2023.05.07
    お昼を早めに食べてから、雨の中を2人で東区民文化会館での「さちこのゆるクラコンサートvol.42」に出かけた。チェロ 末永幸子、ピアノ 梶矢民子に加えて、今回のゲストはクラリネットの若手 野村友輝 である。なかなかダイナミックな演奏で、身振りもダイナミックで迫力があった。さちこさんは野村氏の師匠も良く知っていて、演奏ぶりは見分けがつかないほどそっくりだそうである。

    一応曲目を書いておく。

・アンダーソンの「シンコペイティッド・クロック」では、クラリネットが最初から素晴らしい音のコントロールで魅了した。

・シューマンの「幻想小曲集 Op.73」ではシューマンらしいロマンの噴出を見せてくれた。最後の方では管内に水滴が溜まって音がおかしくなってしまい、数回飛ばしたのだが、曲の流れは見失わなかった。まあ当たり前とはいえ流石にプロである。

・サン・サーンスの「白鳥」はクラリネットがソロで、チェロがバッハの無伴奏組曲1番の第一楽章をパロディとしたような伴奏を担当していたが、この伴奏はちょっとそぐわなかったと思う。

・マスネの「タイスの瞑想曲」はチェロとピアノで演奏したが、チェロの迫力がやや不足。

・シュライナーの「インマークライナー」という曲は初めてだったが、クラリネットが下から管を取り外していきながら演奏するという珍しい曲で、なかなか面白かった。タンギングで聴かせるところは流石。

・前半最後はシューマンの「アダージョとアレグロ」。これも素晴らしかった。

・後半最初がブラームスの「クラリネット三重奏曲 Op.114」で、これは初めて聞く大曲である。テーマの展開がつぎつぎと繰り広げられていて、作曲技法の見本市みたいで、惹きこまれたが、長いので疲れた。

・後はやや軽い調子の曲。モンティの「チャルダッシュ」、カッチーニの「アヴェ・マリア」。どちらも編曲が魅力的。アンコールは「Over the Rainbow」の楽しい編曲。

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