Evangelion Genesis y:x 更新日誌(2001 年 11 月)

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11 月 30 日。
4 通「も」だと思っていたウイルス添付のメール。すでに数える気にもならんほど一杯 -_-;;
これも spam check をサボっていた罪なのか ... ってことで Debian 移行後はじめて設定した。 いや、だってふつー無意味だから。SPAM 受け取るのも、SPAM を REJECT した旨を受け取るのも一緒やもん。

したら、ぜんぜん reject してくれない。 (Debian 付属の postfix の) postconf は pcre サポートを宣うくせに、実際にはサポートしてねーでやんの(← かなりすねてるらしい)。


11 月 28 日。
某ウイルスというかワームというか ... が、この 2 日で 4 通も舞い込んだ。 かなりの猛威をふるってるということだと思うが、世の中だいじょうぶか? (てゆーか、地元もちと心配だが)

というごく正常な思考のほかに、これに乗じていろいろ出来るなあと邪心が ... これだけ密度が高いと適当に passive sonar 置いて、 地元にたどり着いたワーム拾ってるだけでもかなりいろんなことがわかるから。 発信源(中継サイト)、バレバレなんだもん。

Clie T の発売前にっつうことで Palm で動く言語を調べた。 OS の I/F がヘタレすぎてて C/C++ は使う気があんまりなかった。 こちらとしては Dataslim2 よりマシなら良いんで、OS の本質的なヘタレは下位層に隠していただいて、 うわっつらだけなでるつもりで高水準言語の幾つかを当たった ──

... さすがだ。まったく使いモンにならん。
実装水準としては lisp, Smalltalk がそこそこで、 floating point, GUI はある。というか、それ位しかないが。 この二つはあとは GC の出来次第かなぁ (つーか、palm 用 GC ライブラリのまともなのが欲しい。Boehm さん家の動かないし)。
11 月 26 日。
感想月となりつつあるついでのアニメ散見。

『雪使いシュガー』
ほぼ今期トップの座を確定した。 話の密度、展開、絵、音楽とも不満なき水準。 ここ数回の人と季節使いの対話の一方方向性をきっちり守った緊張感がとても良い。

物語をブチ壊しにしかねないほど一時的に長老が煩かったのだが、彼もあるべき位置についた。 ... が、CV やってる立木文彦氏、これほど演技に失敗してる役というのも貴重かもしれん。 長老の笑い声ひとつとっても、なんか声優本人の照れが透けて聞こえる。 ガラにもなく無理に子供につきあってやってるご隠居という作り声になってんだが .... いや、もちろん長老の立場的にそれはそれで非常に正しいのだけれど、 「長老が演技している」ように聞こえるならともかく、 「立木文彦が演技している」ように聞こえちゃあかんだろう。
聞いてるこちらがゲンドウ@エヴァのイメージを残してしまってるから なおさら印象が強調されている面もある (ゲンドウが幼いシンジをあやしてるシーンを思い浮かべてみよう) のだけれど、 けっしてそれだけではないはずだ、と思う。

『ヘルシング』
イマイチ何が描きたいのか分からんのだが、その素晴しい力押しだけで着実に浮上中。
アンデルセン神父、とても人間とは思えんのだが、人間でないなら人間でないなりに もうちょっと強くないと前の回のなんとかっつう兄弟相手にアーカードが失望したのと 対比にならんのでないかい。逆に「化け物を倒せるのは人間だけだ」のセリフを活かすつもりなら、 撤退ん時にでも、もすこし狡知を働かせてくれい。しっぽまいて逃げたようにしか見えん。 あれでは何度やってもアーカードには勝てまい。 このあたりの描写というか脚本屋のスタンスみたいなもんが中途半端で、それがちょっと気に障ったかも。

『フルーツバスケット』
杞紗、おまえ喋るな。喋らずにそこにじっと座ってろ。 学校でいじめられてるはずの人間にここまで張りのない声で喋られると話の本筋どころでない。 しかもこのレベルだと、彼女は本筋(透の病気とか燈路の件とか)に口挟む権利もないぞ。

