図書館員のコンピュータ基礎講座

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インターフェース

コンピュータと周辺機器を接続する際には接続端子(コネクタ)などのインターフェースが必要となります。ここでは、PC/AT互換機で使用される代表的なインターフェースを紹介します。

データ転送方式

【2015-06-07更新】

パソコンと周辺機器とのインターフェースの方式には、大きく分けてパラレル方式とシリアル方式があります。

パラレル転送

パラレル転送方式(Parallel Transmission)は、複数の線を使って複数のビットを同時に転送する方式です。シリアル転送に比べて転送速度は高速ですが、長距離転送が困難だ(長いケーブルが使えない)という特徴があります。
この方式でコンピュータ本体と周辺機器を接続するインターフェースをパラレル・ポート(Parallel Port)と呼びます。パソコン本体とプリンタを接続する端子として良く使われることから、別名をプリンタ・ポート(Printer Port)と呼び、LPT(エルピーティー;Line PrinTer)と表記されていることがあります。プリンタ・ポートにはプリンタ以外にスキャナや外付けハードディスクなどを接続することがあります。

SCSI

SCSI(スカジー;Small Computer System Interface)は、ANSIによって規格化された方式で、正確かつ高スピードでのデータ転送が可能です。現在では改良が進み、SCSI-2(スカジーツー;Small Computer System Interface-2)やSCSI-3(スカジースリー;Small Computer System Interface-3)などの規格が普及しており、端子の形式も様々なものがあります。ハードディスクやCD-ROM、MOなどの様々な周辺機器をデイジー・チェーン(Daisy Chain)と呼ばれる「数珠つなぎ」方式で7台まで接続可能です。SCSIでは、アンフェノール、D-Sub(ディーサブ)、フラット・ケーブルなど様々な形状の端子が用いられます。

IDE

IDE(アイディーイー;Integrated Drive Electronics)は、ANSIによってATA(アタ;AT Attachment Interface)という名称で規格化された、ハードディスクを接続するための規格で、製造コストが安く、高速であるという特徴があります。フラット・ケーブル(Flat Cable)と呼ばれる、先に細長の端子がついた帯状のものが多く用いられます。以前はハードディスク接続専用の規格でしたが、最近ではCD-ROMドライブやMOドライブなども接続できるようになっています。

IDE フラット・ケーブル
IDE フラット・ケーブル

IEEE1284

IEEE1284(アイトリプルイーイチニーハチヨン;Institute of Electrical and Electronic Engineers 1284)は、IEEEによって定められた規格で、パラレル・ポートにプリンタを接続するために広く用いられています。規格には、セントロニクス互換モード、ニブル・モード、バイト・モード、ECP(拡張機能ポート)モード、EPP(拡張並列ポート)モードの5種類があります。

シリアル転送

シリアル転送方式(Serial Transmission)は、1本の信号線を使って1ビットずつデータを転送する方式です。パラレル転送に比べて長距離転送が可能ですが、高速転送が困難だという特徴があります。
この方式でコンピュータ本体と周辺機器を接続するインターフェースをシリアル・ポートと呼びます。モデムなどの通信機器を接続する端子として良く使われることから、別名をCOMポート(コムポート;Communication Port)と呼び、「|○|○|」という記号で表記されます。

IEEE1394

IEEE1394(アイトリプルイーイチサンキューヨン;Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)は、1986年にApple社が中心となってFireWire(ファイヤーワイヤ)という名称で開発した高速データ転送の規格で、1995年にIEEEの規格になりました。ソニー製品ではi.Link(アイリンク)と呼ばれています。主にパソコン、デジタル家電などの接続などに使用され、動作中に機器を抜き差しできるホット・スワップまたはホット・プラグと呼ばれる機能や、接続ケーブルによる電源供給をサポートしているという特徴があります。2000年に4ピン端子の採用などの拡張が行われました(IEEE1394a)。この規格に準拠したデジタル・ビデオ機器の入出力に用いる4ピンの端子をDV端子と呼びます。
IEEE1394とIEEE1394aの転送速度は400Mbpsまでですが、800Mbps~3.2Gbpsの転送速度を可能にした9ピンのIEEE1394bという新しい規格も定められています。

