私に暗い印象を植え付けたと思います。

    何故、会話の中からあのポールとジョージの会話の部分だけを抽出し映画に挿入したその狙いは何だったのでしょうか。
    曲の構成について討論しているところでも良かったと思います。

    監督マイケル・リンジー・ホッグに編集に関しメンバーからは一任された、悪く言えば放り投げられ、海外でやる案を却下された腹立たしい気持ちが根底にある中、編集したからでしょうか。
    それともあの会話がこのセッションを端的に表していると判断され編集したのでしょうか。

    どなたか機会がありましたら質問し、その答えを雑誌かネットにアップして頂けると幸いです。

    10日後のコンサートに向け機材を運び設営し、イギリスから観客も連れていく案。
    船旅でやる案。
    観客はマジカルミステリーツアーみたいに役者を雇うことになるのでしょうか。
    楽器やアンプなど機材を移動するならばその搬入・移動・搬入・設営に要する期間はもうリハーサルも出来ません。
    その費用は?回収出来るのか。
    唯一、冷静なジョージ。
    仲介しようとするポールと口論となり、気まぐれなジョンとも口論となり、付き合いきれないと辞めたと思います。

    でも過去の歴史を知った上で8時間弱の映像を観て一連の経緯がわかること。

    現在進行の真っ只中、映画という約90分の長さの中で、何も知らない観客がわかる内容にするのは難しかったと思います。

    アップルスタジオや屋上での演奏ではメンバー時々良い顔で写っています。

    だからあのポールとジョージの会話を入れたことが残念でなりません。

    約90分という長さの映画「レットイットビー」。鑑賞するには丁度良い長さです。
    出来るならば公式に販売して欲しいものです。


  • back to 目次に戻る




    2021年12月 4日(土) 興奮の嵐が過ぎ去った後の映画「The Beatles : Get Back」の感想


    良い映画でした。

    1974年12月に出版されたビートルズ事典。私も中学生だった1975年に買ってもらい、何度も何度も読み返しました。
    まだ聴いたこともない沢山のレコード。そこに記載されるジャケットの白黒写真と解説文からその音を想像しながら何度も読みなおした頃を思い出しました。
    あれから47年の時が流れました。

    ビートルズとしては2016年に公開された映画「Eight Days A Week - The Touring Years」
    以来の良い映画でした。

    何度目かの鑑賞では映画「Get Back」を床に「全記録」、「レコーディング・セッションズ」、「ゲットバック・ネイキッド」を並べて膝にはDS&RSさんの本
    の頁をめくりながら。

    1967年に締め切りが無いに等しくなり、1968年は無くなった結果、ダラダラ繰り返し演奏される曲が続くことに嫌気がさしたスタッフたち。
    そしてメンバー間の衝突。
    それらが締め切りとビリープレストンにより一気に解決。
    ビリー・プレストンの参加は本当に大きかったと改めて思います。

    言い合いばかりしていたビートルズがそれだけではなかったビートルズ。
    この映画で時には言い合いもするビートルズとイメージが一変したと思います。
    このセッションでの会話は藤本国彦氏の書籍「ゲット・バック・ネイキッド」
     

    に克明に記載されています。
    この映画の良かったのはこのセッションをどうするか。最後のライヴをどうするか。
    それらの

    会話に本当はジョンに代わり?オノ・ヨーコが意見していたシーンがバッサリとカットされていたこと。
    極力、上手いこと出てこないように編集されていた

    ように思いました。
    リンダと談笑するヨーコの姿を映し意外性を思わせたところ。
    でもやはりオノ・ヨーコだよねと思わせるシーンが3か所ほどだけ。それ以外のシーンはオノ・ヨーコが映っていてもスタッフの中の一人のように見えました。
    これがこの映画が評価を得た、当時のビートルズのイメージを一変させたと思う理由の一つ、大きな一つだとも私は思いました。

