2018.12.12.16

丁度大河ドラマ『せごどん』も最終回の今日、再放送された『英雄達の選択:西南戦争』は2時間スペシャル。新政府が急速に士族を排除した以上、士族の反乱は避けられなかっただろう。武器製造工場でもあった鹿児島での武器を巡る小競り合いが切っ掛けになった。電信線による情報網と海運による輸送手段。最後は熊本城への補給線であった田原坂の戦いで、決定的な役割を果たしたのは士族出身の警察隊から選抜された抜刀隊の投入だった。農民からの徴兵では、幼い時から1:1の死闘の訓練をしてきた士族を相手に、白兵戦が戦えなかったのである。これでは、国防を士族に頼ることになるが、やむを得なかった。抜刀隊は薩摩では疎外されていた城外武士出身であり、城内武士に反感を持っていたということである。しかし、西南戦争の間に、実戦で鍛えられた農民兵にも白兵戦ができるようになっていった。それを見た西郷は、「日本もこれで大丈夫だ。」と呟いたという。軍を解体して有志300名で突破網を破って鹿児島の城山に閉じこもった。最後の突撃。倒れた西郷を桐野が介錯したらしいから、ドラマとは異なる。

・・・確かに、この戦争の終結は武士の世の終わりであり、近代的合理主義の勝利でもあるのだが、むしろ逆に、その戦いぶりによって、武士の精神を徴兵による国軍に植えつけて、それが、後々の日露戦争の旅順とか、太平洋戦争の非合理な戦い方のモデルとなったような気もする。

  <目次へ>  <一つ前へ>    <次へ>