2018.08.02
『コズミックフロント☆NEXT:人類滅亡寸前』(NHK BS 8/2)

・・・トバ火山。84万年前、50万年前にもあったのだが、それらを上回る7万4千年前の超巨大噴火があった。その後陥没して、今は湖になっている。スマトラ島沖でユーラシアプレートの下にインドオーストラリアプレートが沈み込むのだが、その結果できるスマトラ断層の隙間からマグマが噴き出した。富士山2つ分のマグマと火山灰が出てきた。噴火のメカニズムが明らかになった。石英中の酸素18の濃度を見る。噴火直前に濃度が減っている。マグマの水分がその上の岩盤に沁み込んで岩盤が崩落し、その隙間に岩石からの水蒸気が噴き出して圧力を高くした。

・・・火山灰はインド洋とその周辺を覆った。生物層に大きな直接的影響を与えただけでなく、火山ガスSO2は長期に亘る地球規模の影響を与えた。成層圏で硫酸エアロゾルとなり、太陽の光を遮った。火山の冬。(1991年ビナツボ火山噴火でもあった。1993年日本では冷夏で米不足になった。)。この時は平均気温が11℃位下がり、これが回復しながらも10年程度続いたと計算される。間氷期から氷期への移行を加速した。当時アフリカ東側に生息していた人類は10万人から1万人に激減した。どうやって生き延びたのかについての論文が出た。
http://www.abc.net.au/news/science/2018-03-13/toba-super-volcano-eruption-saw-some-humans-thrive-on-coast/9532938

その結論:人類は食糧を南アフリカ海岸に発見した。貝やアザラシである。海岸の洞窟で人類が増えている。人類の頭骸骨が変わった。眼の上の骨の盛り上がりが小さくなった。ホルモンの変化の証拠である。甲状腺ホルモンとテストステロンが減少。共食いの形跡が無くなった。贈与の証拠も出てきた。助け合わなければ生きていけなくなった為である。

・・・この頃から人類は海岸線を辿ってアフリカからインド沿岸、更には東南アジア方面に出ていくことになる。そのきっかけにもなったのではないだろうか?

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