『ナジカ電撃作戦』
なんかえらいレベル高い展開なんですけど。これ、絵ぇむしろ邪魔かもしれん。

『スクライド』
急激にやる気をなくしつつあるらしい脚本 ... カッコ良さは変わらんのだが、その背景に薄みが目立ってきて。 個人が個人として動き始めてたところでいきなり正義の味方の一団 vs 悪の親分という展開がなんとも。

『ヒカルの碁』
ちょっと描写に失敗してるんじゃないかと最近思うようになったが、 確かに原作もそうだからアニメとして文句言える筋合いではないのかもしれないが ── つまり、碁の盤面の表現だけれど。

テニスのスコアなどと違い、数字で記されるわけではない碁盤を真上から映したシーンで必要なことが どれだけ読み取れるか?
碁を知らん時代に碁盤を見つめていた(目に止めざるをえなかった)経験は一回しかないが、 ... いや、新幹線に乗ってて隣にいた二人が碁打ってたんだわ。 することないからぼけっとそれ眺めてたんだけど、どっちが勝ってんのかすらまったく分からんのだな。 無目的にランダムに石が置かれてるみたいで。これを同じ気分を ヒカルの碁みてて碁盤がでるシーンで味わうのだとすると、アニメで 碁盤を止めて映すシーンは気分的に流れを中断される位の煩さを感じるのではなかろーか。

アキラとユン先生の碁盤で「うぇ、こいつら強い」と思い、筒井とヒカルの碁で「ほのぼのとしててまあ」 とかいった感覚が出てこないとすると、 下手なサブリミナルエフェクトかぶせられたに近い嫌悪感(中断?感)を感じるのではないかと思うのだが、 あまりそーいった嫌悪感という話は聞かない。頭ん中でどーゆー風に処理されているのだろう ...
本当にサブリミナルエフェクトになっていて、 知らず知らずのうちに碁盤の読み方が分かるようになっていたというオチも凄くありそうだが。

もちろん大差がつけば、対局者の表情が描かれているだけで表現として十分だ。微差の時が問題で、 碁盤で止めた瞬間に、対局者のどちらかの思考(優勢劣勢は数字で表現されている) を流すだけでもかなり違うと思うのだが。... かえってジャマかな?
でも一律で止めるだけというのも芸がないと思う。

『プロジェクト ARMS』
指揮やってることになってるはずのケイがおバカで観てて凄くきつい。
引く時、攻めに出る時、そのタイミング、何を兵士に説明し、何を説明せずにすませるか(行動を優先させるか) そういうセンスが絶望的に感じられない。

『G ガンダム』
ガンダムシリーズに入れられるような物語ではないがそのことを考慮に入れなければ面白い という評価、なんとなく分かる。 確かに面白い部類に入ると思うし、ガンダムでやってる意味が分からんというのも分かる。が ... 手塚治虫が『鉄腕アトム』の 「アトム対コバルト」、「地上最強のロボット」のあたりでコメントしたことが 頭に思いうかんでしまってどーも評価が歪むよーな気がするのでこのへんで。

『コナン』
灰原週間の筈なのだが、絵の出来が壮絶に酷く、観てて気持ち悪くなった。
うーむ、黒の組織の再会篇といい、灰原は絵に恵まれないなあ ;_;
ところでこのアニメ、数少ないセルアニメだったはずだが、フルデジタルに移行したか? 彩色にテカリがでるようになり、線が太く、鋭角になった。

『ココロ図書館』
この話にイマイチ乗れないのは、音楽のせいもあるらしい。 メロディを先読みしつつ聞いてるとリズムをかなり外す。 浸るアニメのはずなのに、一定の緊張を強いられる。

『サイボーグ 009』
素晴しい勢いで物語がヘタれていく。人物描写、展開とも 3 級品。 1 話の出来はマボロシだったのか? さすがに OP で使われているだけはある。

