図書館員のコンピュータ基礎講座
記憶装置ここでは、リムーバブル・メディア(Removable media)と呼ばれる着脱可能な記憶媒体を中心に、CD、DVD以外の主な補助記憶装置(Auxiliary Storage Unit、別名:外部記憶装置(External Storage Unit))や記録媒体をご紹介します。大容量記憶装置に関しては大容量記憶装置のページを参照してください。 フロッピー・ディスク【2008-01-19更新】
1972年にIBMが開発したフロッピー・ディスク(Floppy Disk)は、磁性体を塗った円盤をカートリッジに入れたもので、磁気によってデータを記録します。FD(エフディー)と略されることもあり、また、JISではフレキシブル・ディスク・カートリッジ(Flexible Disk cartridge)という名称を使用しています。最初のディスクの大きさは8インチでしたが、その後、5.25インチ(一般的に「5インチ」と呼ばれる)、3.5インチのものが登場しました。8インチの標準サイズに対し、5.25インチをミニ・フロッピー・ディスク、3.5インチをマイクロ・フロッピー・ディスクとも呼びます。汎用性が高く安価ですが、CDやDVD、メモリ・カードなどの新記録媒体に比べて容量が小さく読み書き速度も遅いため、現在では8インチや5インチのものはほとんど使われなくなりました。 記録方式・種類には、主に次の表のようなものがあります。
SuperDisk(スーパーディスク)やHiFD(ハイエフディー;High capacity Floppy Disk)や、フロプティカル・ディスク(Floptical Disk)などのフロッピー・ディスクと互換性のある大容量ディスクも登場しましたが、あまり一般的ではありません。
ポイント
MO【2011-05-22更新】
MO(エムオー;Magneto Optical Disk = 光磁気ディスク)は、磁性体を塗った円盤をカートリッジに入れたもので、レーザ光と磁気によって記録したデータをレーザ光によって読み取ります。片面記録のみ可能な3.5インチのものと、両面記録が可能な5.2インチのものがあります。3.5インチのものは主にパソコンで用いられ、128MB、230MB、540MB、640MBの容量のものが一般的ですが、富士通とソニーが共同開発したGIGAMO(ギガモ;Giga Bytes Magneto Optical Disk)という1.3GBや2.3GBの容量を持つ規格もあります。5.2インチのものは主にサーバで用いられ、600MBから1.2GBまでの容量のものが一般的ですが、最大9.1GBの容量のものまであります。
参照・参考文献
ポイント
PD【2006-03-08更新】
PD(ピーディー)は、松下電器産業が1995年に開発した光ディスクで、カートリッジに収められています。レーザー光によってディスクの状態を変化させて記録する相変化記録技術を用いており、PDはPhase-change Disk(相変化記録ディスク)の略称などと言われています。ディスクは、直系12cm、記憶容量650MBとCDと同じで、PDドライブでCD-ROMを読み込むことも可能です。松下電器産業は、同じ相変化記録技術を用いているDVD-RAMをPDの後継媒体と位置付けており、PD自体はほとんど利用されなくなっています。 UDO【2008-01-12更新】
UDO(ユーディーオー;Ultra Density Optical)は、ソニー、HP、Plasmonが2000年に開発した青色レーザを用いた光ディスクです。従来の5.25インチMOの後継という位置づけで大容量化を目指して開発されました。30GB、60GBのディスクが発表されており、将来は120GBも開発される予定です。ディスクは直系12cmで、5.25インチMOと同じ大きさのカートリッジに収められています。相変化記録技術を用いており、追記型と書き換え型の2種類の規格があります。 Zip【2006-03-08更新】
Zip(ジップ)は、Iomega社が1995年に発表した、磁性体を塗った円盤を98×98mmのカートリッジに入れたもので、磁気によってデータを記録します。フロッピー・ディスクに似ていますが、互換性はなく、記憶容量は100MB~750Mと大きくデータ転送もより高速です。米国を中心に世界中で普及しましたが、日本ではMOが先に普及していたため、あまり普及しませんでした。
メモリ・カード【2003-06-03更新】
メモリ・カード(Memory Card)は、フラッシュ・メモリ(Flash Memory)と呼ばれるROMを採用しているカード型の小型記憶媒体のことです。小型、低電力消費などの特徴があり、デジタル・カメラや携帯音楽プレイヤー、携帯情報端末などの携帯型デジタル機器用の記録メディアとして普及しています。容量は数MB~数百GB程度です。
コンパクトフラッシュコンパクトフラッシュ(CompactFlash、CF)は、SanDisk社が1994年に開発した記録メディアです。対応機種が製造会社によって異なる場合があるので注意が必要です。42.8×36.4mmで、厚さの違いにより3.3mmのTypeIと、5mmのTypeIIがあります。 スマートメディアスマートメディア(SmartMedia、SM)は、東芝が1995年に開発した45×37×0.76mmの記録メディアで、正式名は、SSFDC(エスエスエフディーシー;Solid State Floppy Disc Card)です。最近ではあまり利用されなくなってきています。 マルチメディア・カードマルチメディア・カード(MultiMedia Card、MMC)は、Siemens社、SanDisk社が1997年に開発した記録メディアです。後に発表される規格は、これらの企業が中心となっているMultiMediaCard Associationが策定しています。一般的なマルチメディア・カードのほかに、高速化したHS-MMC(エイチエスエムエムシー;High Speed MultiMedia Card)やMMCplus(エムエムシープラス;MultiMedia Card plus)、高速化・小型化したMMCmobile(エムエムシーモバイル;MultiMedia Card mobile)、小型化したRS-MMC(アールエスエムエムシー;Reduced Size MultiMedia Card)、低電圧にも対応したDV RS-MMC(ディーヴイアールエスエムエムシー;Dual Voltage Reduced Size MultiMedia Card)、さらに小型化したMMCmicro(エムエムシーマイクロ;MultiMedia Card micro)、著作権保護機能付きのSecureMMC(セキュアエムエムシー;Secure MultiMedia Card)などがあります。
