2020.01.10
『NHKスペシャル 天安門事件 運命を決めた50日』の再放送があったので見た。文化大革命の時に毛沢東に扇動された若者につるし上げられて失脚した?ケ小平の学生デモへのトラウマが原因かもしれない、という感じを受けた。一旦収まった学生運動が、トウ小平の指導下の社説によって、『反乱』と同定され、それに学生達が怒って再燃し、運動が市民を巻き込んでいった。指導部の主役だった趙紫陽は学生達に同情的であったが、指導部内で孤立し失脚した。鎮圧の意思を聞いた知識人達は学生を説得したがうまくいかない。運動が拡大し収拾がつかなくなっていた。李鵬の指揮で全国から軍が集められて、デモを包囲したが、発砲する筈がないと信じていた学生達に挑発されてついに発砲に至った、という経緯らしい。

      関係者達や海外亡命者達の証言や鎮圧軍からの証言、隠されていた写真、等々、なかなか見応えがあった。『多少の犠牲は已むを得ない』として強行突破して、その後経済成長に突き進んで大国になったわけだが、いつかその付けが廻ってくるのだろう。『肯定するにせよ否定するにせよ事実から目を背ければ何の教訓にもならない』という元学生リーダーの意見が耳に残った。事件の節目節目で政治的メッセージがお互いに誤解されている、というのも教訓の一つかもしれない。
 
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