『シャーマンキング』
切った。前後にスクライドとヒカル抱えて HD の負担が大きかったから。


11 月 24 日。
一人前の太陽使いになるのはとっても大変なことなんだぞ、 人間の思い付きなんかで出来ることじゃない、 オーロラ造るのはとっても大変なことなのでそれでかんべんしてやってください、 てとこで 『雪使いシュガー』の感想目次を置く ... まだ中身はないが(をい)。
まあ、巨大な放電管もとい真空管もとい CRT が転がってるようだから、 荷電粒子を発生させるのはなんとかなる。真空ポンプと水蒸気の組合せで必要な真空も作れる。 荷電粒子を捕える磁界も ... なんとかならないか。こいつがいちばん電力食いそうだな。 適切な指導と道具があれば中学生には作って作れないこともない?

ホームページ上と違い fj での発言は不思議なほど肯定的だったりするが、 物語(脚本)に対して肯定的なのであって、 フォロー元に対してはここでの姿勢をあまりかわることはない。... ようになってると思う。 読解の仕方が違うが故に評価が異なるというだけなら黙ってる。 口は挟むのは、議論でどーも観点が抜けてて、それが評価の上で fatal になってんじゃないかと思う時だけだから、物語に対しては自動的に肯定的になる。

にしても、主筋、脇筋、コンテクスト、メタファー、重なる などの物語構造に関する方言が使えんので説明には苦労する。 いつもの 3 倍位の長さにしていいなら大したことはないが、 1/3 位にまとめないといけないつもりで書くわけだし。


11 月 20 日。
喜多尚江 『ぐるり』 (1) 白泉社
初読の評価さいてーだったので書くつもりはなかったりしたのだが、読み返してすこし見直すことにした。 この話、いつものフォーマットを意識的に崩してきているのだな。 竜紀と虎ノ介がいつもの核の二人にあたるのだろうが、朱鳥が実質上の主人公を担う。
物語を支える柱(イデア@空の帝国、兼雅@ピアノの恋人、etc. の系列)のはずの虎ノ介は絶対性を失い (主席入学というあたりに痕跡が :-)、 主人公のはずの竜紀もまた、解決すべき問題をもたない。 4 人の登場人物と四神相応な話をつくりながら、主題はかぎりなく 「どうして朱鳥は竜紀に女の子の服を着せたがるのか」なわけで。 作者の力をもってすればちゃんと描ける問題だと思うけど、 いまんとこ 3 人(4 人か?) を順繰りに平等に描こうとするぶんだけ話が迷走してるかも。 次作に期待、かな。
にしても、同人屋がみたら狂喜乱舞しそうな展開は一体 ...

ちなみに喜多尚江の話で好きな順にあげると、 『地球の王様』、『悪だくみは木の上で』、『真夏の国』、『ピアノの恋人』、以下略、とゆーことになる。 もちろん K 電鉄 K 島駅にも参拝したことがある。それまで喜多尚江が西の人という認識はなかったのだが、 つーか今もないが、当時けっこ意外に思ったのであった。

SONY から新しく出た CLIE の現物が見たい。 とくにモノクロのほうの液晶の出来が気になる。銀座まで出ないとあかんのか。 ARM7 化した Dataslim 待ってたのだが、T400 でコトが足りるならこれでいい。

流星研究会の流星群のレポートが上がってきた。
ZHR3000 (2:30) 〜 ZHR4300 (3:30). ま、そんなもんか、雲さえ無ければなぁ ;_;


11 月 19 日。
しし座流星群なレポート。
雲が意外に手薄いということだったので、待機。本番の気配が見え出した 1:40 から偵察出動。 雲量 9 (大三角の中だけ開いてる ;_;), 最微 1.5 等という条件下で 1:48 から 5 分間、プロキオン中心に 10 度以内で 8 個。 ざっと暗算して ZHR600 とあっさり自己最高を記録。 これなら本番は ZHR1000 は確実、と儚く期待しつつ一度戻る。