IEEE1394 オス(6ピン) IEEE1394 オス(4ピン) IEEE139b オス(9ピン)
オス(6ピン) オス(4ピン) オス(9ピン)
IEEE1394 IEEE1394b
※6ピンのものは接続装置から電力供給が行えます。

RS-232C

RS-232C(アールエスニーサンニシー;Recommended Standard 232 version C)は、EIAによって標準化された規格で、正式名はTIA/EIA-232-Eです。COMポートにモデムやプリンタなどの周辺機器を接続するために広く用いられます。端子には、D-sub25ピンやD-sub9ピンが良く使われます。

DVI

DVI(ディーヴイアイ;Digtal Visual Interface)は、ディスプレイを接続するための規格で、SiliconImage社が開発したTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)というシリアル転送方式を利用しています。従来は、コンピュータ側のデジタル情報をアナログ信号に変換してディスプレイに伝送していましたが、DVIはコンピュータから直接デジタル信号を送信するため、伝送時の信号劣化を防止できます。
DVI端子には、デジタル専用のDVI-D、アナログ専用のDVI-A、デジタル・アナログ兼用のDVI-Iがあり、DVI-DとDVI-Iにはシングル・リンクとデュアル・リンク用があります。

DVI端子 オス DVI端子 メス
オス メス
DVI-D(シングル・リンク) DVI-A DVI-I(シングル・リンク)
DVI-D(シングル・リンク) DVI-A DVI-I(シングル・リンク)
DVI-D(デュアル・リンク) DVI-I(デュアル・リンク)
DVI-D(デュアル・リンク) DVI-I(デュアル・リンク)

USB

USB(ユーエスビー;Universal Serial Bus)は、キーボードやマウス、モデム、プリンタなどを接続するための規格です。
上位バージョンになるほど速い転送速度に対応しています。

モード 速度 USB 1.1 USB 2.0 USB 3.0 USB 3.1
LS(Low Speed) 1.5Mbps 可 可 可 可
FS(Full Speed) 12Mbps 可 可 可 可
HS(High Speed) 480Mbps 不可 可 可 可
SS(SuperSpeed) 5Gbps 不可 不可 可 可
SSP(SuperSpeedPlus) 10Gbps 不可 不可 不可 可
  • なお、1.1および2.0と区別するため、USB 3.0対応のコネクタの絶縁体部分は青色にすることが推奨されています。

USBは、これまで機種によって様々な接続ポートや端子を使用していたものを統一する目的で開発された規格です。ひとつのポートで最大127台の機器を接続できる、電源を切らずに接続の抜き差しができる、USBで接続した周辺機器等へ電源を供給できる(バスパワー)などの特徴があります。

USB オス(Aタイプ) USB オス(Bタイプ) USB メス(Aタイプ) USB メス(Bタイプ)
オス(Aタイプ) オス(Bタイプ) メス(Aタイプ) メス(Bタイプ)
USB

なお、USBポートとスマートフォンなどの小型端末を接続するためのインターフェースには次のようなものがあります。

Dockコネクタ(Dock Connector)
Apple社のiPod、iPad、iPhone用の30ピン端子です。
Lightning(Lightning Connector)
Apple社のiPod、iPad、iPhone用の8ピン(接点は9箇所)端子です。端子の形状に表裏の区別がありません(リバーシブル)。
ミニUSB(Mini USB)
USBコネクタを小型化した5ピン端子で、USB 2.0に対応しています。A、B、AB共用の3タイプの規格がありますが、現在ではBタイプ以外は推奨されていません。
マイクロUSB(Micro USB)
ミニUSBよりもさらに薄型の5ピン端子で、USB 2.0と3.0に対応しています。A、B、AB共用の3タイプの規格がありますが、スマートフォンに搭載されているのは通常、Bタイプです。
USB オス(Aタイプ) USB オス(Bタイプ)
Dockコネクタ Lightning
iPod、iPad、iPhone用端子
ミニUSB オス(Bタイプ) ミニUSB メス(Bタイプ)
オス(Bタイプ) メス(Bタイプ)
ミニUSB
マイクロUSB オス(Bタイプ) マイクロUSB メス(Bタイプ)
オス(Bタイプ) メス(Bタイプ)
マイクロUSB

