【障害とは何か?:031018】
障害とは何か。
この問題は考えて、一端答えを出しても、また振り出しに戻ってばかりです。体のどこかが不自由なので、生きてゆくのに困る状態というのが普通でしょうか。病人も普通には生きてゆけないのですが、固定された症状ではなく、まだ治療の余地 があるというだけのことのようです。一般に語られるとき、機能的障害と、社会的障害という言い方をされます。機能的障害、これは本人の体に不自由な面があり、いわゆる生体機能に問題がある場 合。社会的障害、これは社会に問題があり、社会の設備や意識が変われば、普通に生活が できて、何の支障もないもの。身近な例としては、つねに眼鏡や補聴器があげられま す。この二つに分けて、社会的障害の方は、バリアフリーや、ユニバーサルデザインが普 及すれば、障害の範囲がかぎりなく小さくなってゆくものです。すると残りの多くは、機能的障害ということになります。しかし、機能的障害というものも、医学的には、奇形率は5%未満ということだった らしい。けれど、劣化ウラン被曝などによって、奇形率は容易に数倍にも跳ね上がるし、損傷 にいたっては、高齢化を考えると、ますます増えてゆくことでしょう。
けっして、マイノリティーとしての比率の問題でもないし、「政府が定めた基準で認 定されたもの」というものでもないと思われます。たとえば、現在の認定からすると、認定の必要な人が50%を超えた場合、いとも簡 単に認定基準を厳しくされることが予想されるからです。性同一性障害の集会に参加したとき、ある人から、「なぜ自分たちのことに障害とい う名称をもちいるのですか、ただの状態ということでは駄目なのでしょうか」という 質問がでました。私は、頭を殴られたような気がしました。通常ではない状態なので、明らかに障害と思い込んでいたのです。当事者の答えは「障害とか、病気という言葉を使って認知されないと、医療や、仕 事の面で、理解が得られない。よって、経済的な戦略もある」とのことでした。「認知されないと困る」。そうでした。認知されないと困ることがおきるのです。それは、もう機能的ではなく、社会的障害の範囲になってしまいます。そうすると、障害とは、「自分が認知されないと困る部分」というだけのことになってきます。
介護を受けながら仕事をする。介護を受けながら他者の介護をする。画一的な生き方にノーを唱える、こういう価値観に社会の合意が得られれば、またま た認知して欲しい部分も少なくなることでしょう。
私には、今回も答えが得られませんでした。
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