『フィギュア 17』 #7 劇中劇「ふたごのおひめさま」全文


注意事項
以下は『フィギュア 17』第 7 話「さよならは言えますか」の劇中劇「ふたごのおひめさま」の アニメ本編中に出現した部分の全てである。

ただ、本編においてこの劇は練習風景や脚本が映されるのみで、 時間を追って全編を通して表現されているわけではないし、 劇すべてが表現されたわけでもない。 実際、一部にごくわずか飛躍もみられる。 また、シーン順序、番号も推定である(つーか、ここまで細切れにしたのは単に整理の都合)。

登場人物
キャスト
つばさ姫 椎名つばさ
ヒカル姫 椎名ヒカル
王様 小川真二
王妃 伊藤典子
隣国の王子 沢田美奈
魔法使い 萩原健太
その手下 1 山内直樹
その手下 2 吉田
城の兵士 1 鈴木卓也
城の兵士 2 藤井
城の兵士 3 今井
城の兵士 4 ?
語り 唐沢飛鳥
プロンプター 相沢翔

上記はほぼ日比野先生のキャスト発表順 (語りのキャストの発表は魔法使いの手下の次だったし、プロンプターの発表なんてしてへん)。

第一幕 第一場
ナレーション 昔々、ある国にとても仲の良い双子のお姫様がいました。

つばさ姫登場。

ナレーション 一人はつばさ姫。お花が大好きで、とても優しい心をしています。 今日もお城の庭園で、たくさんのお花に水をやっていました。

つばさ姫が花に水をやっている。ヒカル姫登場。剣を振っている。

ナレーション もう一人はヒカル姫。とてもおてんばで、今日も剣の稽古をしています。
ヒカル姫 「やあぁ、たぁ、っとぅ!」
つばさ姫 「まあ、ヒカル姫。今日も剣の稽古?」
ヒカル姫 「ええ。でも一人でやってもつまらない。つばさ姫もいっしょにやりましょう?」
ヒカル姫 「いいえ、だめよ。... わたしはヒカル姫のようにうまく剣を扱えません。 ヒカル姫が羨ましいわ ...」
ヒカル姫 「なにを言ってるの。つばさ姫はとっても綺麗にお花を育てるじゃないの。 わたしこそつばさ姫が羨ましいわ」

王、王妃の登場。

王妃 「まあまあ、何を言ってるの二人とも」
ナレーション 王様とお后様の登場です。
王妃 「つばさ姫はもっと元気に、ヒカル姫はもっと女の子らしくならなければいけませんよ」
王様 「わっはっはっはっ、二人の姫はほんとうに仲が良い。それが一番じゃ!」
王妃 「そろそろお部屋に戻りましょう」
双子の姫 「「はい」」
ナレーション そこに全身を黒マントでおおった不気味な男が現れました。 それは、悪い魔法使いでした。
魔法使い 「ふん、幸せそうなやつらめ。 俺様は幸せそうなやつらをみるとむかむかするのだ。... 今にみておれ、 この宮殿を我が物にしてくれる」
第一幕 第二場
ナレーション こうしてみんなが寝静まった真夜中、とつぜんその時はやってきたのです。
魔法使い 「今宵、あの仲のよい二人を引き離してやるのだ」
ナレーション ついに悪い魔法使いがお姫さまをさらいにやってきたのです。
魔法使い 「さあ、来るんだ」
つばさ姫 「いやです、離して」
ヒカル姫 「待てっ! おのれ魔法使いめ、つばさ姫を返しなさいっ」
魔法使い 「手出しをすれば、この場でつばさ姫の命がなくなるぞ? 俺様はお前達が引きさかれ、嘆き悲しめばいいのだ。わっはっはっはっ」
ヒカル姫 「姫!」
つばさ姫 「ヒカル姫 ...」
魔法使い 「はっはっはっ、俺様はお前らの悲しんでる姿を見てるとますます力が湧いてくるのだ。こいっ!」
つばさ姫 「あーっ」
ヒカル姫 「つばさ姫っ」
つばさ姫 「姫っ」
魔法使い 「あっはっはっはっはっ、悲しめ、もっと悲しむのだ! はっはっはっはっはっ、あーっはっはっはっ」
ヒカル姫 「待て ... 待って、つばさ姫を連れていかないでっ!」
第二幕 第一場
ナレーション つばさ姫を悪い魔法使いに拐われたあと、お城はずっと深い悲しみにつつまれていました。
王様 「あれから一月。我が城の兵士がみんなで探しても見付からない ...」
王后 「つばさ姫 ... いまどこで、どんな思いで過ごしているのか ... ああ、かわいそうに ...」
王妃、泣く。
ヒカル姫 「お母さま、つばさ姫はこのわたしが必ず見付けてきます、元気を出してください」
王妃、ヒカル姫退場。
王様 「ああ、これほどの悲劇があろうものか ...!」
王様の退場。
第二幕 第二場
ナレーション 一方、悪い魔法使いは秘密の場所でつばさ姫を魔女に育てあげていたのでした。
魔法使い 「よし、いままでよくやった。褒めてやるぞ」
つばさ姫 「ありがたきしあわせ」
魔法使い 「今宵、攻めるのはあの城だ!」

城を指さす魔法使い。

魔法使い 「失敗は許さんぞ」
つばさ姫 「は」
ナレーション ついに悪い魔法使いがつばさ姫とともにお城に攻めてきたのです。
兵士 1 「たいへんだぁ、魔法使いが現れたぞっ」
魔法使い 「さぁつばさ姫、おまえにしか出来ないあの魔法を使うのだ」