    屋上でのライヴ・レコーディングを前日はポールが拒絶した映像はありました。
    ところが当日、30分ほど前、ジョージとリンゴが拒む姿勢を見せた時、説得したのはポールで、やると号令をかけたジョンという状況だったようですが、そのシーンは映像にありませんでした。
    その辺りも上手く編集され良いビートルズ像が描けていたような気がします。

    この1969年1月のGet Back Sessionの後、同年7月からはAbbey Road Sessionnが始まっています。
     

    でも実態はやはりジェフ・エメリックの本「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」に書かれている1969年のアルバム「Abbey Rod」のレコーディング風景だったと私は思っています。
     

    1月28日(火) 何の会合なのか離席し

    ポールが不在の中、ジョージとリンゴにアランクレインの良さを吹き込むジョン。
    解散への扉を開けた瞬間


    もしミック・ジャガーがジョンに「あいつはクソだ」と言っていたら。
    アランクレインからビートルズの楽曲の権利を守る手段としてポールがビートルズとアップルの解散を法廷に訴えることになるとは。
    あの時、ポールが訴訟を起こさなければ1995年にANthologyも

    株式会社 旺文社が昭和48年1973年に発行した国語辞典によると

    真実とは、ほんとうのこと。
    事実とは、ほんとうのこと。ほんとうにあったこと。

    真実は100人いたら100通りあるが、事実は1つというドラマがありました。
    真実は事実を各人がその事をどう考えたかという感じでしょうか。
    私も真実も知りたいのですが、それ以上に事実が知りたいです。
     

    何度も読み返す本の数々。
    嬉しい本が数多く嬉しいです。

    それにしても床などに無造作に置かれたモノ、時おり手にしているモノ、それらが当時、メンバーが興味を持っていた、注目されていた数々のモノなのでしょうね。
    そのうち本屋さんにムック本など並ぶと思いますが、どのような発見が記載されているのか楽しみです。


    back to 目次に戻る




    2022年 2月 9日(水) 映画「【IMAX】ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート」鑑賞の感想


    「もしかしたら・・・」
    「でもやはり・・・」
    という気持ちで観てきました。
    結果は残念ながら「でもやはり・・・」の予想通りの内容だったとは。

    パート1(1月2日から7日セッション)157分 Twickenhamの冒頭10分間。
    1956年のリヴァプールから1968年の"Hey Jude"までのビートルズの半生。
    そしてパート3(1969年 1月27日から31日)138分 Apple Studioの1969年1月30日に繋げ50分間。
    そのままパート3(1969年 1月27日から31日)138分 Apple Studioの翌1月31日のエンディングロールに繋げて7分間。
    計67分間という内容でした。

    1969年1月30日の模様は、
  • 街中の聴衆、特にインタビューの音声は被らない、ライヴ・レコーディングの音声と屋上の音声のみであること。
  • 1階受付での警官とのやり取りの音声は被らない、ライヴ・レコーディングの音声と屋上の音声のみであること。
  • 屋上にいる一人が屋上をあちらこちらに移動し、その一人の視線のような映像であること。
    という淡い期待をしていました。

    でもその内容は残念ながら「でもやはり・・・」の予想通りの内容でした。

    しかし初体験、IMAX!

    スクリーンが大きいです!
    音が迫ってきます!
    そしてビートルズが演奏。
    最高です。

    屋上でライヴ・レコーディングした音源を聴くメンバーとスタッフ達。
    ノリノリです。
    そのスタッフの中にはもちろんGlyn Johnsもいます。
    映画を鑑賞しながら改めてGlyn Johnsはメンバーから拒否されたあのアルバム「Get Back」の内容にしてしまったのか考えてしまいました。
    でもLed Zeppelinの1st Albumのようにセルフ・プロデュースが出来るJimmy Pageは居なかったし、George Martinは遠慮したか遠巻きにしていたのか。
    そういう結果でしかないアルバム「Get Back」の内容だと改めて思ってしまいました。

    お土産はミニポスター(雑誌プレーヤー誌と大きさ比べ)

    うん、かっこいい!
    もし私が中学生だったら下敷きに入れて授業中、うっとり眺め続けることでしょう。
    うん、間違いない。


  • back to 目次に戻る