メモリースティックメモリースティック(Memory Stick)は、ソニーが1998年に開発した記録メディアです。一般的なメモリースティックのほかに、大容量、高速データ転送に対応したメモリースティック PRO(Memory Stick PRO)、さらなる高速化に対応したメモリースティック PRO(High Speed)(Memory Stick PRO High Speed)やメモリースティック PRO-HG(Memory Stick PRO-HG)、小型化したメモリースティック デュオ(Memory Stick Duo)、さらに小型化したメモリースティック マイクロがあります。
SDメモリー・カードSDメモリー・カード(エスディーメモリーカード;Secure Digital Memory Card、SD)は、SanDisk社、松下電器産業、東芝が1999年に開発した記録メディアです。後に発表される規格は、これらの企業が中心となっているSD Associationが策定しています。一般的なSDメモリー・カードのほかに、小型化したminiSDカード(ミニエスディーカード;mini Secure Digital Memory Card)、さらに小型化したmicroSDカード(マイクロエスディーカード;micro Secure Digital Memory Card)があります。また、これらを大容量、高速化したSDHCメモリー・カード(エスディーエイチシーメモリーカード;Secure Digital High Capacity Memory Card)、miniSDHCメモリー・カード(ミニエスディーエイチシーメモリーカード;mini Secure Digital High Capacity Memory Card)microSDHCメモリー・カード(マイクロエスディーエイチシーメモリーカード;micro Secure Digital High Capacity Memory Card)もあります。
xDピクチャー・カードxDピクチャー・カード(エックスディーピクチャーカード;xD-Picture Card)は、オリンパス光学工業と富士写真フイルムが2002年に開発した記録メディアです。一般的なxDピクチャー・カードのほかに、大容量化したType Mと高速化したType Hがあります。
USBメモリ【2003-01-14更新】
USBメモリ(ユーエスビーメモリ;USB Memroy/USB Memory Stick)USBコネクタに接続してデータの読み書きを行う、フラッシュ・メモリを採用した記録メディアです。USBフラッシュ・メモリ(ユーエスビーフラッシュメモリ;USB Flash Memroy)やUSBフラッシュ・ドライブ(ユーエスビーフラッシュドライブ;USB Flash Drive)などとも呼ばれます。多くのものは親指程度の大きさで、十数MB~数GBまでの大容量記憶が可能になっています。最近のほとんどのOSでは、USBメモリをPCのUSBコネクタに接続すると、ドライバのインストールなしに新しいドライブとして認識されデータを読み書きできるようになっています。携帯オーディオ・プレーヤーと共用できるものも増えています。
リムーバブル・ハードディスク【2008-01-19更新】
リムーバブル・ハードディスク(Removable Hard Disk)は、コンピュータのハードディスク部分を取り外し可能にしたものです。一般的にカートリッジに収められており、フロッピー・ディスクのようにディスクを交換して用いることができます。他のリムーバブル・メディア装置よりも読み書きが高速であるという特徴があります。様々な製品が発売されていますが、代表的なものは、iVDR(アイヴイディーアール;Information Versatile Disk for Removable usage)、RDX(アールディーエックス;Removable Disk Exchange system)、JazやRevなどのIomega社の製品、SyJet(サイジェット)などのSyQuest Technology社(1998年に破産)の製品、ORB(オーブ)などのCastlewood Systems社(2004年に破産)の製品があります。CDやDVDなどの普及に伴い利用率が低下しています。
SSD【2010-09-05更新】
SSD(エスエスディー;Solid State Drive)は、主にフラッシュ・メモリを採用した記録メディアで、フラッシュ・メモリを用いたものを、特にFlash SSD(フラッシュエスエスディー;Flash Solid State Drive)と呼びます。ハードディスクと同じ接続インタフェース(ATA)を備え、ハードディスクの代替として利用できます。ハードディスクと比較して、高速に読み書きが可能、衝撃に強い、消費電力が少ない、書き換え限度回数がハードディスクより劣るといった特徴があります。
関連ページ
CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-
|