観てたのは 10 分に届かないと思うが、 そのあいだに -5 等級が 3 個、-1 等級 3 個、痕付き 1 個、音付き 4 個。 開けてる方角が限られていることもあって、近所で見てるのは皆同じ方角を観ている。 別々の集団から同じタイミングで声が上がるのがいと楽し。

2:20 の本番出動では ── 雲量 10, あぅ、これで何をどうしろと ...??
3:00 まで粘ったが、収穫ほとんどゼロ。-8 等位のが 2 つのみ T_T

速報では 流星は 1:30 〜 6:00 をコンスタントに、ZHR6000 〜 10000 などというレポートが上がってきているよーだが、マジか??
うう、雲さえ無ければ、雲さえ無ければっ!!

テンタイショウな話。
TV でやたらと点対称と連呼しておるから何事かと思えば天体ショウ。
"ten" の直後にブレス入れて "tai" の頭に(高音)アクセント置くからだが ... 「天体ショウ」なら "tentai" の頭にアクセント、"sho" の頭に弱アクセントだとおもう。


11 月 18 日。
しし座流星群な夜である。が、この曇り空は、よーするに早よ寝ろとゆーことなのか ...
11 月 14 日。
Project X、「8 ミリの悪魔 vs 特命班」
沖縄本島でのミバエ駆除のレポートの抄録は大昔読んだ。けどよーわからんかった。 その方針で減ることは分かるが全滅するのが。 久米島での実験がうまくいったからといって本島でうまくいくような気がせーへん。 初年度は指数関数的に減るが、不妊虫の圧力含めてすぐ平衡するような気がしたから。
実際、手を緩めた地域ではすぐに繁殖したそうだから、0 以下に平衡点をもってくるというのでなく 不妊虫によって力づくで繁殖を押え込むに近い。

ウリミバエは 1 世代(1 ヵ月)で 1000 個/匹の卵。いかに爆発的に増えようと ぜんぶ成虫になってた日には 1 年後には地球圏の炭素総量すら越える。 不妊虫がなくても自然要因は世代あたり 1000 分の 1 に減らす圧力を持ってる訳で、 同数の不妊虫を持ち込んでも圧力は倍にしかならず、どーみても誤差範囲。 1 億匹にもなったウリミバエ相手に高々月産数百万匹の不妊虫でどーにかなるとは思えんかった。 そのレポート、理論予測の数式でてなかったもんで。

実際なんとかなってしまったわけだが、なんとかなったのはレポート読んだ後のことで、 当時は半信半疑以下だった ... だけでなく、沖縄からの野菜の移入許可が出たのは知ってたが、 それがウリミバエ根絶を受けてだったとは思い付かんかった。うぐぅ。
ちなみに、約 20 年でのべ 600 億匹まいたそうである。野性種と同数どころか数倍以上蒔いている。 圧力とはこうやって掛けるものなのか、なるほど。執念と根性の勝利だなぁ。

もちろん米軍の問題なんざ一片も頭になかった。 昆虫学専攻の大尉が協力してくれたってことも、まったく知らんかった。 弾薬庫の上空をヘリ飛ばすなんて「今」だと考えられないが、当時も今と同じくらい論外なことだったろう。
それにしても、この時代はお役所もちゃんと仕事してたんだねぇ。しみじみ。

『雪使いシュガー』、#7 「心をつなぐメロディー」
昨夜、 放送が 26:40 開始と 20 分遅れだったが、寸前に気づいてかろうじて録画に成功。 ごそごそ起き出して設定変えてそのまんまつぶれた奴 ...
前半のヤマ場をなす回ということで微かに頭に残ってたらしい ... とゆーか、 前回ちとキツそうだったんで今話のを録画するまで封印していたから気に懸かってたんですな。
前回の予告と今回のアバンタイトルも裏表で繋がって、封印は正解。

ちなみに中身を観るのはこれから ...


