2026.02.02
NHKで2009年に放送された『エドガー・アラン・ポー 200年目の疑惑 -探偵・明智小五郎の調査報告-』がアンコール放送された録画を観た。江戸川乱歩が日本に居て、明智小五郎をアメリカに派遣する、という設定が面白い。
・・とても論理的にち密な人で、家族の為に一生懸命編集者としての仕事をこなしていて、優秀だったらしいが、経済的には恵まれず、妻の病死によってアルコールに溺れるようになったらしい。最後は故郷のボルチモアで不審死を遂げるのだが、番組での想像では、選挙運動に利用された、という説である。これがまた時代を感じさせるのだが、浮浪人を集めて変装させ、酒と麻薬で朦朧とさせて、あちこちの投票所で同じ人に投票させるというものであるが、最後は意識不明になって亡くなるということらしい。ポーの死にざまがそれを想起させるということである。
・・文芸批評が辛辣で評判だったが、最後は批評した相手に恨まれてしまい、死後にとんでもない悪評をバラまかれて、未だにその影響が残っている。その結果、アメリカでは評価されず、フランスで、ヴァレリー、マラルメ、ボードレールに絶賛された。
・・怪奇小説に科学的理屈を付けて探偵小説に仕立て上げたので、探偵小説の元祖とされている。その種のパターンが5つあって、今日まですべての探偵小説がその枠組みに入るということである。最後の場面では明智小五郎がポーに会う。自らの詩「大鴉」を語る。彼は詩というものも、論理的に構成されているものだから、詩情よりも背景の論理の方が高級であるという。この辺にヴァレリーが共感したのではないだろうか?
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