裏話6−

裏話5の話を書いていたら、この話を思い出しました。
悲しい結末です(笑)。


シンは高校時代に、付き合っていた彼女がいた。
高校2年の夏から付き合い始めたが、付き合っている最中に
裏話1に書いたことが起こり、彼女が楽しみにしていた車の免許も1年間取ることができなくなってしまったし
裏話2に書いたことも起こり、彼女の親ともいろいろあって、辛い思いを沢山させてしまった。
それ以来この彼女に頭が上がらなかった(^^;。
そんな関係の2人に発生した事件です(笑)。

シンは元々バイクで学校に通っていたが(校則違反です(^^ゞ)
裏話1で免許取消になったため、自転車通学を余儀なくされていた。
しかし、バイク通学に慣れてしまったせいか、自転車通学だといつも遅刻。

ただでさえ裏話2の問題があるのに、これ以上生活態度が悪いと
「自主退学もあり得る」(教頭先生談)ということだった。

そんなシンを見かねて、彼女から提案があった。
「これから毎日一緒に学校まで行くから、私のこと迎えにきてよ。
そのかわり、絶対遅刻しないでよ。私、シンが来るまでずーっと待ってるから。
もし、シンが遅刻したら私まで遅刻になっちゃうんだからね。解ったの!?」
彼女は、彼女自身も遅刻するという制約をシンに与えることで
シンが遅刻しなくなるであろうと思ったわけだ。
半分怒り口調で言われて、シンは渋々承諾した。

次の日から、一緒に自転車通学をする事になった。
ハタから見たら、カップルで楽しい自転車通学。
でも実体は、遅刻をしないようにと、彼女がシンを監視するためのものだった(笑)。

シンはそれから毎日、早起きをするために頑張った。
しかしそれでも、1週間に1度ぐらいは遅刻をしてしまっていた。
1分でも遅刻しようものなら、彼女はムッとして、遅刻した日は一切会話を許されなかった(^^;。
『まずいなぁ』と思いながらも、毎日遅刻をしないように頑張っていた。

ある朝、目が覚めると既にギリギリの時間になっていた。
『こりゃまずい!』と布団から飛び起きると
彼女に作ってもらった巾着袋(懐かしい(^^;)に
ウォークマン、カセット、ブラシ、ムースなどを詰め込んで(勉強に関係ないものばかり(^^;)
髪のセットや歯磨きなんかろくにせず家を飛び出していった。

シンの家から彼女の家まで、自転車で普通に漕いで20分かかる。(学校まではさらに15分ぐらい)
しかし待ち合わせの時間まで、もう15分ぐらいしかない!
もう、ちょ〜ダッシュ!
信号とか車道とか踏切とかは関係無し!
信号無視当たり前、車にクラクションをならされても車道を爆走
踏切が鳴っていたって、遮断機をくぐって通っていく。
とにかく、一番速く行ける場所を通りながら、全速力!



幾多の困難を乗り越え、あと彼女の家まで100mという所まで来て
腕時計を眺めるとあと30秒。
『何とか間に合ったなぁ』と思いつつも最後の追い込みをかけた。
あと50m『そこの交差点を越えて、カーブを曲がれば彼女が待っているはずだ』と思い
十字路にさしかかった瞬間・・・!!
「キィィィィィィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ドン、ガシャン!!!」

・・・そう、交差点の出会い頭に、自動車に跳ね飛ばされてしまったのだ。
事故が起こった瞬間、何が起こったか分からなかったが
自動車からオヤジが血相変えて飛び出してきて
「だっ、だいじょうぶですか!?」と声をかけてきた。
ここで車に跳ねられたことに気付いた。

ふと周りを見渡してみると、自分はゴミの山の上に乗っている。
そう、たまたまこの交差点のカドがゴミの集積所で
この日はゴミの収集日だったらしく、ゴミがたくさん積み上がっていた。
このゴミがクッションになったようで、助かったが
もし、この山が無かったり粗大ゴミ回収日だったり(笑)したら・・・
もしかしたら打ち所が悪くて死んでたかもしれない。

で、車に跳ねられたという事実がわかると、急に足が痛くなってきた。
しかしその後、脳裏によぎったのは・・・
『やべぇ、こんなことしている場合じゃない。待ち合わせに遅刻しちゃうじゃんかよ・・・』