11 月 13 日。
アーネスト=サトウ探しにいって見付からず、失意のうちにふと手にとった本。
海羽超史郎 『ラスト・ビジョン』 電撃文庫
大阪方言全開で、向こうの言葉思い出すのにええかと思て買うたやつ。 最初の 2 ページで「同人屋さん出身か?」との偏見をもち、10 ページでそれは確信に至る。 事実かどうかはともかく。 そーゆー意味で物語としての期待点はマイナスからの出発だったが ... 面白かったです。失礼しやした。
電撃で複数回読みに耐えるってのも久しぶり。文章イマイチなので読み返すと頭痛くなるけど。
最初は「10 年前の夏、僕は 7 歳の彼女と約束をした ──」なる帯が付いていて思いっきりヒイたのだが。 多分それはウソではないのだろうが実は本編の色をカケラも反映してないぞ。 主筋の内容とも ... 一致しているようにみえて微妙に違うような気がする。

「それが君の本来なすべき報復だったと、私は思う」
ちゃんと座って読む気になったセリフ。 物語の瀑流がまだ予感でしかないとば口で、しっかりと錘が打ち込まれた感じ。
主人公の初乃素直と友人の間ノ居忠との対比において、 間ノ居がバカでないことを示した(相対的に初乃が幼くみえる)あとでのこのセリフによって、 初乃という人物が表現される ... もっとも、 もちろんそういう初乃を知っていたうえで間ノ居という人物が存在するのであって、 二人の対比はもう一回ひっくりかえるんだけども。

「報復」の名に値するかどうか、というのはこのさいどうでもいい。 発言者の掲げた行動が「報復」という概念でくくることができる「かもしれない」という主張にこそ意味がある。 それは異なる視点と世界を提供する。納得しなくてもいい、 初乃が実際に採った(それこそ素直で)素朴な行動を 彼のうちで相対化し評価して消化吸収できるようにすることが、発言者の意図すること(の一つ)だろうから。

そして、どう理解し、どう消化したか ── ということが、今回の話の舞台で試される。 表層だけみるなら今回の舞台で初乃は事態に流されているだけだ。 そうではなくて、過去の事実を背負ったうえで、現在の問いに答え、かつ行動できるのか/しているのか。 たとえば、ロボット(?)を従えた高井深奈の前に立てるか。神無月さよりを連れた状況で? ロボットにも深奈にも殺人の疑いがかかっている。さよりは信じてないし、初乃も半信半疑としても。 もちろん彼らは初乃やさよりは殺さないだろう。友人だから ── だが、もしその条件がない場合には 二人とも殺されるかもしれないということを現実のものとして受け入れたうえで、 深奈の前に立てるか? 「おまえ(深奈)を信用できない」と言えるか。

強烈なストレスのかかる条件のわりに、 精神の一部をアースしてしまってんじゃないかと思うほど初乃の思索は安定しているが、 比喩でなく実際にアースしてしまってるような状態であることに気づいて、 物語の全貌が分かった気になった。

相手が間ノ居でなければ自分もさよりを狙う一人である ── と自覚しつつ、 極限状態では初乃にとってさよりは理解できない側の人物になる。 まあそれはそれで正しいんじゃねーかと思うし、間ノ居や深奈と比べれば (初乃からみて)一つ格が落ちるだろう ... 「信じるから信じるのだ」という言葉に 異議を申し立てるところから始まっている今の初乃のありようのスタートラインにすら さよりは立てないのだから。

過去と今が重なったとき、初乃の行動が ── 行動に至る大義名分の立て方が、過去と変わった、あるていどの理論武装を必要とした。 結局それは過去の再演かもしれないけど、与えられた意味がすこし変わる。

... ネタばらさんように書いてると文章歪んでくるし、それにそろそろ耐えられなくなったのでこのへんで。
全体の構成は SF ともファンタジィともつかない話だけど、 たぶんそういう部分を追求してもあまり意味はない。そーゆーのをみる話ではないと思う。 ... 量子哲学がちらほらと顔を覗かせていてなんとなく SF 的に追求したくなるが、 数学的な背景が無さ気なので数理哲学的なコト含めて一貫した構成は無いとみた。

