2014.08.24

     このところ、話題の本の著者の話を聞く、BSの「久米書店」という番組を見ていて、面白そうそうなので、志賀櫻の「タックス・ヘイブン」(岩波新書)と久松達央の「キレイゴトぬきの農業論」(新潮新書)を読んだ。タックス・ヘイブンの方は近年の金融バブルの演出に大きな役割を担っているということが言われていて、その仕組みが判る。イギリスの経済はまさにロンドンの金融街シティがタックス・ヘイブンとして機能している事に支えられている、というのもそれほどなのか、と改めて思った。アメリカのウォール街もそうである。いずれも周辺に王領や小国を擁していている。そういうことなので、徹底した対策は難しいようであり、だからこそ、繰り返し金融危機が起きて、政府が税金を投入して金融システムを助ける。ただ、話は国家間の問題で、それを国内法で規制しようとするから、なかなか法律と金融が絡んだややこしい説明になっていて、よく判らないのが残念である。

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