2018.08.06
 こうの史代『夕凪の街、桜の国』のドラマをNHKで見た。

被爆して生き延びた母・フジミと娘・皆実。その娘の弟・旭は茨城に疎開していて無事で、そのまま養子になった。娘・皆実の方は10年後に死亡。その娘の友達と弟・旭が結婚して、母と東京に転居した。弟夫婦には子供が2人。1人は常盤貴子が演じる七波。もう1人は結婚している。やがて七波の母も死亡、その祖母も死亡したが、誰も被爆の事を七波に話さなかった。

さて、七波の父・旭は認知症を疑われていたが、ある日黙って広島まで墓参に行き、七波は後を付けて、原爆の事を知る、という物語である。原爆スラムの様子がリアルであった。皆実は被爆時の地獄の様相がトラウマになり、何かの度に思い出す。その光景は画面では絵で表現されていて、心に突き刺さる感じがした。彼女の恋人打越はハンカチを贈り、それが彼女の死後打越に遺され、彼を彼女の弟・旭と七波が訪ねて当時の様子を聞く。なかなか胸に迫る良いドラマだった。

 
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