ところで、後半の作者の体力切れがちょっと酷い。 表層(さより達の物語)と主筋(深奈の物語)と深層(初乃と姉の物語)で別々の物語が進行する構造に 5 人とか 6 人とかの人物の行動のバックグラウンドまで描写して 確かに 380 ページで足りるわけは無いのだけれど。

主題になる初乃〜深奈の物語の背景のうち、初乃側の背景としての姉の物語は ちゃんと描写された。 が、深奈側の背景としての高井ファミリの深奈への愛情の描写が ...

初乃素直がどういう人物であるか彼らも知っていた。それでいて初乃には手を出さなかったし、 深奈の行動にも干渉しなかった。いつだれが敵に回るかもしれぬ状況で、 というか深奈自身が敵に回ったような状態で、毅然とし続けた。 それを深奈は理解しているのか。沈や公子など高井家の人達と深奈が直接話した描写がないので 物語の理解がどうしても初乃側からに偏ってしまう。せっかく皆いろいろ苦労してる描写があるのに。 同じことだけれど、 瀕死の重傷を負った(んじゃないかと思う)叔父が、どうして初乃を支援する気になったのかという部分も。

それと神無月さより。主筋で深奈にタイムリミットを与える役目と思ったのだがなぁ。 初乃の人物紹介のためにしか使われなかった。 もちろん前述した理由でさよりには主筋で全く発言権がないから、 使い方は難しいんだけど、だからこそ深奈との絡みで主筋に割ってはいるくらいはしてくれんと。

追伸:
5 周年おめでとうございます > 蘭間林さん。

「登場人物が不幸になるような話を、どう思いますか?」
── どちらかと言うと質問者が何を考えて置いた設問か ... のほうが知りたいかも。 『ラスト・ヴィジョン』だって前半とは別物のように暗くなった後半からして 明らかにハッピーエンドに直行せざるをえないというほどハッピーエンドが約束された話だけれど、 それでも不幸になった登場人物はちゃんと存在する。作者が神様だからといって 登場人物は須く幸いなるべしという規定を置く訳にもいかんと思うのだが、 そうは思わない人達が存在するということか。

それにしても見たことのある名前がいろいろならんでおるなぁ ... けっこう読んでんな、私も。


11 月 11 日。
『Project ARMS』
「今世紀最高の、超天才アル=ボーエンから凡人へ!
これより、ギャローズベルからの脱出作戦を敢行する。 生き延びたい凡人諸君は、有難く命令に従うように。以上だ」
緒方恵美、もう最高っす。爆笑。松風@美夕よりは余裕がある可愛げのある傲慢さ。
シナリオ的にも、さりげなくみんな(隼人除く)流してるのが良い感じ〜。

次はキャニオンの洞窟ん中での発言だな。


11 月 9 日。
丹羽啓介 『キャットルーキー』 小学館
20 巻が出た時に買って、それから 3 → 8 → 9 → ... と進んでただいま買い揃え率 4 割弱。 話の密度がやや薄く、 3 巻あたりからリアルタイムで読んでいた話があるようだが、ほぼ読み捨てていて、 記憶にあるコマないしセリフは 1 巻につき 0.5 箇所くらいで 買い揃えたくなるというにはぎりぎりで足りない。 てことで通しで一気にそろえる度胸はたたず、面白いエピソードの巻から順に。 でもまあ、そのうちぜんぶ揃うような気はする ... 少なくとも四方篇 (2 〜 16?) は確実だろう。 見付かれば、の話だけど。

やや無理気味の論理に自己突込みする展開と、真面目な勝負事からお祭り一方調子にハジけた展開と。 できるだけバランスを取ろうとする構えも好みだが、むしろタガ外した展開のほうが作者の本領かな。 3 巻の守備放棄から 9 回裏の 7 点差をひっくりかえした逆転劇とかオールスターゲームなど。 ぼそっと突っ込む一言もけっこう好きだけど: 「おまえら忍者か ...?」とか。

