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ベンチャー企業の経営管理

平成11年3月24日に開催された東京総研株式会社主催
「第20回 未公開株式研究会 テーマ:ベンチャー企業の経理の仕組み・作り方」
の講演録です。

U-7 コンピュータ導入の遅れ
 1番目の事例もコンピューター慣れしなかった会社でしたが、この場合は店頭登録完了していて、かつ台湾に生産子会社があり、その生産子会社の商品を売るために台湾支店があり、アメリカに販売子会社があるというところまで伸びていました。
 しかし、さすがに海外展開までするとしんどくなってきて、なんとかしないといけないんじゃないですかと言っていましたが、これこれのスペックでこう組めば、これくらいの予算でこれだけの効果が出るでしょうというところまでまとめる経営管理者がいなかったんですね。決算短信に出すのがもう2ヶ月ギリギリの前の晩で、我々がチェックしに行く。当時、連結の短信は3ヶ月目でよかったわけですから、まず何はともあれ単体を固めて、3ヶ月目の頭で台湾へ出張し、生産子会社のほうを固めて連結組んで、連結短信出して。と同時に、有報も組まなければというドタバタの体制で、これではよくないという話はしていましたが、会社側で受けとめてくれる人がいないんです。経営管理者不在の体制。  オーナー経営者は、お金にルーズだと会社は伸びないこともあって、基本的にお金に厳しい人が多いですから、きちんとした提案がない限り、コンピューターの導入はしません。たまたま新任部長が入り、その人がプログラム組めるという人だったので組んでくれまして、半年はバグに苦しみながらで苦労しつつ導入はできましたが、財務会計システム全般についてはまだ後回しということですから、その時点でも伝票回避がずっと続いていました。そのうちにM&Aされてしまい簡単に交代して、我々のほうから手が離れてしまいました。
 やはり、50〜60代の方ですと手書きの会計で育った方なので、何かのきっかけでコンピューターに触れる機会がないと、コンピューターはわからないから俺が部長でいる間はとりあえず勘弁してもらおうかという感じで後回しになってしまうのかなと思います。世代が代わってきているので、これからは大丈夫かと思いますが、システムマネーも含め、ファイリングのような経理マンとしての基礎ができていない経理マンが今、続々と増えています。コンピューターというのは入れてしまうと貸借合いますので、とりあえず入ってしまいますが、支出の内容がわからないからといって、とりあえず預金合わせるだけに仮払勘定を使う。しかし、伝票切る段階でわからないものは決算の時になったらもっとわからないです。会社の人がわからないものを我々が監査したってかわるわけないんです。このようなことが続きますと、どうにもならなくなってしまうということです。

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