このように、USB、ミニUSB、マイクロUSBの3種類の端子ができてしまった状況を改善するため、USB端子の統一を目指して、Cタイプという新たな端子がUSB 3.1で定められました。Cタイプは、マイクロUSBのBタイプとほぼ同じサイズで、Lightningと同じくリバーシブルです。また、ホスト機器と周辺機器の間で電源供給が双方向に行えるようになっており、これにより、周辺機器からホスト機器の充電も可能です。

USB オス(Cタイプ) USB メス(Cタイプ)
オス メス
USB(Cタイプ)

端子の形状

【2001-12-03更新】

製造メーカー各社で端子の名称は統一されていないため、同じ形状の端子でも様々な呼び方がされていますので注意が必要です。

アンフェノール

アンフェノール(Amphenol)は、台形型の枠の中に長方形の差し込み台があり、その差し込みの上下に短冊状の接点が付いた端子です。この端子を開発した会社がアンフェノール社だったため、こう呼ばれるようになりました。
別名ベローズタイプ(Bellows Type、「蛇腹」という意味)やマイクロリボン(Micro Ribbon)と呼ぶことがあります。
アンフェノールには、フルピッチ(フルサイズ)と呼ばれる約6.5cm幅の大きさのほかに、接点のピッチを半分にした約3.5cmのハーフピッチ(ハーフサイズ)またはハイピッチと呼ばれるものがあり、フルピッチのものをアンフェノール、ハーフピッチのものをベローズと呼び分けているメーカーもあるようです。
プリンタやSCSI用の端子としてよく使用されており、プリンタ用のもの(アンフェノール36ピン)を、セントロニクス(Centronics)と呼ぶことがあります。ちなみに、セントロニクスは、この端子を採用したプリンタを製造していた会社(現存せず)の名前に由来しています。

セントロニクス36ピン オス セントロニクス36ピン メス
オス メス
セントロニクス36ピン

ポイント
セントロニクスは、細部はメーカーや機種によって様々なため、購入する際には注意が必要です。

D-sub

D-sub(ディーサブ;D Subminiature)は、台形の端子で、アルファベットのDを横にした形に似ていることからその名前がついたと言われています。ピンの数は様々なものがあり、主な用途により使い分けられています。

名称 ピン数 主な用途
D-sub9ピン 9 モデムなどの通信機器接続用(シリアル・ポート)
D-sub15ピン 15 ディスプレイ接続用
D-sub25ピン 25 プリンタやSCSI機器接続用(パラレル・ポート)
D-sub50ピン 50 MO、ハードディスク、CD-ROM/R/RWなどのストレージ機器接続用

他のピン数のものもあります。
D-sub15は、ピンのピッチを半分にした「ミニD-Sub15ピン」端子が、ストレージ用には「D-subハーフピッチ50ピン」が多く使用されています。

D-sub9ピン オス D-sub9ピン メス ミニD-sub15ピン オス ミニD-sub15ピン メス
オス メス オス メス
D-sub9ピン ミニD-sub15ピン
D-sub25ピン オス D-sub25ピン メス D-subハーフピッチ50ピン オス D-subハーフピッチ50ピン メス
オス メス オス メス
D-sub25ピン D-subハーフピッチ50ピン

ポイント
端子にはオス(Male、凸)とメス(Female、凹)があり、パソコンや周辺機器本体は通常メスです。

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CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-