シン:「いや、足が痛いけど大丈夫です、自転車は・・・とりあえず動くみたいだし」
オヤジ:「でも、頭を打ってたりするとまずいから、とりあえず救急車を呼びましょう」
シン:「いや、俺めっちゃくちゃ急いでるんで、ホント大丈夫っすよ」
オヤジ:「でも、その後問題になったりして、ひき逃げみたいな扱いになっても困るし・・・」
シン:「いや、俺気にしないから・・・ってもう急いでるからホントいいよ」
オヤジ:「でも・・・」
シン:「うるせ〜! いいって言ってるだろ!」

本当は、病院に連れて行ってもらおうかとも思ったが
彼女に怒られる・・・というよりは、彼女も遅刻してしまうので
このまま話してたら長引いてしまうと思い、こういう決断をしてしまった。

今考えれば、彼女の所まで50mほどしかないので
彼女にこのことを伝えてから、救急車を呼ぶなり、病院に連れて行ってもらえば良かった(^^;

シンは自転車を起こして、そのまま押して待ち合わせ場所に行った。

カーブを曲がると、そこに彼女が待っていた。
時計を見ると、既に5分ほど過ぎている。
彼女の顔を見ると、怒っているのがよ〜くわかる。
彼女:「・・・今日はなんで遅刻したの?(-_-メ)」
シン:「いや、実は今日ホントはギリギリで間に合ったんだけど
そこの交差点で車に跳ね飛ばされちゃって・・・」
彼女:「はぁ〜? 遅刻しておいてそんなくだらない事しか言えないの?」
シン:「いや、マジだよ! ここで待ってたんだったら、事故の音ぐらい聞こえただろ?」
彼女:「そんなの全然聞こえませんでした。だって事故なんてだもん。」
シン:「ホントだよ。ほら、自転車のカゴもこんなに曲がってるじゃん」
彼女:「そんなの前からでしょ!」

結局、彼女は事故った話をまったく信用せず、そのまま会話も無いまま学校に着いた。
自転車置場に自転車を置き、自転車から降りようとしたとき
足が痛くて、まともに足を地面に付けられないことに気付いた。
シン:「ちょっと足が痛くて、歩けねぇよ」
彼女:「また遅刻したっていうのに、そんな演技なんてしてる暇ないんだからね!(-_-メ)」
シン:「いや本当に・・・」
と言いながら、靴下を脱いでみると・・・
左の足首が内出血しているらしく変色していて、パンパンに腫れている。
彼女:「え!? どうしたのそれ!?」
シン:「だから事故ったって、さっきから言ってるじゃん!」
彼女:「だって、だと思ったから・・・」
シン:「だから、じゃあないって!凸(-_-メ) とりあえず医務室まで肩貸してくれよ」
彼女:「解ったわよ」

ここで、やっとシンが事故ったことを信じたらしく、悪いと思ったのか彼女から謝ってきた。(当たり前)
ところが・・・

彼女:「シンごめんね、信じてあげなくって・・・」
シン:「まったくだよ!凸(-_-メ) 何度も事故ったって話してるのに!・・・
・・・あっ!? チョット待って!」
彼女:「何? どうしたの?」
シン:「お前にもらった巾着袋が無い!」
彼女:「家に忘れてきたんじゃないの?」
シン:「いや、そういえばさっき事故ったとき、巾着袋が転がっているのを見た気がする・・・」
彼女:「何やってんの!?(-_-メ) はやく拾いに行ってきなさいよ!
なくしたら承知しないからね!」
と、立場逆転の安堵もつかの間、またまた形成逆転(笑)。
シンの腫れた足なんてお構いなく、拾いに行けと言われてしまった。

結局この後、探しには行ったものの、巾着袋は見つからなかった。
シンを助けてくれたゴミの山は、既に収集されてしまっていたので
巾着袋もゴミと間違われて、それらと一緒に収集されてしまったんだろう(T-T)。

巾着袋を無くしたことで、またまた彼女は怒ってしまった。
結局その後、この彼女とは終了。(原因は別だけど(^^;)

ちなみに、足は2週間程度で完治したが
自転車はフレームもゆがんでいたため、廃車になってしまった(T-T)。

裏話5のオチと同じように、本当の事を言っても信じてもらえないなんて・・・
シンは信用のおけない人なんでしょうか?(笑)
まぁ、日頃の行いが悪いって噂もあるが・・・(爆)


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