グラビティ・プラス投法やアンダーハンドスローのフォークボールに突っ込む奴は居ても それよりは無茶な 7 点差の逆転劇に突っ込む奴はいない。モードが切り替わってる効果というのか、 勢いの力というのか。

重力加速込みで初速終速が同じボール ... てのは 能書き通りの重力による加速の効果と考えるとかなりあやしいが、 初速終速差が 1km/h を越えないボールってのはそんなに稀でもないから突っ込むほどのものとは思わない。 でも「重力による加速の効果」という能書きが怪しすぎてふつー突っ込む。
7 点差の逆転劇の内訳は平凡なエラーとかベースにけつまずいたとかいう よくぞここまでという無茶とツキだけの内容だが、でもたぶん誰も突っ込まない:

次の瞬間 … トム・キャッツは怪しい宗教団体と化した!!
説得力皆無の地の文のはずなのに、どうしてこんなに説得力があるのやら。

重力による加速の効果:
プレート〜ベース間、四捨五入して 25m を 144km/h (40m/s) で通過するのにかかる時間は 約 0.6s, ランカスターが常人より 1m 高い位置エネルギーをボールに与えられるとして、 0.6s 後の増速分は垂直方向に max 1.8m/s (6.5km/h). ボールは斜めに落ちて来る(縦に 4m, 横に 25m) ので、 ボールの進行方向への分力は最大限に見積もって約 1.0km/h ほど。
初速終速差は高々 5km/h 程度なのでバッターには感じとれるだけの違いが出てくると思うけど、 よくのびてくるボール、という範疇に入ると思う。


11 月 8 日。
某オオモノを atropos 上で recompile した。
以前 build したときとホスト環境はほとんど変わっていないはずだが、 その遅さにブチ切れそうになった。

コード規模もホスト規模もほとんど変わってないのに、人間のほうの感性が変わったかららしい ... ホスト環境の平均が上がってるので、 コード規模が同じだと、以前より速く build されることを期待してしまう。
make に数分以下の規模だとあまり気にならないし、数時間以上の規模だと これまた気にならない。そのあいだの数十分クラスのコードだというのが待ちの感覚に効いた。

プログラムが動かないとか処理が追い付かないとかいう理由でマシンを強化するというならともかく、 ... いや、もちろんそういう理由でもそろそろ atropos の処理速度が足りないと感じるのだが、 人間のほうの感覚の変化というファクターもあるのだな。


11 月 6 日。
CLIE とラジェンダを触った。おもに入力部分について重点的に。
Dragonball の 33MHz の割り切り graffiti vs MIPS の力任せの文字認識 ... って感じのようだが、 MIPS ないし ARM で graffiti なみの割り切り入力というわけにはいかんのだろーか。 どちらも入力時に「CPU 食ってるな〜」という感覚が残って、無連想反射で入力するにはちと煩い。 ペンがエリアを往復するのにかかる時間以内 (約 140ms) に解釈して欲しいが、200ms 強かかってんな。

それとしばらく触ってていちばん気になったのは、視線移動が大きいということ。
PC にしても Handheld PDA にしても、叩いてる時は手元は見ない。入力されてく文字を見ている。 で、PsPC って文字認識入力にしてもソフトキーボードからの文字入力にしても、 入力中はドコを見てるもんなんだろう。

少なくともソフトキーボードは (どんなに慣れても)タッチタッピングできるようなシロモノには思えなかったので、 多分これはキーボードを見ながら入力ということになるんだろう。 graffiti エリアにはペンのトレースが出てこなくて、しかもそれで十分という判断だということは 文字認識入力の場合は目は文字表示部分のほうにあるのが前提かな? でも palm でも HandEra はペンのトレースが出てくるし、暗闇で紙に文字書くとひでー字になるんですが ... そんなんで PsPC の頼りない入力エンジンは理解してくれるようになるのかなあ。

graffiti の恣意的簡略化アルファベットについては、あんまり文句ないです。 (確実に通信するための)モールス符号だと思えば腹も立たん。 PPC のひらがな認識については、むしろ片仮名をひらがなとして解釈していただくほうが 速く書けるし間違いも少ないんでないかなと思うんだけど ... そういうカスタマイズは出来ないんだろうなぁ。

こーゆーのを触ってると、Agenda VR3 で入力エンジン細工したろーかという気にもなってくるな。
その VR3 だが、音声認識エンジンはどーなった? こいつについてるマイクはもともとそのためだろ?