つばさ姫、腕を伸ばして唱える。

つばさ姫 「トービル ノービル イワニナール」
兵士達 「あー」

兵士、一斉に倒れる。

ナレーション つばさ姫の魔法で兵士達は岩になってしまうのでした。

王様 「おのれ、魔法使いめ」
王妃 「つばさ姫を返して」
魔法使い 「はっはっはっ、気が付かないか? つばさ姫なら目の前に居るわっ」

マントのフードを外すつばさ姫。喜色をあらわす王、王妃。

王妃 「おお、つばさ姫、会いたかった」
王様 「こっちへおいで」
ヒカル姫 「つばさ姫、どうしたの」
魔法使い 「つばさ姫は魔法で魔女になったのだ」
三人 「「「えっ」」」
魔法使い 「さあ、おまえの力を見せてやれ」
つばさ姫 「トービル ノービル イワニナール」
王様 「うあー」

王、倒れる。

ヒカル姫 「お父様っ」
王妃 「つばさ姫、お父様になんてことをするの!?」
ヒカル姫 「お母様、もしやつばさ姫は魔法で私達の記憶さえも、消されてしまったのでは?」
王妃 「えっ??」
ヒカル姫 「つばさ姫! 私よ、ヒカル姫よ、思い出して!」
つばさ姫 「トービル ノービル ...」

腕をあげて呪文をとなえるつばさ姫。王妃、ヒカル姫の前に身をのりだす。

王妃 「あぶないっ」
つばさ姫 「イワニナール」
王妃 「アー!」

と岩になってしまう。ヒカル姫、王妃にかけより、

ヒカル姫 「あ、お母様!」
魔法使い 「さあ、次はあいつだ」

手をあげる魔女のつばさ姫。

ヒカル姫 「つばさ姫、おねがい、思い出してっ ... つばさ姫っ」

魔法使い、つばさ姫退場。

第三幕 第一場
ナレーション ひとりぼっちになったヒカル姫が帰るところもなく困っていると、 となりの国の王子様が助けにきてくれました。
王子 「私に魔法使いを倒す良い考えがあります」
ヒカル姫 「ほんとうですか、それはどんな」
王子 「相談は我が城で」
第三幕 第二場
ナレーション 一方、今やヒカル姫のお城は、完全に悪い魔法使いのものになっていました。
魔法使い 「わしの国はどうなった?」
手下 1 「それはもう順調に」
手下 2 「我々の支配下になっております」
魔法使い 「手温い。もっと急ぐのだ」

黒マントをかぶったヒカル姫、登場

ヒカル姫 「ご主人様」
魔法使い 「おお、つばさ姫。なにか用か」
ヒカル姫 「実は教えていただきたいことがあるのです」
魔法使い 「ん?」
ヒカル姫 「かけた魔法を解く呪文が知りたいのです」
魔法使い 「なぜお前にその呪文が必要なのだ?」
ヒカル姫 「部下を相手に魔法の練習をしていて、過ってかけてしまったのです」
魔法使い 「愚か者め ... 仕方がない」

ヒカル姫に耳打ちする魔法使い。 つばさ姫が登場。驚く魔法使い。

つばさ姫 「ご主人様」
魔法使い 「ああっ、なぜだ、なぜつばさ姫が二人いる? ... まさか貴様」

ヒカル姫、マントをぱっと脱ぎ捨てる。
ヒカル姫 「わたしはヒカル姫だっ」
ナレーション そうなのです。ヒカル姫はつばさ姫になりすましていたのです。
ヒカル姫 「タービルモービル ...」
魔法使い 「やめろぉっ!」
ヒカル姫 「モトドールっ」

つばさ姫の周りに光の乱舞。

つばさ姫 「うわぁぁぁぁ ??? ... あ、あ? ここは」
ヒカル姫 「つばさ姫、記憶が戻ったのね!」
つばさ姫 「ヒカル姫、私いままで何を」
魔法使い 「ええい、もう一度、魔法をかけてくれるわ!」

魔法使いが杖を構える。隠れていた王子が切りかかった。

王子 「そうはいかないぞ、たぁーっ」

切り結ぶ魔法使いと王子。

ヒカル姫 「さあつばさ姫、一緒に悪い魔法使いを倒しましょう」

剣をとりおとす王子。杖をつきつける魔法使い。

魔法使い 「ふっふっふっ、愚かな奴め」

ヒカル姫 「次は私達が相手よ!」

振り返り杖をかざす魔法使い。

魔法使い 「なにをこしゃくなっ」
二人の姫 「「たあーっ、やあっ」」

切りかかる二人。 数合のすえ杖を落す魔法使い。

魔法使い 「しまったっ」
ヒカル姫 「つばさ姫」
つばさ姫 「ヒカル姫」
ヒカル姫 「いくよっ!」

とどめをさす二人。叫ぶ魔法使い。

魔法使い 「うわぁあああああああ」
ナレーション 悪い魔法使いは空の彼方へ飛ばされてしまいました。

王子 「さあヒカル姫、みんなにかけられた魔法を解くのです」
ヒカル姫 「タービル、モービル、モトドール ...!」

皆が復活する。

王妃 「つばさ姫っ」
二人の姫 「「お母様」」
王様 「二人ともよくやってくれた、ありがとう」

口々に褒め讃えながらかけよる兵士達。

兵士達 「姫様〜」
つばさ姫 「ヒカル姫」
ヒカル姫 「つばさ姫」
ナレーション こうして双子のお姫様に、再び幸せな毎日が戻ったのでした。

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