そっと、イザークの部屋に身を隠した二人は、じゃれあうようにベッドへ飛び込んだ。
何もかもがおもしろおかしく見えて、笑い声が部屋に響く。

やがて訪れた一瞬の静寂。
イザークはベッドの上に寝そべり、はそっとイザークの胸の上に顔をあずけた。

。」
「なに?」
「この船でに出会えたことを、神に感謝する。」
「・・・・私もよ、イザーク。」

が両腕を突いて顔を起こすと、イザークがその腕をとった。
そしてイザークはを自分のほうへ引き寄せると、その唇を合わせた。
すぐにそのキスは深さを増して、イザークの手はの頭を抱き寄せる。
はそのイザークのキスに答えた。

イザークの片手がの腕をたどり、の手のひらを開かせた。
そして指を絡ませ、握り締める。
は身体を支えていた腕を失って、イザークの胸へ再び倒れこんだ。
それにあわせて、唇が離れる。

伸ばした腕の先で手のひらが重なっていた。
イザークは自分の上に乗っているの腰を、つないでいないほうの手で抱きしめた。
もつないでいなほうの手で自分の身体を支えた。

二人の瞳が合う。
お互いに何も言わないのに、目を閉じたのは同時だった。

唇が離れることを、二人は望まない。
自分のとても近くに、相手の熱があることを知りたかった。


イザークの手が、優しくの身体をなぞった。
抱きしめていた腰から、徐々に上へ。
とても優しく、いつくしむように。

の背中を伝うイザークの手は、のナイトドレスの後ろを開いた。
あらわになった滑らかなの背から、イザークはの身体の熱を直に感じる。
イザークの手がの背中を滑ると、ぞわりとした感覚がを支配した。

「んっ・・!」
思わずあがってしまったのくぐもった声に、イザークが唇を離した。
ほんのり赤い顔をしたの目と、イザークの目が合う。
は少し恥ずかしそうにイザークから目をそらした。

イザークはベッドから身体を起こしてを抱きしめた。
少し手を添えるとの肩から服がずれて、白い細いの首から肩が無防備にさらされる。
イザークはの首筋に自分の唇をそっと寄せた。

イザークの舌がの首筋を這うと、ぴくん、との中で感覚が跳ねた。
男の人に抱かれることは初めてだったが、不思議と怖くはなかった。
優しいイザークの愛撫に、の身体は包まれていく。

・・・」
の耳たぶにイザークの息がかかる。
「やっ・・・、イザーク・・・」
くすぐったくて逃げようとするが、イザークに腕をつかまれて動けない。

「どこにも行くな。が好きだ。」
告白と共に、イザークの唇がまたの唇に重なった。
イザークの手は、そのまま器用にの服を肩から脱がせた。
腰からするりと抱き寄せると、今度は首筋に朱の痕を残すようにくちづける。

「あっ・・!」
イザークが右手をそっとの胸のふくらみに添えると、から声があがった。
優しく撫であげると、はきつくイザークに抱きついた。
イザークはをそっとベッドに横たえると、首筋からゆっくり胸元へ唇を移した。

「イザーク・・・っ」
が名前を呼ぶと、イザークがに顔を寄せる。
イザークはのぬくもりに抱かれながら、愛の言葉を囁いた。


。愛している。」





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