11 月 5 日。
CATV の遅さに耐えかね、とりあえず squid を入れて apt だけでも共有しようとした。 にもかかわらず、apt の ftp は squid を通すことができないのであった。-_-;;
記述の整合性とか、少しは考えたことあるのだろーか。

そもそも apt の cache archive (/var/cache/apt) 自身を /etc/sources.list での取得先に指定できないことが諸悪の根源だと思うのだが。 nfs で共有しようとするとロック違反で怒られるし(それはまあ、そうだろう)。 まあ、取得方法が非効率になったからといったって、 Debian の各サイトが 2 重 3 重の get で重くなるだけだから、 本人がそれでええっつうならヨソから何か言うことではないのかもしれないが ...。


11 月 3 日。
環境が atropos と kuhn に分散した結果、1 日の時点で kuhn で書いたこのページを atropos にもってくるのにここ(アサヒネットのホームページ上)から拾ってくるはめになっただよ ... いや、kuhn を resume すればいいだけなんだけど。
無線 LAN 経由なので nfs する気はせず、 同期用に coda 入れる準備はしてあれど、なんかうまく build できねーだ。

有楽町 Sofmap に某マシンを見に行ったついでに某同人誌即売会なるものを覗く。 総数 30 だか 40 だかの小さいイベントである。昼すぎということでガランとしてたが。 なにしにいったかというと、原作者の顔を拝みにいったのと 幾つかの URL が欲しかっただけだが、カタログにはロクに URL が載っていないのであった。つ、使えん。 原作者(宇河弘樹)は想像通りだったが、... ええと、どっかで顔写真見かけたっけかなあ。 人柄のほーも、印刷とネットに表現されているものそのまんまであった。 てことは、書いてる内容のほうも本当にそのまんまなんだろうな ... なんか山ほど缶詰もらってたけど。

本人以外の同人誌は大半が薄いコピー誌で、コミケとゆーものはじつは (同人屋さんの中央値とか平均とかを反映してるのではなく)「頂点」だったのね ... と思いし。単価が 100 円とかなんだもん。 めったなことでは単価が 1000 円を割らないコミケを見慣れていると すべてのサークルがダミーサークルに見える。

有楽町 Sofmap はとても sofmap とは思えず ... 有明にでも来たかと錯覚しそうになる。 まあ開店 3 日目だし開店セールの最中だし開店後初めての祝日だしで確かにイベントの最中なのだが。


11 月 1 日。
先日の秋葉で買えなかったので通信販売経由で 2.5inch HDD (富士通 MHN2300AT) 入手。 現物手渡しでない HDD でかなり不安ってことで surface check は真面目に掛ける。 kuhn の HDD 移行ではこれが律速のつもりでいた。 LBA で sector も head 数も IDE の上限一杯になった今時の HDD だと dd によるベタコピーが 効くので win2k や linux のコアの再 install の手間はない。

が、実際にはコピーが律速であった ... 平均 1MB/s で 6GB ほどのデータの移動になったから。 100Mbps つうても kuhn に挿してあるのは cardbus じゃないから、10baseT とたいしてかわらへん。
2 時間だかなんだか LAN カードが全速通信しっぱなしで大丈夫かいなと思ったが、 べつになんともないようである。

これでよーやく kuhn の騒音レベルが atropos を下回った。 ってことで kuhn の 24h 化とホームディレクトリの kuhn 移行開始。


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